岸田文雄首相の長男で、政務秘書官を務める翔太郎氏(32)が、首相の欧米歴訪時に公用車で観光地をめぐって撮影した写真について、政府は朝日新聞の情報公開請求に対して「不存在」として不開示とした。内閣官房の担当者は取材に「撮影はしているが行政文書に当たらないため」と説明する。専門家は「公的な記録について説明責任を果たさない現状は問題」と指摘する。
翔太郎氏は1月9~15日の首相のフランス、イタリア、英国、カナダ、米国の歴訪に同行。その際に、日本大使館の公用車を利用して、パリやロンドンの観光名所を訪れていたと週刊新潮が報じた。
政府は「対外発信に使うための街の風景やランドマークの外観撮影」などが目的で「不適切な行動はなかった」と説明。松野博一官房長官は1月30日の記者会見で、写真は「(外国訪問の)日程終了直後に対外発信に使用することもあれば、一定期間収集し、後日、一連の活動記録として対外発信に使用することもある」と述べた。
朝日新聞は2月、翔太郎氏が撮影した写真など画像データを開示するよう内閣官房に請求した。内閣総務官室は3月6日付で「不開示決定」を通知し、理由として「『画像データ』は行政文書に該当せず、保有していないため(不存在)」とした。
同室の担当者は取材に対し…
- 【提案】
以前にも当欄で記しましたが、本当に「対外発信に使うための街の風景やランドマークの外観撮影」が目的だとするならば、堂々と写真を公開すれば済む話ではないでしょうか。まして対外発信に使うためのものならば、非公開にすべき画像ではないはずです。
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