雇用保険料、来年度は2倍の可能性 コロナで積立金払底

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山本恭介
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 多くの働き手の給与から天引きされる雇用保険料の引き上げが2022年度、避けられない状況だ。新型コロナ禍で支出が膨らみ、財源が底をつく寸前だからだ。ルール通りなら労働者は2倍、会社は約1・6倍の負担増だが、引き上げに反対し、税金の投入を求める声も強まっている。

 働き手のセーフティーネットとして国が運用する雇用保険には大別して二つの事業がある。①失業者に手当を払う「失業等給付事業」と、②休業者や転職者らを支援する「雇用保険二事業」だ。①には育児休業給付の事業も含まれる。

 現在の保険料率は①が0・6%で労働者と会社が半分ずつ、②が0・3%で会社だけが負担している。収入が月30万円なら本人が月900円(0・3%分)、会社が月1800円(0・6%分)を払う計算だ。

 どちらの事業も支出は保険料収入と、余った保険料の積立金からまかなう原則だ(一部、国庫負担あり)。好況時に積立金を蓄え、不況時の支出に備えるイメージで運営される。

 2019年度末の積立金は①が約4・5兆円、②が約1・5兆円だった。潤沢にみえたが、コロナ禍でピンチに陥った。②の事業である「雇用調整助成金」の支出が20年春~今年7月に4兆円を超えたのだ。休業手当を払って雇用を守った企業を支援する制度だ。

 ②の資金では足りず、21年度予算ベースで①から1・7兆円借り、税金から1・1兆円が投入された。21年度末には①も②も積立金がほぼ底をつく見通しだ。

 そこで22年度の雇用保険料をどうするかが焦点だ。

 雇用保険の料率は、厚生労働…

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この記事を書いた人
山本恭介
経済部兼国際報道部兼デジタル企画報道部|銀行担当
専門・関心分野
資産形成、社会保障、労働政策