ネット上の報告7万件分析、第5波で見えた異変 第6波はどこから?
海外で再び感染が拡大している新型コロナウイルス。流行を繰り返すこの感染症、国内ではこれまで、どのような場所で発生してきたのか。報道ベンチャーのJX通信社(東京)が集めてきたデータを分析すると、7月下旬から本格化した「第5波」では、それまでと異なる変化が起きていることがわかった。
JX通信社は昨年2月~今年9月、ウェブサイト上で企業や自治体が公表した感染者情報の資料をAI(人工知能)で自動収集。これに、同社が運営するアプリ「ニュースダイジェスト」に投稿された感染者情報のうち確認が取れたものを加え、計約11万2千件分のデータを朝日新聞に提供した。
このうち、発表日がわかる昨年11月以降の約7万件を対象に、一度に2人以上の感染報告があった約1万3千件の場所を「医療施設」「福祉施設」「教育施設」「店舗」「事業所」「公共施設」「その他」の七つに分けて分析した。
その結果、第5波のピークが訪れた今年8月に最も発生件数が多かったのは、オフィスや工場などの「事業所」だった。8月の1876件のうち590件、31%を占めた。第3波のピークだった今年1月は248件、10%ほどで、大きく割合を増やしていた。
これに次いで8月に多かったのは、飲食店やデパートなどの「店舗」で、478件、25%。第3波では167件、7%だった。さらに学校や学習塾などの「教育施設」が336件、18%。1月は180件、7%だった。
逆に、第5波の8月に目立って減ったのは、「福祉施設」と「医療施設」。「福祉施設」は1月の29%から5%へと激減。1月に最も割合が高かった「医療施設」も、36%から13%に減っていた。国内で医療従事者や65歳以上の高齢者を対象にしたワクチン接種が進んだ時期とも重なる。
第5波で増えた「店舗」について、さらに「デパート・商業施設」「飲食店」「接待を伴う飲食店・カラオケ」「劇場・レジャー」「スポーツ施設」「ホテル・銭湯」「郵便局・銀行」に分類して見てみると、最も発生件数が多かったのは「デパート・商業施設」の345件。不特定多数の人が行き交う場所で感染が拡大した状況がうかがえる。
データの分析からは、感染が繰り返されている場所も浮かび上がってきました。
■感染繰り返した場所は…
- 【解説】
弊社(JX通信社)が自社のAIやアプリで収集した、コロナ感染事例のある「地点」の情報を積み上げて、朝日新聞で分析いただいたのがこの記事です。海外では、当局がこうした情報を集積しているケースがあるものの、日本では同様の動きがないため、去年春か
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