キーワードカニバリゼーション(キーワードの共食い効果)については、あまり検索エンジン最適化(SEO)のフォーラムで扱われる問題でもなければ、SEOマーケターがウェブサイトの再検討においてとりわけ顕著に取り上げるものでもない(少なくとも僕の経験では)。
しかしキーワードカニバリゼーションは、いくつかの別々の理由から、ページが獲得すべきランキングの可能性を損なう可能性がある。最初に、どのようにしてキーワードカニバリゼーションが発生するのか説明したいと思う。
キーワードカニバリゼーションは通常、ウェブサイトの複数のページにある単一のキーワードやフレーズをターゲットにすることを、そのサイトの情報アーキテクチャが要求しているときに発生する。多くの場合、これは無意識に起こるが、その結果、タイトルやヘッダーのタグに同じターゲットキーワードを持つページが、数ページから数十ページもできてしまう。このことの背後に働いている論理を何人もの顧客が同じような仕方で説明するのを、僕は聞いたことがある。
顧客:サイトのテーマが「プレイドチェック柄のズボン」だとGoogleに認識させたいので、すべてのページのタイトルをそれにしたんです。
Rand:ほんとですか?...
顧客:他の人たちに「プレイドチェック柄のズボン」をアンカーテキストにしてリンクしてもらいたいので、全ページにこの言葉を使いました。
Rand:なるほど...
顧客:「プレイドチェック柄のズボン」で上位にランクされるチャンスができるだけ多く欲しいので、どのページにもこの言葉をたくさん入れてます。
Rand:おやおや、またですか...
これに関する問題点は以下のとおりだ:
Google(やその他の検索エンジン)は、サイトのページを巡回し、4つの(あるいは40の)異なるページがすべて、特定のキーワード(たとえばこの場合は「スノーボード」)に関連しているらしいことを認識する。しかし、先に挙げた3人の架空の顧客の予想に反して、Googleがサイト全体の「スノーボード」との関連性をそれだけ高く評価し、ランキングで高いポジションを与えるという結果にはならない。むしろ、いくつもの似たようなページの中から、クエリに最も適していると思えるページを1つ選び出すよう、Googleに強いることになってしまう。こういう場合、ランキング向上に役立つのに見逃してしまっているポイントがいくつかある。
内部アンカーテキスト:同じテーマで多数の異なるページを指しているため、内部アンカーテキストの価値を1つのターゲットに集中させることができていない。
外部からのリンク:サイト上の1つのページにある「スノーボード」に外部から4つのリンクが張られていて、別のページにある「スノーボード」に3つ、さらにまた別のページにある「スノーボード」に6つのリンクが張られている、といった場合、外部からのリンクの価値は3つのページに分割されてしまい、1つにまとまっていないことになる。
コンテンツの質:1つの主要なトピックについて3~4ページ作成したりすると、コンテンツの価値はあまり上がらない。リンクや紹介を引き寄せるためには、繰り返しが多くて面白味のないページを多数設けるより、できるだけ内容を高めた1ページに絞った方がいい。
コンバージョン率:もしあるページのコンバージョン率がほかのページよりも優れているなら、同じトラフィックをターゲットに、コンバージョン率の低いほかのページを設置しておくことは無駄だ。コンバージョン率の追跡を行う場合は、複数のパターンを一度にテストできるシステム(A/Bテストあるいは多変量解析)を使用するといい。
では、解決法は?
この例でどこが変わったかというと、すべてのページで同じ「スノーボード」という語をターゲットとするのでなく、それぞれのページが独自の有用な「スノーボード」のバリエーションをテーマにしていて、しかもすべてのページから、このキーワードに関して基準となる元のページにリンクしていることだ。
これでGoogleは、個々のクエリに最も関連性の高いページを容易に特定できる。これは検索エンジンにとって有用なだけでなく、ユーザー体験や全体的な情報アーキテクチャをも向上させる。
すでにサイトがキーワードカニバリゼーションに陥っている場合は、どうしたらいいだろう?
大ざっぱに言うと、301リダイレクトをたっぷり使うことだ。僕が顧客のサイトを手直しする場合、アーキテクチャ内でこの問題を抱えているすべてのページを洗い出し、これらのページから指し示すべき最良のページを決定し、それからカニバリゼーションになっているすべてのページで301リダイレクトを使用して、1つのページに集中させる。これで訪問者が確実に正しいページにたどり着くようになるだけでなく、リンクの公正さや関連性が時間の経過とともに向上し、クエリに対し最も関連性が高く、最も高くランクされる可能性を持ったページを検索エンジンに特定させることにもなる。
ところで、僕のロボットをからかわないでほしい。完璧じゃないけれど、真夜中にできるだけ頑張って描いたんだから。このロボットを思いつくきっかけになったCabanon Pressに感謝。
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