★☆ 要らない ☆★ (06) 事件の犯人・容疑者の家族へのインタビュー

何か凶悪な事件があって,犯人が逮捕されたり,容疑者が特定されたりすると,よくテレビ局が,その犯人や容疑者の家族や身内の家を訪ねてインタビューします。

なかには, 「息子があんなことをして,ほんとうに申し訳ありません。親として責任を感じています。私が死んで償えるものなら,そうしたいです」 と泣いて詫びる親もいます。

そういう応答を聞くと,私は,インタビューを取りにいくテレビ局に怒りを感じてしまいます。

私は,犯人や容疑者の家族は,特殊な例を除けば,事件とは無関係だと思います。家族や身内だからといって,連帯責任はないと思います。

もちろん,関係がないとはいえ,家族や身内は,被害者やその家族,世間に対して,「身内が大きな罪を犯してしまい,たいへん申し訳ないと思っている。いくら謝罪しても許されるものではない。自分たちも,親として,家族として,世間に顔向けできない」 のです。

だから,報道機関が取材にきたら, 「私たちには関係ありません」 とはなかなか言えません。そんなことを言って,それが放送されてしまったら,世間から 「なんて無責任な」 とバッシングされてしまいます。

でも,本当は 「関係ない」 のです。でも,そう言うことはできませんから,お詫びするしかないのです。

犯人・容疑者の親や家族・身内にインタビューするのは残酷です。


識者は言うかもしれません。彼が (彼女が) 犯罪に走る前に,家族として,身内として何かできることがあったのではないか,と。

しかし,それを言われると,私たちは普段,常に家族や身内が犯罪に走るのを予想して,それを予防するようなことをやっているでしょうか。

まさか,身内が事件を起こすとは思っていません。だから,そんなことを意識して家族と関わっている人はほとんどいないでしょう。それを家族の無責任と言うのなら,世の中のほとんどの人は無責任ということになってしまいます。

もちろん,自分の家族・身内が犯罪に関わったことは悲しいことです。それだけでも悲痛な思いをしているのに,それに追い討ちをかけるように,マスコミがインタビュー攻勢をかけて,家族や身内までさらし者にしてしまうのは,どうみてもやり過ぎです。

顔が写らないようにとか,家の表札をぼかすなどして配慮しているつもりかもしれませんが,少なくとも近所の人は,門や玄関の映像を見れば,どこの家か見当がついてしまいます。

このことによって,そこに住みつづけることができなくなってしまうこともあります。

その家に子どもがいたら,学校で新たな悲劇が起こる可能性も大きいでしょう。

犯人・容疑者の家族や身内へのインタビューは絶対にやめるべきだと思います。

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