第4回ストレスで猿は死に馬は餌に 占領された動物園、避難拒否した飼育員
戦争を、動物園の動物たちはどう生き延びるのだろう。
そもそも、誰が世話をしてくれるのか。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)から北に約40キロ。ロシア軍に35日間にわたって占領された動物園がある。
トウモロコシ畑に囲まれた、デミディフ村の動物園。客は20人ほどで、レストランは閉店したまま。閉じられたパラソルが、バタバタと風音を立てる。
キリンの区画に行くと、5頭のキリンに、オーガ・ザリツカさん(32)が木の葉のエサをあげていた。
息子のイリヤくん(6)にも促したが、30センチ近く伸びる灰色の舌に、たじろいでいた。「僕のお気に入りは猫なんだよ」
【連載】戦時下の「ニューノーマル」 ウクライナ侵攻半年
ウクライナの首都キーウはロシア軍の激しい攻撃は免れました。人々は飲食や買い物など、侵攻前の暮らしを取り戻そうとしています。ただ、平穏に見える日常には戦争の影響が表れています。そんな現場を訪ねました。
この園では、動物ごとに様々なえさを買うことができる。だから、客を見れば動物が寄ってくる。戦争前は、1日600人ほどが訪れる人気の園だった。
園の名は「12カ月動物園」。文字どおり、2015年の開園以来、365日、市民を受け入れてきた。
ライオンやサイ、ラクダなど、300匹が、広々とした敷地に暮らす。ウクライナ最大級の民間動物園だ。
休園になったのは2月25日。
首都攻略をめざすロシア軍が…
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