大阪の道頓堀川に絶滅危惧種ニホンウナギ 「蒲焼きにはやや大きい」
大阪・ミナミを流れる道頓堀川に絶滅危惧種のニホンウナギが生息していることがわかった。大阪府立環境農林水産総合研究所などが昨年11月に調査をして見つけた。同川での学術調査による正式な捕獲記録としては初めてという。
ニホンウナギは環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に、大阪府のレッドリストでも絶滅危惧Ⅱ類として掲載されている。同研究所によると府内の河川では分布が確認されており、道頓堀川にもいると考えられていたものの正式な調査記録はなかった。
そこで、同研究所などが昨年11月、道頓堀川にはえ縄などウナギを捕まえるための仕掛けを設置し、捕獲を試みた。その結果、体長30~60センチほどの11匹が見つかったという。60センチだと、「かば焼きにはやや大きいくらいのサイズ」で、形態的な特徴などからニホンウナギと判断した。
ニホンウナギは肉食で、ミミズやザリガニなど様々なものを食べる。同研究所の山本義彦主任研究員は、「ニホンウナギが生きていける生態系が道頓堀川の中で成り立っているということ。道頓堀川に魚がいることを知らない人も多い。身近な生物多様性のつながりに関心を持ってもらうきっかけになれば」と話す。
見つかった個体の一部は、同研究所生物多様性センター(寝屋川市)で4月7日まで開催している企画展「身近にもいる絶滅危惧種」で見られるという。
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