小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


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iPad、電子書籍閲読が本望?

iPadが昨日、米国で発表され、ネット上で論評がたくさん出ている。

 ツイッター日本語で少し拾った感じでは、頭から誉めているものが多い感じがする。最初の立ち位置が「ほめる」、「すごい」という憧れ感。

 でも、実際どうなのだろう?もちろん、手にしてみないと分からない。スティーブ・ジョブズが手に持ってプレゼンテーションをしているところを見ると、思ったよりずいぶん大きくて、驚いた。680グラムだというけれど、あれを持っていろいろどこかに行く時、結構重いんじゃないだろうか。ホームページが一気に読めるのはいいのだけれど(これに一番感心した)。普通、カバンとかを持たない男性だったら、持ち歩く時、入れ物が必要になるだろう。英語のネット記事を見ると、「マン・バッグ」(男性が持つバッグ)が必要になるという表記がちらほら出ている。持ちにくい感じであるのは確かだ。

 そして、いったい誰が使うのか、誰のために役立つのか?と考える時、以下のチャンネル4のコラムニストが書くように、はた、と困ってしまう。

Apple iPad: what is it and who is it for?
http://www.channel4.com/news/articles/science_technology/apple+ipad+what+is+it+and+who+is+it+for/3518542

 もちろん、新し物好きの人、アップルのファンはすぐ買うだろう。IT関係者、新製品について原稿を書く人とか。

 しかし、実際のところ、上のコラムニストがいうように、短いメールやブログ+どこでもという意味ではアップルアイフォーンなど、スマートフォンがある。また、実際原稿を書くなどの場合は、小さいラップトップがある。なにしろ、アイパッドは大きなタッチスクリーンなのだ。「一体どんな時に使ったらいいのか」「これまでに自分が持っているスマートフォンや、ラップトップとどうやって組み合わせるのか」を自問するブロガーもいた。

 私が考えるに(私だけではないが)、最終的には、新聞記事や書籍が読める、ということが大きな売りになるのだろう。すると、やっぱりアマゾン・キンドルとの競争だ。アイブック・ストアが充実すれば、アマゾンストアに対抗できるようになるまで成長するかどうか。どちらが一体、読みやすいのだろう?

 映画・DVDなんかは、実際、見にくいだろうな。手に持ったままで見るわけにはいかないだろうから、どこかの壁に立てかけるとか、そんなことになるのだろう。

 上のコラムによれば、アイパッドという名称は、富士通が持っているそうで、いずれ何らかの交渉がありそうだ。また、アップルは昔、ニュートンというアイパッドに似たものを出して失敗している。現在のアイパッドは次のバージョンではまたかなり変わりそうでもある。

 ・・・というわけで、期待大なのは書籍閲読である。
by polimediauk | 2010-01-28 18:10 | ネット業界