韓国オーマイニュース社長のインタビュー
「ジャーナリズムは記事の質で勝負」
ライブドア・ニュースに韓国オーマイニュース社長のインタビューが載っている。
「ジャーナリズムは記事の質で勝負するもの。プロであるか、アマチュアであるか、もしくは大手メディアの記者か小さなメディアの記者かは関係ない」というコメントが、目をひく。
日本語版も予定しているという。もっと詳しく知りたくなる。
【ライブドア・ニュース 18日 東京】 - 市民アマチュア記者3万6000人を集めて、ネット新聞を展開する韓国オーマイニュース。市民の直接参加と読者との情報の双方向性を武器に、設立5年で韓国の主要報道機関に成長した。02年の大統領選では、盧武鉉政権誕生に一役買ったとされる。オーマイニュースのオ・ヨンホ社長に話を聞いた。
問 オーマイニュースという、ネット上の市民参加型報道機関を始めたきっかけは。
答「私は大学卒業後、雑誌で12年間記者生活を送っていたが、韓国の大手メディアが保守的で閉鎖的だと感じてきた。この韓国の大手メディア状況を、多くの市民と共に変えていきたいと考えた。そこで、『市民みんなは記者だ』というキャッチフレーズを掲げた。それは、紙媒体でなく、インターネットでこそ可能だと感じた」
問 なぜ、一般市民のアマチュアと協働することを考えたのか。
答「プロ記者を排除しているわけでない。オーマイニュースはプロ記者と市民記者の夢のような結合を求めている。ジャーナリズムは記事の質で勝負するもの。プロであるか、アマチュアであるか。もしくは大手メディアの記者か小さなメディアの記者かは関係ない。インターネットを利用して、記者と読者の間に(情報の)双方向性が生まれるとき、ジャーナリズムは最に望ましい姿が現れると考えている」
問 オーマイニュースが韓国で成功した要因は。
答「一番は『市民みんなは記者である』というスローガンだったと思う。また、オーマイニュースは利益を追求するのでなく、オルタナティブ(既存の代替的)な市民言論運動を目指したので、市民が賛同してくれたと思う。韓国の若い世代は、韓国社会全体やコミュニティを自ら変革できると信じており、その多くが積極的に市民言論運動に参加している」
問 既存のメディアから嫌がらせや妨害などはなかったか。
答「オーマイニュースは少人数(4人)で、ビジネスとしてでなく、市民運動的な性格を持ったジャーナリズム運動として始めたので、逆に、既存のメディアに少しは可愛がってやろうという意識があったと思う。今ではオーマイニュースは、新聞やテレビなどメディアの中で韓国第6位になり、他から警戒されてきているのは事実だ」
問 オーマイニュースが読者から信頼を得た要因は。
答「設立時からオーマイニュースの報道で、既存メディアが歪曲してきた、もしくは無視してきた事柄を取り上げてきたからだと思う。また、ある現象を報道するとき、既存のメディアのように一部を取り上げるのでなく、全体像を描くように心がけたことだと思う。新聞のように、締め切りはないし、紙面の制約もない。そして、一番重要なのは、市民がオーマイニュースに直接参加でき、自分の言いたいことを言えるということだろう」
問 オーマイニュースの将来像は。
答「韓国内では、オーマイニュースがニュース配信を始めた後、たくさんのインターネット新聞が生まれた。これが、オーマイニュースの認知度を高め、競争力の源泉となった。今ではオーマイニュース英語版があるが、多くの記事は韓国人以外の人が投稿したもの。韓国国内のジャーナリスト・ネットワークに留まらず、世界に情報を発信していくものに育てたい。市民参加ジャーナリズムが世界各国で広がることを望む。今後は日本語版も作って、日本の方にも参加してもらいたい」