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Heroku Archive

2014 年に発表したセッションと資料まとめ

この記事の所要時間: 648

2014 年も残すは、あと 1 週間になりました。今年も様々なイベントで登壇しましたので、発表したセッションと資料をまとめてみます。

phpcon_kansai_2014
写真提供:久岡写真事務所

登壇イベント

2014/04/04 「わかってるフレームワーク Laravel」Laravel勉強会福岡

「わかってるフレームワーク Laravel」とうタイトルで発表しました。

Laravel で、とあるプロジェクトの開発が終わった後だったので、Laravel への良さを主観たっぷりでお話しました。

翌日の Laravel Meetup Tokyo と合わせて、一人 Laravel Japan ツアーでした:D

2014/04/05 「知っておくべき Auth オートログイン」 Laravel Meetup Tokyo vol.3

Laravel 4.1.25 以前にあった Auth フィルタ利用時のオートログインの問題点についてお話しました。

いくつかの前提条件は必要ですが、影響度が大きいので、「これはやばい」というのが伝わっていました。

なお、この問題は、4.1.26 にて修正されたので、現在は問題ありません。

Laravel ユーザなら知っておくべきAuthオートログインのこと

2014/04/12 「Vagrant ユーザのための Docker 入門」 第3回コンテナ型仮想化の情報交換会@大阪

Docker が盛り上がってきた時だったので、Vagrant ユーザを対象に Docker 入門をお話しました。

セッション途中でも活発に質問が飛び込んできたり、デモでコンテナ起動の速さに驚きの声があがったりで、盛り上がったのを覚えています。

「VagrantユーザのためのDocker入門」を発表してきました

2014/04/19 「最近なんだか、はてブがおかしい」俺聞け8 in Tokyo

資料未公開

当初は「Webエンジンアとしてご飯を食べていく」という内容を考えていたのですが、事前に、主催の @msng さんから「ブログに関する発表が多くて嬉しい」というコメントがあったので、ブロブに寄せようと内容を変えました:)

会場には、著名なブロガーの方が多く、みなさん同じようなことを感じているようで、発表後の情報交換が捗りました。

2014/04/24 「Vagrant 体験入門」DevLove関西

これから Vagrant を学ぶ方向けに、Vagrant 概要についての発表と体験ハンズオンを行いました。

Vagrant ハンズオンでは、みんなで同一拠点から一斉にプロビジョンを行うので、遅延やエラーが起こったり、環境の違い(Vagrant + VirtualBox が起動するまでの)でトラブルが発生したりで、毎回発見があります。

ハンズオンの資料は Qiita に公開しています。

Vagrant体験入門ハンズオン手順 – 2014/04/24 DevLove関西

Vagrant体験入門ハンズオンの資料を公開します

2014/06/19 「Heroku で作るスケーラブルな PHP アプリケーション」第16回関西PHP勉強会

Heroku で PHP が正式サポートされたので、スケーラブルな構成をどう組むかという内容でお話しました。

その後、いくつかのプロジェクトで Heroku + PHP を使っているのですが、やはり PaaS として良くできていますね。まだ掴みきれていない部分もあるので、引き続き追いかけていきます。

Heroku で作るスケーラブルな PHP アプリケーション

2014/06/28 「PHPコードではなく PHPコードの「書き方」を知る」PHPカンファレンス関西2014

PHPカンファレンス関西の初心者向けセッションということで、FizzBuzz を題材に、関数化、クラス化、そして自動テストを書くという流れをお話しました。

「PHPコードではなくPHPコードの「書き方」を知る」を発表してきました

2014/07/05 「開発現場で活用する Vagrant」夏の JAWS-UG 三都物語 2014

関西での JAWS-UG イベント、三都物語でのセッションでした。JAWS-UG では久しぶりの発表になりました。

Vagrant を実際に使う例として、デモで実演しながらセッションを進めました。

会場がフランクな雰囲気で、話しやすかったのが印象的でした。あと Yo を使って、バーチャル拍手というかうなずきを送ってもらったりもしましたね。

「開発現場で活用するVagrant」を発表しました

2014/08/23 「Vagrant 心得 5 ヶ条」DevLove 甲子園 2014 西日本大会

資料未公開

DevLove 甲子園にて、Vagrant についてお話しました。ここでは、Vagrant を活用する上で、気をつけておくと良いことを 5 つにまとめました。

内容は、いずれ blog に書きたいと思います。

2014/10/11 「Ansible ではじめるサーバ作業の自動化」PHPカンファレンス 2014

PHP カンファレンスで、Ansible についてお話しました。発表を聴いた方からは、好意的なフィードバックが多く、「Chef を使っていましたが、Ansible 使ってみます!」という意見もあり、良かったです。

準備している時は、話したいことをどう上手くおさめるかを苦心したので、普段スピーカーをしているコミュニティの仲間から「うまくまとまっていましたね」と言ってもらえ、やはり見ている人には分かるんだなあと感じたりもしました。

このセッションを見た方から、別のイベントでの登壇についてお誘いがあったり、次につながったセッションでもありました。

「Ansibleではじめるサーバ作業の自動化」を発表してきました

2014/12/19 「ビルドサーバで使う Docker」DevLove 関西

年内最後の発表は、やはり Docker でした。今年は、ほんと Docker が躍進した一年でしたね。

Jenkins サーバでの活用例から、導入のポイントや設定方法などをお話しました。

「Jenkinsサーバで使う Docker」を発表してきました

ロクナナワークショップ 「Laravel で学ぶモダン PHP 開発講座」

11 月から、ロクナナワークショップさんにて「Laravel で学ぶモダン PHP 開発講座」という講座を行っています。

みっちり 1 日で、Vagrant や Composer の使い方、Laravel を使った REST API の実装、そして、その自動テストを書くという内容です。

すでに 2 回開催しているのですが、参加された方は熱心に課題に取り組まれていて、講師としても勉強になることが多いです。まとまった時間でじっくり課題をこなしていくので、これから学んでいこうという方にはおすすめです。

次回は 2015/02/17 に開催予定ですので、もし興味がある方は、ご参加下さい。

新原雅司のLaravel で学ぶモダン PHP 開発講座

さいごに

今年を振り返ってみると、自分で名乗り出るよりも、お声がけ頂いて、登壇するという機会が増えました。お声がけ頂けるのは嬉しく、スケジュールやタイミングが許せば、できるだけお引き受けしたいです。

人前で話すというのは、準備も大変ですし、いつも緊張しますが、毎回色々な発見があり、また、終わった後は何ともいえない解放感というか充実感を感じることができます。聴いて頂いた方からのフィードバックも嬉しいものです。

今年も、セッションに参加して頂いた方、イベントにお声がけ頂いた方、本当にありがとうございました。

2015 年は、年始の 1/16 に GoAzure 2015 で登壇する予定です。Websites でスケーラブルな PHP アプリケーションを作るという内容ですので、ご参加お待ちしています!

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CakePHP2 アプリケーションを Heroku で動かす設定

この記事の所要時間: 163

CakePHP2 アプリケーションを Heroku 上で動かす設定についてです。

cakephp_logo_250_trans

以前のエントリにも書きましたが、Heroku で Web アプリケーションを動かす際に重要なのは、Web サーバ自体(Heroku では、Dyno)に、アプリケーションの状態(データ、セッション情報、ログ等)を保持させないということです。

Heroku の Dyno は、デプロイの際や、定常的な再起動により、破棄されるため、記録されたファイルは消えてしまいます。よって、こうしたデータファイルは、アドオンなど外部に記録する必要があります。

Heroku では、アドオンを活用するのがポイントですので、ここでは、主に CakePHP アプリケーションからこうしたアドオンと連携する方法を見ていきます。

Environments Library as a plugin

まず、開発環境と Heroku 環境で設定値を切り替えるために Environments Library as a plugin を使います。

https://github.com/josegonzalez/cakephp-environments

これは、CAKE_ENV という環境変数の値で、環境に応じて、データベースやキャッシュなどの設定を切り替えるものです。昨今のフレームワークではお馴染みの機能ですね。

ここでは、下記の設定について切り替えを行います。

  • ログ
  • データベース
  • キャッシュ / セッション

このプラグインでは、まず Config/bootstrap/environments.php を作成します。このファイルで、環境毎の設定ファイルの読み込みを行います。下記では、Heroku 環境用の heroku.php と、開発環境用の development.php を読み込んでいます。

  • Config/bootstrap/environments.php
<?php
CakePlugin::load('Environments');
App::uses('Environment', 'Environments.Lib');

include dirname(__FILE__) . DS . 'environments' . DS . 'heroku.php';
include dirname(__FILE__) . DS . 'environments' . DS . 'development.php';

Environment::start();

次に、Heroku 環境用の Config/bootstrap/environments/heroku.php です。

環境の設定は、Environment::configure() で行います。第一引数に環境名(CAKE_ENVで指定するもの)、第二引数は適用条件(true なら、CAKE_ENV に合致しなければデフォルトとして適用)、第三引数に設定値の連想配列(Configure::write() する)、第四引数にコールバックを指定します。

第三引数で設定する方法もあるのですが、より柔軟な設定を行うために、ここでは、第四引数のコールバックを指定します。実際の設定は、以降で順に指定していきます。

  • Config/bootstrap/environments/heroku.php
<?php
Environment::configure('heroku', false, [
], function () {
    // Heroku 用設定
});

開発環境用の Config/bootstrap/environments/development です。コールバックで、デフォルトの設定を記述しています。

  • Config/bootstrap/environments/development.php
<?php
Environment::configure('development', true, [
], function () {
    // Log settings
    App::uses('CakeLog', 'Log');
    CakeLog::config('debug', array(
        'engine' => 'File',
        'types' => array('notice', 'info', 'debug'),
        'file' => 'debug',
    ));
    CakeLog::config('error', array(
        'engine' => 'File',
        'types' => array('warning', 'error', 'critical', 'alert', 'emergency'),
        'file' => 'error',
    ));

    // Database settings
    Configure::write('DATABASE_OPTIONS', [
        'datasource' => 'Database/Postgres',
        'persistent' => false,
        'host' => 'localhost',
        'login' => 'shin',
        'password' => '',
        'database' => 'app',
    ]);

    Configure::write('TEST_DATABASE_OPTIONS', [
        'datasource' => 'Database/Postgres',
        'persistent' => false,
        'host' => 'localhost',
        'login' => 'shin',
        'password' => '',
        'database' => 'app_test',
    ]);

    // Cache settings
    Cache::config('default', array('engine' => 'File'));
});

次に、database.php での接続情報を、環境ごとに設定できるように下記のようにします。各環境ファイルで Configure::write()
した値を、DATABASE_CONFIG クラスに設定します。

  • Config/database.php
class DATABASE_CONFIG {
    public $default = [];
    public $test = [];

    public function __construct() {
        $this->default = Configure::read('DATABASE_OPTIONS');
        $this->test = Configure::read('TEST_DATABASE_OPTIONS');
    }
}

このプラグインを有効にするために、bootstrap.phpを以下のように変更します。コメント部分は削除しています。

  • Config/bootstrap.php
<?php
require_once __DIR__ . '/../vendor/autoload.php';

include __DIR__ . '/bootstrap/environments.php';

Configure::write('Dispatcher.filters', array(
    'AssetDispatcher',
    'CacheDispatcher'
));

Heroku で環境変数 CAKE_ENV をセット

このアプリケーションが、Heroku にデプロイした際に、heroku.php を利用するように、環境変数CAKE_ENVherokuをセットします。これで、デプロイしたアプリケーションは、heroku 設定で動作するようになります。

$ heroku config:set CAKE_ENV=heroku

ログ

Heroku 環境でのログの設定です。ログは、ファイルではなく、標準出力もしくは標準エラー出力に出力します。

こうしておくと、heroku logs コマンドでログが確認できます。また、Papertail や FlyData のようにログを各サービスへ転送するアドオンを使うと、出力されたログを閲覧したり、S3 などに転送することができます。

ログは、まずは標準出力もしくは標準エラー出力にして、あとそれをどう活用するかは、アドオンに任せるという考え方です。

下記では、アプリケーションログを標準出力へ、エラー出力を標準エラー出力へ出力しています。

  • Config/bootstrap/environments/heroku.php
<?php
Environment::configure('heroku', false, [
], function () {
    // Log settings
    App::uses('CakeLog', 'Log');
    App::uses('ConsoleOutput', 'Console');
    CakeLog::config('debug', [
        'engine' => 'ConsoleLog',
        'stream' => new ConsoleOutput(),
    ]);
    CakeLog::config('error', [
        'engine' => 'ConsoleLog',
        'stream' => new ConsoleOutput('php://stderr'),
    ]);
});

あとは、アドオンと追加すれば、出力されたログがアドオンで利用できます。例えば、Papertrailを以下のコマンドで追加して、アプリケーションを動作させると、Papertrail の画面でログが確認できます。

$ heroku addons:add papertrail

データベース

Heroku のデータベースといえば、PostgreSQL なので、Heroku Postgres を使います。(もちろん、MySQL が良ければ、ClearDB なり、RDS なり使えます。)

$ heroku addons:add heroku-postgresql

Heroku 内では接続情報が環境変数で渡されるので、これをパースします。パースされた情報を、heroku.php で、Configure::write() で、セットしていきます。

  • Config/bootstrap/environments/heroku.php
<?php
Environment::configure('heroku', false, [
], function () {
    // Log settings
    (snip)

    // Database settings
    if (empty(getenv('DATABASE_URL'))) {
        throw new CakeException('no DATABASE_URL environment variable');
    }
    $url = parse_url(getenv('DATABASE_URL'));
    Configure::write('DATABASE_OPTIONS', [
        'datasource' => 'Database/Postgres',
        'persistent' => false,
        'host' => $url['host'],
        'login' => $url['user'],
        'password' => $url['pass'],
        'database' => substr($url['path'], 1),
    ]);
});

キャッシュ / セッション

キャッシュ / セッションのデータストアには、Redis を使います。

ここでは、Redis サービスのアドオンとして、Redis To Go を利用します。

$ heroku addons:add redistogo

データベースと同じく、接続情報が環境変数で渡されるので、それをパース(ホスト、ポート、パスワード)して、セットするだけです。セッションハンドラには、Cache を使いたいので、その指定も行います。

これで、キャッシュもセッションも、Redis To Go に保存されます。

  • Config/bootstrap/environments/heroku.php
<?php
Environment::configure('heroku', false, [
], function () {
    // Log settings
    (snip)

    // Database settings
    (snip)

    // Cache settings
    if (empty(getenv('REDISTOGO_URL'))) {
        throw new CakeException('no REDISTOGO_URL environment variable');
    }
    $url = parse_url(getenv('REDISTOGO_URL'));
    Cache::config('default', [
        'engine' => 'Redis',
        'server' => $url['host'],
        'port' => $url['port'],
        'compress' => false,
        'password' => $url['pass'],
        'serialize' => 'php'
    ]);

    // Session Settings
    Configure::write('Session', [
        'defaults' => 'cache',
    ]);
});

さいごに

ベーシックな部分だけですが、Heroku で CakePHP アプリケーションを動かす設定を見てきました。

ここで紹介した以外では、メールやデータファイル(画像等)など、他にもアプリケーションでは必要なものがありますが、ほとんどのものは、ここで見てきたようにアドオンを活用することで実現できます。

こうした構成にしておけば、Dyno が再起動したり、インスタンス数を増減しても、アプリケーションデータはアドオンに保持されているので、動作に支障はありません。こうしたスケーラブルナ構成にしておくのが、Heroku のような PaaS を活用する肝ですね。

このエントリは、CakePHP Advent Calendar 2014 の 3 日目でした。まだ少し空き枠があるので、CakePHP な何かを書いてみてはどうでしょうか。

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Heroku で作るスケーラブルな PHP アプリケーション

この記事の所要時間: 221

第16回関西PHP勉強会で、「Heroku で作るスケーラブルな PHP アプリケーション」という発表をしてきました。

heroku-logo-light

発表資料

Heroku でちゃんと動く PHP アプリケーションを作ると、自然とスケーラブルな構成になりますよ、という内容です。

会場でも、Heroku 自体は知っているが、まだ使ってはいないという人が多かったので、細かな Tips は省いて、こういった構成でやりますよというイメージをお話しました。

実際に構築する上での Tips などは、また別の機会に話してみたいです。

サンプルアプリケーション

サンプルアプリケーションとして、簡単な画像アップロードサイトを Laravel 4.2 で作りました。

https://github.com/shin1x1/laravel-on-heroku

アプリケーションデータは、以下のアドオンへ保存するようにしています。画像ファイルは、アドオンではなく、S3 に保存しています。

  • データベース = Heroku Postgres
  • ログ = Papertrail
  • セッションストレージ = Redis To Go
  • 画像ファイル = S3(AWS)

使い方は、README.md に記載しているのですが、Heroku 関係は、heroku_create というシェルスクリプトにまとめています。

これを流せば、Heroku アプリケーションの作成、環境変数追加、アドオン追加などをひと息で行うことができます。

#!/bin/sh

heroku create -r heroku
heroku config:set LARAVEL_ENV=heroku

heroku addons:add heroku-postgresql
heroku addons:add newrelic:stark
heroku addons:add scheduler
heroku addons:add sendgrid
heroku addons:add redistogo
heroku addons:add papertrail
heroku addons:add librato

デモ用に Heroku にデプロイしています。

http://infinite-caverns-8536.herokuapp.com/

さいごに

Heroku は、無料から使えるのが良いですね。アドオンも機能制限(保存レコード数等)版ながら無料で使えるものが多いので、アプリケーションからの連携を試すことができます。

スケーラブルな PHP アプリケーションを作る練習場として、Heroku を触ってみるというのも面白いですよ。

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