葉真中顕さん寄稿 参院選「選択肢がない」に安心していないか

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 参院選が22日に公示されます。この選挙に私たちはどう向き合えば良いのでしょうか。社会派ミステリーの旗手、葉真中顕さんに寄稿してもらいました。

 はまなか・あき 1976年生まれ。2013年『ロスト・ケア』で日本ミステリー文学大賞新人賞を受けデビュー。19年『凍(い)てつく太陽』で大藪春彦賞、日本推理作家協会賞。22年『灼熱(しゃくねつ)』で渡辺淳一文学賞。新刊に『ロング・アフタヌーン』。『ロスト・ケア』は23年に映画化予定。

 私が介護問題をテーマにしたミステリー小説『ロスト・ケア』を上梓(じょうし)してから、もうすぐ十年になる。

 私も親族の介護を経験した一人だが、当時から深刻だった我が国の少子高齢化は収まるどころかますます進行した。

 今日もどこかで誰かが家族の介護に押し潰されていることだろう。どうすれば、そうした人々に手を差しのべられるのか。今後、さらに増えてゆくだろう介護を必要とする人々をどう支えてゆくのか。逆に減り続けるだろう生産人口をどうやってカバーするのか。これらは今、私たちの目の前にある課題だ。

 このままではまずい。

 それは少子化だけではない…

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