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見知らぬ廃家を訪ねて 「小説作家の悲しく昏い生涯」

ひで郎

ひで郎


生きるとは、死を輝かせる為である。

今回は、鎮魂記であります。
かなり暗い話で面白くも無い内容となります。只記憶の片隅に残す事が出来れば・・・

群馬県新町 散策  (少し前に戻り 2020年12月27日 特別無限列車を撮影した日)

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戦前からの面影を残す 「旧新町紡績所」

明治10年に明治政府が設立した絹糸紡績工場
明治時代の殖産興業の実態を知る上で貴重な遺跡として重要文化財に指定。

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「旧中山道 新町宿 連続殺人事件」    一柳一男 (上武鉄道、朝日食品工業、上武産業)代表取締役を歴任)


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川沿いから撮影 本の表紙と一致を確認   

間違いなく、 ここは群馬県新町  やはり、この場所で間違いない。

新町といえば、於菊神社
ここ新町は中山道の宿場町 遊郭、色町の歴史もある。

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面影を探して、街並みを歩く

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俗っぽい雰囲気の建屋を発見。旅館を思わせる佇まい。 興味が湧いた。
どうやら廃屋 らしい。

全ては、始まる。

ネットで調べると、この建物を調べた人がいた。

群馬県新町出身作家の実家

知らない作家であった。

芥川賞候補
文藝賞受賞

金鶴泳


在日朝鮮人二世

東京大学大学院化学系研究科博士課程中退

1985年、ガス自殺。享年46

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凍える口 金鶴泳作品集/ 金 鶴泳 / クレイン
楽天ブック 中古本 ¥ 2,579 楽天ポイントを使い¥ 1,000で購入

中古でもかなり高い。出版数が少ないのか?

切っ掛けは、色町風屋敷を見付けた。 
記事にするため調べると、関係無い小説家の実家であった。
そして、本を購入・・・作品を読む。

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「凍える口」 文藝賞受賞  
他短編小説 「冬の光」「鑿」「夏の亀裂」「石の道」の四作が芥川龍之介賞候補作

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「凍える口」 朝鮮の方は、日本が植民地にした事を被害者のようにいいますけど・・・

日本が植民地にした事実は無いと言いたいが・・確かに日本にいる60万人の朝鮮人。自分の家が豊かになって生活が楽になっていたら、わざわざ自分の家を捨ててまで出て行く人はいない。 
筆者も書いてる通り、朝鮮戦争当時の朝鮮は毎日が飢えていた。日本なら白米が食べれた。その期待だけで日本人と結婚。草や木を食べ飢えを凌ぐ・・例え差別されようとも、殴られ蹴られようが・・向こうの生活よりかは遥かにマシであった。

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昏い・・

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自殺
自殺を考えた事がありますか?考えた事が無い人は、幸せな生き方をしてきた人。
心が壊れる、そんな経験をした事も無い・・・それはとても大切な事。
私は、心が壊れている。作者の気持ちがわかる。

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線が引かれているし、字も書かれていた。 高い中古本でこれは酷いと思ったが・・この本の魅力を引き立たせている。

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冒頭の文章は、ここから拾わせて貰いました。

そう、この作者の本は全て私小説である。

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本文の中に、中島飛行機 F町とあるが・・・私の地元市でありますな。

新町まで県も違うし、結構遠いのだが・・・●●も一緒・・・導かれたのか・・

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於菊神社から・・・この町でもっとも大きい工場・・・K紡績 
「旧新町紡績所」 最初の画像に繋がります。 一柳一男氏と金鶴泳氏では光と闇ほど違う生涯。

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この本最大の特徴は、死の直前までの20年間に及ぶ「日記」を掲載

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暴力をふるう父親。実業家であり熱心な総連の活動家でもあり。偉大な父から仕送りをもらい続ける著者の負い目が痛々しい。

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常に貧乏。東大の博士課程まで行っていれば、大企業に勤められると思うが・・メッキ会社に務めたり・・国籍による差別が原因なのか・・

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日記は、本書の1/3程 占めてます。

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小説とは遺書である。そのときどきの遺書である。 文豪とは光と影

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新町の実家で自死。


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母の優しさに抱かれ、安らかに眠って欲しい。


韓国人の感想
彼の作品を読んだ韓国の複数の旧世代の批判は非難に近かった。「金鶴泳は日本人だね。韓国人ならあんなことをしない」と親に暴力を振るう主人公は小説であっても許し難いという。

在日二世として育った金鶴泳には、その伝統的価値観が身についていなかった..........。

「日本人ではない」し「よそ者」

日本人の感想
「金鶴泳の魂は、この世に生きるのにふさはしくない............ところがもともと....あつた...」

「美しい文章だ。日本人より日本人らしい」

「暗い作品が多い。魂まで昏いと言える」 ⇒ ひで郎

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偶然に廃屋を知り、家に惹かれ、その家に住んだ作家の本を読む。
全ての始まりは、その家から始まった。父親が暴力を振るうのも彼を心配する母親も・・そして終わりも。
この立派な家は何を見てきたのであろう。

小説とは、その時々の遺書である。

作家たちの悲痛な心の声でありました。

韓国には、出張で5回行ったな・・・・

では、また・・・・


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Comments 10

There are no comments yet.
カバ男

ひで郎さん、こんにちは。
『凍える口』というのは読んでいませんので、コメントは控えます。
日常行動の中の小さな「ん?」から始まる探索行と待ち受けている意外な出来事。まるでミステリー小説みたいなブログ記事でした。
普通はスルーしてしまって中々止まれないんですよね、一瞬の「ん?」って部分に。
気付くとか止まるとか引っかかるって、大切じゃないですかね。

いぬふりゃ☆

こんばんは。

金鶴泳・キムハギョン氏…どこかで見たなと思って自分の書庫を漁るとありました。同じ本ではありませんが。
確かに明るい内容ではなく読んでいると心まで闇に染まってしまう…そんな印象がありましたが、
それがきっと嘘偽らざる金氏の心境だったのでは無いのかなとおもいます。
僕としてはこういう文体を否定する事も出来ないです。ブログ等には気の抜けた事ばかり書いては居ますが本心を書けばやはり陰鬱としたものになるでしょうから。
僕も心を徹底的に破壊されて以来何度も自分で死ぬのを考え、時には実行しました。全て未遂で終わり病院で目が覚めた事も何度かありました。
今は…急ごしらえの突貫工事で再構築した仮の心で生きていますが「今の自分は自分じゃない」と感じる事もあります。
小説は遺書。そうかも知れません。
絶望した事も心を粉々に砕かれた事も無く、お気楽に生活している(様に見える)人達に呪詛の言葉を吐きかけたくなる様な気持ち…解らない人には永遠に解らぬのだろうなあと思ってみたりもします。
…何だか暗い内容になりました。すみません。

citystranger

こんばんは(^_^)

私も、画像内に書かれている作者の気持ちが分かります。お医者様に「問題があるのはお母さんの方です。あなたは正常だ。」と断言されましたが、長きに渡る母娘関係のトラウマに翻弄される人生です。

その時々の遺書を記して、それが本として世に出て賞をとれる文才があってこその、死を輝かせるための生かもしれない…とも思います。

ひで郎
ひで郎

●カバ男さん
こんばんは!
今回は、本を紹介したいのか・・それとも家を紹介したいのか・・悩みました。
結果的には、家の紹介記事なんだと思います。家に魅かれて、小説に出逢った。
本の方は、とにかく昏い。その暗さに魅かれる・・そんな人も少なくない。
作家の本を1冊買ったのですが・・これまた予想外で線は沢山引かれてるし、途中で自分の意見は書かれてるやら、参考書みたいな使われ方でした。私には考えられない使われ方の本。
日記は、住んでるとこが近いせいか・・リアル感抜群でトラウマになりそう。
人は誰しも心に闇があるが、この作家は闇が濃く真っ暗でした。賞を取る事が唯一の光だったんでしょう。多分^^;
ただ自分の子供に在日韓国人作家の苦悩を言ったら・・賞を取ったのなら差別は無かったんじゃない。この人自分の事しか考えてない・と言われた。
確かに言われれば・・東大にも入れたし・・家は実業家・・結局は本人次第なのか・・わからなくなった・・

たも
一つから

ひで郎さん こんばんは。

この作家さんは知りませんでしたので、評は差し控えさせていただきます。
「韓国人の考え方ではない」と言われるのならば今の在日の二世、移行の方々はどんな考え方をしているのかと思ってしまいます。
韓国併合は見る立場によって違うと思いますが・・・・。

一つの事を調べようとして、次々に枝分かれして、まったく知らないところへ行きつく。
小中の頃、初めてミリタリーに入り、軍艦、戦車、飛行機などに興味を持ち、WWⅡを調べそこから軍事、作戦から
WWⅠの歴史まで行きました。
調べていくってのは、チョットした寄り道ですが結構、あたりしいことに行き当たったりします。

家も韓国は四回ほど仕事で行っていますが、企業の方々と市民の方々の考えは違うのかと思ってしまうことが時としてありました。

ひで郎
ひで郎

● いぬふりゃ☆さん
こんばんは!
読んでましたか。
私は全く知らない作家でありました。
どちらかと言えば、本より家に魅かれたので・・
ただ、私も壊れてる人間なので・・誰も知らない過去があります。作家と同じ方法でしたが・・生きてます。
解らない人には永遠に解らぬのだろうなあと思ってみたりもします。同感であります。
生きるとは、死を輝かせる為である。本に落書きした人。上手い事言います。
今回は、暗い話でしたが・・・残したいと思う出来事でありました。心に響いた。

東京メトロ03系日比谷線
こんにちは^^

壮絶な人生ですよねぇ・・・
アレ(←たぶん禁止ワードに引っかかるので^^;)はたぶん、その当事者にならないと解らない心境だと思います。
皆、決まったように「アレは絶対にやってはいけない!」とか言いますが、そういう人は決まって、そういう状況には追い込まれてないんですよねぇ・・・
「同情するなら金をくれ」って名言がありましたが、全くその通りです・・・
よく『相談センター』やなんかに「話を聞いてもらうだけでも気が楽になる」とか言いますが、そんなのは悩みが殆ど無い人の言う事。
話を聞いて貰ったからと言って、『破産宣告』の手引きをしてくれる訳でもないし、『生活保護』の斡旋をしてくれる訳でも無いし、借金が減る訳でもありません・・・
金の事に限らず、過去のトラウマなども、色々とありますよね><
同級生から虐めを受けてた人、両親から虐待を受けた人、色々・・・
自分も日々、Twitterで政府自治体の文句ばかり言ってますが・・・
思えば、こんな事を書けるのも、まだまだ幸せな方なんだなぁと^^;
外国では『逮捕』、最悪の場合『拷問』ですからね><

ひで郎
ひで郎

●citystrangerさん
こんにちは。
このような記事までコメント有難うございます。
今回は、誰からもコメントは来ないだろうど思っており、共感してくれた方々には感謝しております。
廃屋から、小説作家、その本を読む事で・・主無き家の歴史と悲しみを知る事になりました。
人は誰しも闇を隠して生きていると思ってます。友人が親から虐待をずっと受けていた・・何度も遊びに行っていたが20歳の時告げられる時までは、まるで知らなかった。
自分は15歳の時・・この世界から逃げようとした事があり、一生その事は誰にも知らせずに隠して行くつもり。友人は知らないだろう。
解らない人には永遠に解らない。そのまま知らずに生きていければ幸せなんだと思う。
光と闇、作者は、賞を取る事で光を得ようとして挫折。この家での最大の闇は・・夫からの虐待、息子の死を看取った母親。
金鶴泳、小説家なら・・それがわからなかったのだろうか・・
この世界は、悲しみが多すぎる・・ だから、今を精一杯楽しく生きたいと思う ひで郎であります。


ひで郎
ひで郎

●たもさん
こんちゃー
私も一月前まで、この作者を知らなかった。
人は闇を背負って生きていくもの。人の心は誰もわからない。
一つの事を調べようとして、次々に枝分かれして・・以前コメント貰った時、丁度この家を調べてる時でした。スルドイ!
調べてる時は楽しかったです。資料を見付け、まとめたりと・・会社でも良く言われるのですが・・解析は苦手ですね。
歴史は面白い。たまに、こんな脱線記事もあるので・・コメント下さる・・たもさんはありがたい存在です。
何も死ぬことは無い。良くそんな言葉を聞きますが、自●する人は、そんなの承知で何度も何度も考えているハズ。
そこには、一線を超える出来事があり・・それをわかってやれる人は少ない。光があっても闇が強すぎる。
韓国、企業の方々と市民の方々の考えは違う。。この国は難し過ぎる。
韓国の工場を監査するのが仕事でした。
接待、接待、お土産付きで、毎回1円も使わなかったです。今年も年賀状が来ましたし、私にとって凄く良い人達です。
一緒にサッカーを応援したり、日韓ワールドカップの時は日本を応援してくれてました。(出張で韓国行ってました)
TVや政治を見る限り・・あれは演技だったのか・・私にはわからない。 心の底はわからないです。
日本人にも嫌な人がいるように、あちらの国も同じなんだろうな・・・

ひで郎
ひで郎

●東京メトロ03系日比谷線さん
こんちは。
こんな記事にコメント有難うございます。
あれ、東京メトロ03系日比谷線さんと同じような事を上コメで書いてた^^;
壊れたけど・・そんな勇気はなかった・・私の場合は、イジメや虐待では無かったのですが・・
何十年経っても・・あの時の事を引きずっております。多分一生壊れたまま。

SNSで便利になりましたが、昔より生きにくい世の中な気がします。
こんな私でもラインをしますが、メンドクサイ。あの中が世界になってる。
どうせなら、架空のオンライン世界の住人になりたい。あちらの国では、それも規制やらで自由が無いのかな?