新幹線の運転士「年休、希望通りに取れず」 JR東海に賠償を命令
JR東海の東海道新幹線の現役運転士ら6人が「年次有給休暇を希望通り取れなかった」として、同社に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(片野正樹裁判長)であった。判決は同社の年休の運用について「労働契約上の義務を怠った」と認め、6人に1人あたり3万~20万円、計54万円を支払うよう同社に命じた。同社は即日、控訴した。
労働基準法で、会社は労働者の希望する日に年休を与えなくてはならない。ただ、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、会社は取得日を変更できる。
判決によると、JR東海の新幹線乗務員は就業規則などに基づき、毎月20日までに翌月の年休希望を申請する。しかし実際は、取得できるかは勤務日の5日前まで確定せず、取れない場合もあった。
訴訟で同社側は、日々の需要に応じて臨時列車を運行するためにやむを得ないと主張したが、判決は、社員が申し出てから相当期間後に希望を変更させる運用は「合理的な期間を超え、労働者の利益への配慮に反する」と認定した。また、訴訟の対象となった2015~16年度は「(会社は)恒常的な要員不足に陥っていた」と指摘。6人の年休取得で事業に支障が生じるとしても「会社が年休取得日を変更する権利を行使することは許されない」とも判断した。
JR東海「指定席取りやすい」 その裏で
「年休権という労働者の権利の重要性を改めて確認した判決だ」
原告の一人で現職の運転士、木下和樹さん(59)は会見でこう話した。
年休をめぐるこれまでの裁判…
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