予想外のちょっとした情報に気づき、つないでいくことは、セレンディピティ・プロセスの重要なステップだ。
このステップでは、「おや、これはいったいどういうことだ?」と何かに気づき、その意味するところに思いを巡らす必要がある。
この話を、別の話とどうつなげるかを意識する
1989年のある日、アラバマ州の理容師フィル・マクロリーが仕事を終えて店の床を掃いていたときのことだ。
テレビで、タンカーの原油流出事故のニュースが流れた。原油がラッコの体毛に絡みつき、ボランティアはそれを洗い落とすのに苦労している、というのだ。
ラッコの体毛が流出した油をがっちりとらえている様子を見たフィルは、今まさに自分が掃いている人毛が原油吸着材として使えるのではないかと思いついた。そこで集めた毛をナイロンタイツに入れて、どれだけ油を吸収するか試してみた。
こうして、流出した原油の回収に人毛を使うというアイデアが生まれ、人毛を使った吸着材が製品化されるようになった。それはフィルが「点と点をつないだ」からだ。
本能的に点と点をつなぐ人は他にもいる。
フリーダー・ストロホイヤーはハイデルベルクの有名なコーヒーショップのオーナーだ(私にとっては、高校時代に雇ってくれた最初の上司でもある)。
フリーダーは誰かと話すときはいつも、相手の話を聞きながら、それが自分や周囲の人のしていることとどうつながるかを考えていると話してくれた。
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