オウンドメディアのSEOはこう考える。田中樹里氏が語ったコンテンツマーケ などSEO記事まとめ10+4本
オウンドメディアの担当者は、SEOをどのように考え、コンバージョンと潜在顧客へのリーチをどう上司に説明すればいいのだろうか。インハウスSEOのプロが語ったインタビューを今週はピックアップ。ほかにも、SEOライティングの成功法則、グーグル社員が語った最新SEOの9トピックなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。
オウンドメディアのSEOはこう考える。田中樹里氏が語ったコンテンツマーケ
“今すぐ客”ではなく潜在顧客をターゲットに (SELECK)
「オウンドメディアは、コンバージョン直結型だけでなく、潜在層にリーチしてデマンドを生み出していくことも必要」そう語るのは、エクスペディアでSEOマネージャーを務める田中樹里氏。
旅行のオンラインサイトであるエクスペディアは、We❤Expediaというオウンドメディアを2014年9月から運用している。We❤Expediaの責任者でもある田中氏が、インタビューを受けている。
このインタビューでは、SEOを意識したオウンドメディアの展開・運用について、田中氏の考え方やノウハウを聞くことができる(以下の引用では、編集部で改行や強調を追加)。
エクスペディア自体は「予約数」を追いかけていますが、We❤Expediaに関しては、SEO的に考えた時に「予約につながらないキーワード」も取っていくことを重視しています。
エクスペディアでリーチしたいのは、検索ワードで言うと「ハワイ ホテル 予約」のような、旅行先が決まっている人。We❤Expediaでは「週末 旅行」と検索しているような人になりますね。
メディア運営の目的は旅行の潜在層に楽しんでもらうことなので、記事を読んだ時に「ここ行きたいな」という反応を得ることが理想的です。
また、予約後の方のためにも情報を発信していて、「この情報は便利だから、旅行に持っていこう」と思ってもらえたらいいですね。
この2点を軸に、コンテンツを作っています。
検索されていないということは、そもそも考えてもいないか、そのキーワードに魅力がない。でもその「考えられていない」キーワードを考えさせることも大切ですね。
例えばベトナムでもホーチミンやハノイは知っていても、ダナンというリゾートを知らない人が多いとします。その場合は「ベトナム」や「ホーチミン」というキーワードから「ダナン」につながるような、デマンドを作れるコンテンツを届けていくことも必要です。
オウンドメディアは、たしかにコンバージョンを増やす役割も果たせる。しかし、本当にオウンドメディアが真価を発揮するのは、“今すぐ客”ではなく、潜在顧客に対してリーチし、デマンドを生み出したり、後々想起されるような記憶付けをしたりすることではないだろうか。「そのコンテンツで、いくらの直接売上が上がるのか?」という視点での発想にこだわっていては、本質を見失ってしまう。
ちなみに田中氏は、そうした意見に対しては次のように語っている。
でも最初に提案した時は、「それはお金にならない!」と言われ、結構押し問答がありましたね(笑)。けれどもう、時代的にもコンテンツマーケティングが求められていますし、「やるしかないんです!」ということで押し切って、2ヶ月弱でバン!と立ち上げました(笑)。
オウンドメディアに取り組もうとしているが、予算や利益の点で問題を抱えているウェブ担当者に特に読んでほしいインタビュー記事だ。
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日本語で読めるSEO/SEM情報
ここまでバラしていいの? SEOに強いWebライティングの成功法則
ユーザーに支持されれば検索エンジンに評価される (Shigeoki Matsuo on SlideShare)
SEOに強いWebライティングを解説したスライドを松尾茂起氏が公開した。
「SEOに強い」と謳ってはいるが、根底にあるのはユーザーの悩みや疑問を解決するわかりやすいコンテンツの作り方である。ユーザーに支持されるコンテンツであるから、最終的には検索エンジンに評価されるという結果にたどり着くのだ。
- ユーザーとGoogleが求めるコンテンツとは?
- 検索ユーザーの「意図(Intent)」を探る
- “分かりやすい”コンテンツとはなにか?
- “信頼されるコンテンツ”をつくるために
という構成で、全128枚のスライドで解説されており、今のSEOに対する基本的な考え方から、コンテンツ企画、コンテンツ制作といったフローまで、わかりやすく解説している。
実際に成果を出している松尾氏が、実体験をもとにまとめたノウハウは、非常に説得力があり実践的な内容になっている。ぜひとも参考にしたい。
グーグル手動ペナルティ解除のバイブル、最新版に改訂
そもそも手動による対策を受けないサイト運営が大切 (SEO 検索エンジン最適化)
グーグルのガイドライン違反で受けた手動措置を解除するために必要な情報を整理した情報をお届けする。
グーグルが定めるウェブマスター向け品質ガイドラインに違反すると、ほぼ例外なく手動による対策が課せられる。俗にいう手動ペナルティだ。
手動による対策にはいくつもの種類があり、どのポイントが問題となっているかで対処方法が変わってくる。そしてたいていの場合、解除には非常には多大な労力を必要とする。それでも解除できれば御の字で、解除できないことも決して珍しくない。
住太陽氏が、自身の経験をもとに手動による対策の解除方法を解説している。この解説記事は数年前に公開したものであるが、現状に合わせて内容をリニューアルしたものだ。非常に詳細に書かれており、ペナルティ解除の“バイブル”と呼んでもいいだろう。
ガイドラインを順守してサイト運営していればペナルティなどにはまったく無縁のはずではあるが、もし手動対策の解除に今苦しんでいるとしたら、熟読するといい。解除への糸口がきっと見つかるはずだ。
真っ赤な警告ページがあなたのサイトに表示されたらどうする?
サイトステータスで詳細を確認できる (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
こんなふうに書かれた赤い警告ページがブラウザに表示されたのを経験したことはないだろうか?
これはグーグルの「セーフブラウジング」という機能によるもので、安全でないサイトへユーザーがアクセスしようとしたときに警告を発することで、マルウェアへの感染やフィッシング攻撃など、安全でないサイトによって引き起こされる損害からユーザーを保護している。
この仕組みは以前からあったのだが、こうした警告がなぜ表示されるのかの理由は不明確だった。そこでグーグルは透明性レポートに「サイト ステータス」を追加した。
サイト ステータスでは、特定のURLでセーフブラウジングの問題があった場合に、その原因をわかりやすく説明している。
万が一、自分が運用するサイトの閲覧時に真っ赤な警告が表示されたとしたら、ここで詳細を調査するといいだろう。
EFOにプラスのはずのリアルタイム入力チェックがマイナスになる!?
正しい使い方が大切 (EFO・フォーム改善ブログ)
フォームの入力中に間違いがあるとその場で指摘してくれるリアルタイムでの入力チェックは、ユーザーにとっては親切だし、ウェブ担当者にとってはフォーム離脱を減らしてくれるありがたい機能だ。
しかし使い方によっては逆にユーザーにストレスを与えてしまったり、期待したほどの効果が出なかったりすることがあるようだ。こちらの記事では、適切なリアルタイム入力チェックの設定を解説している。
ポイントをまとめると次のようになる。
- 毒々しい色、地味すぎる表現はNG。ページ全体の外観に応じて引き立つ色をチョイスして
- 直前の項目やラベルを覆わないように注意
- スマホの場合、項目の下側に表示する
- 文言は具体的に、わかりやすく
- 文面にも配慮を
- すべての項目に漏れ無く実施する
- すべての条件に対して過不足なく実施する
- 適切な表示タイミングを検討するべき
- 表示後は、自動的に消えるように
詳細は元記事で学んでほしい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
JavaScriptコンテンツのクロールと、テンプレートの使い方についての記事を今週はピックアップ。
- クリックしたときに作られるJavaScriptコンテンツはGoogleにインデックスされない
ユーザーアクションが必要なJSコンテンツはSEOに不向き - ありふれた既存のテンプレートでもSEOに悪影響はない、しかしユーザー視点では不適な場合も
SEO的には問題なし、UX的には問題ありかも
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