SEOを依頼したのに順位が下がってしまった！何が原因なのでしょうか。注意すべき点は？

SEOを依頼したのに順位が下がってしまった！何が原因なのでしょうか。注意すべき点は？

「SEOを依頼したのに逆に順位が下がった」「知らないうちにスパム行為をされて検索インデックスから削除された」といった、サービス品質の低いSEO業者の話は、2007年7月の読売新聞の記事「『検索で上位』のはずが…SEO業界団体に苦情続々」掲載以来、耳にするようになりました。

どんな業界でも問題のある企業は存在するものですが、とりわけSEOは「検索エンジンの仕組みを十分に理解せずに、リンクさえ集めれば順位を上げられるという点のみに着目してサービス提供する会社がある」ことが一番の要因ではないかと私は考えています。以下、詳しく説明していきます。

急増するSEO業者

私が検索業界に関わり始めた1997年から2001年頃までは、SEO会社は片手で数えられる程度しかありませんでした。しかし2002年春頃から少しずつ増加し、2005年頃から急激に成果報酬型SEO（検索の表示順位に応じて費用が発生するSEOサービス）を中心に増えました。SEOを掲げる会社だけ数えれば、個人事業主も含めると1000くらいの業者が存在するのではないかと思います。

SEOは本来、関連キーワードで適切に検索にヒットするように、ウェブサイトの構造やコンテンツを検索エンジンが評価・理解しやすい形に整える手法を指しますし、その目指すところは「検索ユーザーに快適な検索体験を提供する」――つまり検索エンジンを提供する会社が掲げるゴールと同じであるはずなのです。しかし現実には、手段を問わず「順位さえ上がれば良い」と考えている企業も少なくありませんし、それは外部から大量のリンクを集めると実現できてしまうお話です（検索エンジンの評価指標においてリンクが大きな割合を占めるため）。

成果報酬型が指す成果の違い

先ほど成果報酬型SEOの業者が急激に増えたと説明しましたが、これは顧客のサイトに張るリンクの在庫が確保できれば即日サービスが開始できるという、とても参入障壁が低いビジネスだからです。特に近年は検索エンジンマーケティング、SEMが注目されていましたから、「お金になる」魅力があります。参入企業が増えるのは当然でしょう。

問題はビジネスを開始するときに、SEOの本質や検索エンジンの技術を理解し、スパムの概念やキーワードの考え方といったSEM全般の知見を十分に持ち合わせているかという点です。よく理解して良質なサービスを提供している会社もあれば、そうでない会社も残念ながらあるようです。

中には「必ず上位表示」「開始一週間で上位表示」などと掲げる業者もありますが、検索エンジンは数百もの複雑なアルゴリズムで順位を決定していて、その技術は日々進化しています。検索の仕組みは検索会社が提供するものである以上、「絶対」はありえないことを理解しておきましょう。

また、成果報酬型の「成果」とは何を指しているのか、会社によってバラバラなことも、発注側からの不満を増大させる要因となっています。というのも、「成果報酬型SEOは順位を上げることのみにコミットすること」と考えているSEO会社に発注すると、たとえば検索エンジンスパムで削除されたときに何も対応をしてくれないケースがあるようです。もちろん顧客側のニーズを汲み取って、同じ成果報酬を掲げていてもきちんと対応してくれる会社もあるようですが、成果報酬は基本的に順位が上がらない限り請求できないので、割り切って対応しようとしない会社も出てきてしまうのでしょう。

SEOの基本を知り作業内容を把握する

こうしたSEO業者の見分け方ですが、具体的にSEOとして何の作業を行うのかを確認することです。「外部リンクを張ります」ではなく、どのような手法でリンクを張るのかを確認して下さい。その手法が怪しいと思ったら自分自身で情報を集めて判断をしましょう。それができないなら発注を見送ることです。

さらに、これが一番重要ですが「外注するからといって任せっきりは絶対にやめること」。最低限のSEOを理解して、サイト内部のソースコード（HTML）に手を加えた場合はその内容を確認し、作業報告書に記載された内容以外の部分が変更されていないかを注意しましょう。