節電にはエアコンを切るよりテレビを切った方が効果大!はデマ

結論を先に書くと「室温安定後のエアコンと42インチLCD TVを比較しても、同程度かテレビのほうが低いぐらいの消費電力なのでデジタルマガジンさん野村総研さん煽りすぎ。だけどエアコンはパワーONのタイミングに注意な!」という話。

元ネタはデジタルマガジンさんとこ&ソースの野村総研。 言いたいことはシンプルで、ここ数年で発売された32インチ〜42インチの液晶テレビの消費電力はびっくりするほど低くなっている。メーカー公称値はアテにならないと言われそうなので、ユーザさんのワットチェッカー計測によるデータを見てもらうといいかも。2010年頭のモデル、42インチで95wぐらい。省電力対策に減光モードってのが普通はあって、まぁ一般的には1段階減光したモードが使われることが多いんだけど、そこで見れば80wぐらい。

エアコンはというと、これもここ数年のモデルで見ないとApple2Appleにならないのでそうするが、電源ONして部屋が冷え切るまでの30分程度はモデルによって勿論違うが350から700wは食う。大事なことなので二度言うが、熱い部屋を冷ますのに必要な消費電力は350-700wでこれが30分近く継続する!15畳リビング用なら700wいくし、6-8畳用なら350ってとこ。部屋が冷え切ったあと、それを維持するのに必要な電力は80-150w。勿論モデルによるし、出入りが多いかどうか、窓から太陽光がガンガン直射するかどうかでも大きく変わる。こちらも幾つかユーザさんがワットチェッカーで測ったソースのリンクを。 その1 その2

が、まぁ一般的な10〜15畳のリビングで、北向きではない、それなりに出入りはするという環境であれば100wはどう少なく見積もっても必要。150wと見るのが妥当だろう。...ってことを考えると、『エアコン切るよりテレビを切ったほうが1.69倍効果的』ってタイトルは、JARO的にいえば『うそ、大げさ、紛らわしい』じゃないかなと思ってデマであると書いた次第。あと、意外なところだが一旦温まってしまった部屋をゼロから冷ますには結構でかい消費電力が必要だったことは覚えておくといい。エアコン1時間つける、1時間切る、1時間またつける、ということをするぐらいなら3時間つけておいたほうがトータルでの消費電力を抑えることができるし、最後の1時間がピーク時間帯と重なるようならみんなにも迷惑がかかる...というわけ。


まぁ省電力の話は家庭のコストカットという話とピークカットという話に二分される。原発問題で課題になっているのは後者。ピークカット側面からは、30分とか連続して500wとか使われるとタマランわけで、野村総研が何といおうと電力ピーク時間帯の「熱っつい部屋に返ってきて『ふぃーっ』と一息ついたてエアコンON操作」は一番強烈にダメージ与えるよ、と。18:30迄我慢するというのはひとつの作戦である。

あと、コストカットという意味ではテレビはエアコンと同程度...とまでは行かないが、やや低いぐらいの電力を消費しているという認識は持つべきである。



※タイトルは半ば釣り。だが、あの野村総研のよーわからんリポートがデジタルマガジンさんの記事あたりをキュレーションターミナルとしてどばーっと拡散しているっぽいのでちゃんと家電業界の中の人として補足記事を入れておくべしと判断。熟考してないので抜け落ちがあったら後日フォローします。 篠原さんごめんね、攻撃的なタイトルで...。

※ブコメとかTwitterの反応とか見てるけど、一応家電メーカーの代表やってるんだから数値については信用してくれよなw エアコンやらテレビやらを売ってない立場なんだからネガもポジもない立場なのはわかりそうなもんだが

追記(7/21) :

コメント伸びてるのでざっと見たが、とりあえず落ち着けw そして、コメントで騒いでる人は誰も野村のページ読んでないだろw 野村のページではTVを消せとはひとことも書いてない。「テレビ」という単語すらないから。野村ページにある「エアコンの仕様台数を減らす」はエアコンの電源を1台OFFにするってこと、ということぐらいはわ..か...る.....よね? エアコンよりTV消しましょうという記述はデジマガさんとこで書かれていたもので、本エントリーは「デジマガさんのこの記事は誤解を招くから注意だよ」という趣旨。ソースのデータとデジマガさんのエントリ両方よんだうえで本エントリを理解してねん