コロナ5類移行なぜ今 布石打ち続けた首相、めざした「年度替わり」
20日、政府は新型コロナについて今春「5類」に移行する方針を表明した。第8波のさなか、なぜ今だったのか。
「足元の感染対策は、しっかりやるんだよな?」
5類移行方針を表明する直前の20日午前、岸田文雄首相は官邸の執務室で政権幹部らにそう念押しした。国民に時期尚早と受け取られれば、政権のダメージになりかねない。
事務方からは、第8波の感染者数は減少傾向で、死者数も一時は過去最多ペースだったが、今週やや減ったこと、中国からの入国者の陽性率も低く抑えられていることを説明した。岸田首相は5類移行を「この春」とする日程案に目を落とし、最終判断を下した。「では、このスケジュールでいきましょう」
政府は移行時期について早くから今春に照準をあわせ、月内に方針を表明する算段だった。
昨年3月、致死率の低いオミクロン株に置き換わった第6波が収束すると、岸田首相はそれ以降を「平時への移行期間」と位置づけ、社会経済活動との両立に重きを置いた。昨夏の第7波は初めて行動制限を実施せず、全数把握や療養期間を見直すなど「ウィズコロナ」を本格化させ、5類移行へ環境を整えた。
厚生労働省幹部は、昨夏に一度は5類移行の検討が進みかけたが、途絶えてしまったと振り返る。「まだウイルスについて分からない部分が多く、冬のコロナ・インフル同時流行も心配だった」(同省幹部)
検討が再加速するきっかけは…
- 【視点】
ウィズコロナの対応をとることそのものへの異論は、もう大きくはないでしょう。3年ぶりに行動制限のないこの年末年始、多くの人びとが観光やイベント、会食などを楽しみました。感染者数も死者数もそれなりの数字が出ていても、です。おそらくよほどのことが
…続きを読む
新型コロナウイルス最新情報
最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]