いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

双子に困る!<4>(双子篇)<双子乳児の世話をする>

双子に困る!<3>(双子篇)の続きです。

 

双子出産は無事に終わった。アメリカの病院での出産ということもあり、何かあったら英語で対処しなければならないと思っていた僕は、まず無事に出産が済んでほっとしていた。三女にチアノーゼが出ていて、この単語を知ったのは随分前にボクシング漫画でボクサーが試合中に酸素不足になって朦朧とする現象として扱われていたから、チアノーゼと言われても「?」とならなかったのかもしれないけれど、医師からチアノーゼが出ていると言われて、ボクシングのことを思い浮かべながら、頷いていた。チアノーゼが出ている乳児は2週間ほど余分に入院するように決められているということだった。

 

産後に3日ほど妻も入院していた。その間、毎日、長女と病院にお見舞いに行っていた。病室には、次女だけでなく三女も運ばれてきて、チアノーゼと言われた三女も元気そうにしていた。三女の退院が遅くなるのは、三女の状態というよりも、病院の規則によるもの、ということなのは確からしい。長女は母親がいない寂しさでちょっと荒れ気味だった。

 

困ったことがあった。

 

長女は次女三女を見ると興味を示してはいたけれど、母親の不在が寂しいらしく、妻にくっついてばかりいた。僕は長女を笑わせるためにお風呂を嫌がる長女のために滑稽な踊りなどもして母の不在をどうにか楽しいものにしようとしていた。これは今でもそうだ。妻が仕事で遅い時や、出張でいないときには、バスボールを買ったり、子供たちが食べたいご飯を作ったりしている。さすがにお風呂場で裸踊りをして子供たちを笑わせることはしていない。

 

妻の退院とともに、次女も一緒に退院した。三女は早くてもあと2週間かかると言われた。三女には悪いけれど、この2週間がとても助かった。三女がいない2週間の間に、僕は忘れかけていた乳児の世話を思い出していた。また、次女は母乳やミルクの飲みが悪いため、授乳に時間がかかる。長女は授乳やミルクだけは順調で、いつもジュコジュコっと音が鳴るくらいの勢いで飲んでいたのだから、ミルクひとつとっても個体差がある。次女ひとりを相手にする乳児のお世話で、タイムスケジュールや用意するものなども整ってきて、妻もたっぷり睡眠が取れた状態で、三女を迎えることができた。三女は、予定通り2週間遅れで退院できた。

 

乳児ふたりが揃ってみると、なかなか壮観だ。僕はいままで色々なバイトや仕事をやってきたというのもあって、さまざまな職場で効率化をやることが趣味になっている。乳児の世話にしても、長女で一度経験済みだし、次女ひとりで2週間ほど行ったため、乳児が2人だとしても効率化すれば、僕の睡眠時間もきっと確保できるだろうと考えていた。長女と違いよく眠る双子は育てやすい部類にあるようにも思った。双子とはいえよく寝る子であれば楽勝だと思った。問題は、吸う力が弱いのか母乳がほとんど飲めないため、搾乳した母乳と粉ミルクや液体ミルクを哺乳瓶であげる必要があるということだった。

 

液体ミルクはとても便利で、乳首(にゅうしゅ)をつけてそのまま吸えるようになっているのもあった。病院では主に液体ミルクが使われていた。多少高額にはなるけれども、病院で使ったときに便利だったというのもあり、液体ミルクもストックした。そして、あとは搾乳した母乳やミルクをいかに効率的にあげるか、というのが僕の課題となった。

 

双子に効率的にミルクをあげるためには、同時にあげるのがもっともいいように思った。二丁拳銃や二刀流よろしく、哺乳瓶を二つ持って乳児あげてみるけれども、うまくいかない。そう、乳児にミルクをあげるときには、右手で哺乳瓶を持っていたら、左手で乳児の体勢を整える必要がある。咳き込んだときなども乳児ひとりであればいくらでも対処ができる。しかし、乳児2人同時だと体勢も維持できないし、むせたりしたときにも対処ができない。また、ミルクの飲みが悪い乳児の場合は体勢を調整することでどうにか飲んでくれるというのもあるので、2人同時というのはどんなに工夫してみてもできなかった。効率化は断念した。

 

双子に困る!<5>(双子篇)に続きます。