公文書改ざんの遺族賠償、佐川氏に負担求めず 財務相が答弁
学校法人森友学園(大阪市)の国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強いられ自死した同省近畿財務局職員の遺族との訴訟で国が「認諾」して遺族に支払う約1億700万円の賠償金について、鈴木俊一財務相は25日の衆院予算委員会で、佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長に負担を求めない考えを示した。国家賠償法で国が職員に負担を求める場合の「故意または重大な過失」にあたらないことを理由にあげた。
鈴木氏は、国が支払った賠償金の負担を職員に求めるのは、国家賠償法で職員に故意または重大な過失があったときと規定されていることを説明。自死した赤木俊夫さん(当時54)については、「大変厳しい状況に追い込まれてしまった時、当時業務負担の軽減など様々な対応がされていた」ことをあげ、「国が個々の職員に対して求償権を有するものとは考えていない」と説明した。
佐川氏に負担を求めるべきだとする立憲民主党の階猛氏の質問に答えた。
階氏は「故意はあったのではないか。佐川氏の責任はゼロということはない」とただしたが、岸田文雄首相は「財務省としては、今回は難しいという判断だと報告を受けている」と答えた。
階氏は「認諾」で真相解明が遠ざかったとして、佐川氏の再度の証人喚問を求めたが、首相は「国会において議論される問題だ」と述べた。
首相は19日の代表質問で、改ざんを指示した職員に「求償権を有するとは考えていない」と答弁している。