東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が、前会長の森喜朗元首相を「名誉最高顧問」に就ける案を検討していることが分かった。大会開催に果たした功績や、期間中の海外要人の接遇役も念頭に置いたものという。ただ、森氏は「女性蔑視発言」で会長を辞任した経緯がある。国内外で大きな批判を招く可能性があり、政府などに強い反対論も出ている。
複数の組織委や政府関係者が明らかにした。森氏が2014年から今年2月まで組織委会長を務めた功績を踏まえ、安倍晋三前首相と同じ組織委の「名誉最高顧問」としたい考えで、組織委幹部と政府側が水面下で調整している。組織委幹部は「安倍氏と同じような肩書にどこかで就いてほしいと思っている。ここまでやってくださった方。処遇しないとならない」と話した。森氏が海外の五輪関係者とのパイプを持つことから、大会期間中の関係者との接遇を考え、役職が必要との声も上がっているという。
森氏は23日の五輪の開会式には「功労者」として出席する予定という。21日には福島県営あづま球場(福島市)でのソフトボール競技を視察している。18日には東京・迎賓館であった国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長らの歓迎会に菅義偉首相、小池百合子東京都知事らとともに出席した。加藤勝信官房長官は19日の記者会見で森氏について「元総理の立場で参加をされたと聞いている」と述べている。
森氏は会長だった今年2月…