難局にはリセットボタン 最長政権の原動力と漂う不安感

有料記事安倍首相辞任へ

菊地直己 小野太郎
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 安倍晋三首相の連続在職日数が佐藤栄作元首相を抜き、歴代最長となった。約7年8カ月もの異例の長期政権を担ってきた首相だが、最近は体調不安説がささやかれる。

 歴史的な記録更新にも、いまの首相官邸内にお祝いムードはない。

 最近になって首相が出席する予定だった25日の自民党役員会は中止。27日に予定されていた首相と党幹部らによる在職記録更新の「お祝い会」も延期された。首相の体調不良に配慮したのではないかとの見方が広がるが、政権幹部は「首相にとっては(記録更新は)単なる通過点。お祭り騒ぎをしているときではない」と述べるにとどめた。

 すでに通算在職日数では、19年11月に戦前の桂太郎元首相の記録を約106年ぶりに更新し、今回、佐藤氏の連続在職記録も塗り替えた。

 第2次安倍政権発足以降、首相は看板に掲げてきた経済政策アベノミクス」を推進。高い支持率を背景に消費税率を2回引き上げた。集団的自衛権の行使を可能とした安全保障法制のほか、特定秘密保護法や「共謀罪」法など世論の反対が強かった法律も次々に成立させた。

 外交分野では、トランプ米大統領との蜜月関係を築いた。一方、「戦後日本外交の総決算」のスローガンを掲げて取り組んだ北方領土問題は停滞。首相自身が「政権の最重要課題」と位置づける拉致問題も進んでいない。

「国民の関心事は…」

 自民党総裁としての任期は来…

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この記事を書いた人
小野太郎
那覇総局|沖縄県政担当
専門・関心分野
国内政治、沖縄