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東京芸術大学美術館「大吉原展」を観てきたぞ!の巻

まぁ、とにかく話題の企画展であります。なんと江戸幕府公認の「遊郭」である「吉原」をテーマにしたこと(初めての試みか)がそもそもスゴイ。企画展を巡って様々な意見が飛び交った。「遊郭を美化するのか」「負の歴史に触れられていない」。主催者側は、「本展に吉原の制度を容認する意図はありません」「二度とこのような歴史を繰り返してはならない」と応えている。さて、250年も続いたという「吉原」の歴史を、230点の展示物で見せてくれるくれる。torikeraは、観終わるのに3時間以上かかって腰が痛くなってしまったのだが、実に見ごたえのある企画展でした。

歌麿の「吉原の花」や大英博物館所蔵の浮世絵もたくさん!
仕上げは谷中の薬膳カレーだっ(^▽^;)

東京芸術大学美術館
「大吉原展」
2024年3月26日~5月19日

撮影:4月3日 iPhoneSE

※大吉原展オフィシャルサイト
※大吉原展展示物リストPDF

1 今回の「大吉原展」の目玉と言っても良いのだと思うし、torikeraの一番観たかったものがこの作品。歌麿の肉筆浮世絵「吉原の花」でござる。この作品は、歌麿がパトロンの栃木の豪商・善野家からの注文を受け栃木で描かれた「品川の月」「深川の雪」「吉原の花」の三部作の一つ。

「品川の月」は明治36年(1903)にフリーア美術館(ワシントンD.C.)、「吉原の花」は昭和32年(1957)にワズワース・アセーニアム美術館(コネチカット州)が購入したが、「深川の雪」は長年行方不明の末、平成24年(2012)に再発見され岡田美術館(箱根)の所蔵品となりました。いずれも幅3m前後の大作です。今回は「吉原の花」のみの展示ですけどねっ。

吉原の花
幸い平日の雨の日、美術館の訪問者も少なく、なぜか知らないけれど、皆さんあまりこの作品に食いついていなかったので、一人でしばらく独占して眺め続ける事ができましたぁ!!まぁ、これなら入館料の2,000円も決して高く感じませんでしたぁ(笑) 50人ほどの人物が描かれていますが皆女性です。大変”華のある”豪華な絵で、桜の花びら一枚一枚、一人一人顔の表情や、着物の柄も丁寧に描かれていて実に素晴らしいものでしたよ。幕府が贅沢を禁止する方針を出している最中に制作された作品とは思えない華やかさです。




2 会場で唯一カメラ使用可のエリアがありました。こちらも実に見事な作品でした。下町風俗資料館が所蔵する「江戸風俗人形」です。文化・文政の「大見世」をイメージして作られたものですが、人形師として辻村寿三郎さんが参加して、素敵な作品に仕上がっています。
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※台東区公式チャンネルより 特別展『「江戸風俗人形の世界」~建物・人形・小物の三位一体の妙~』

下町風俗資料館で特別展が行われたときに作られた動画です。


3 同上
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※iPhoneのデジタルズームなので、チト解像度が悪いです(^▽^;) 以下同!

4 同上
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5 同上
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6 同上
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7 同上
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8 同上 下町風俗資料館の展示図録に掲載されたという寿三郎さんの「作品解説文」がとても素敵であった。
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9 会場は、VTRで浮世絵のアップ映像なども織り込みながら飽きさせないように工夫した展示も多く、これほど幅広く、深く「吉原」を紹介した企画展を観たことはなかったです。特に印象的だったのは、吉原は過去22回?ほどの大火を経験しているそうだけど、その原因の多くが遊女が火をつけているという事でした。中でも暴力的支配に反発した遊女たちが集団放火をしたというもので、首謀者の遊女は「流刑」となった事件も紹介されていて驚いた。(調べると1830~50年代に放火による流刑の事件が何件も起こっていた。毎日新聞の記事にも詳細が出ていた。)
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10 会場の東京芸術大学美術館は、国立博物館の少し先(北)
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11 芸大美術館の前に素敵な建物があったので見てきました。「陳列館」という名前で、昭和4年(1929年)に岡田信一郎設計によるものです。様々な展示会に使われていたそうです。玄関前には、ロダンのブロンズ像と、皇居二重橋にあった「飾電燈」( 1888年に架け替え時に設置された4基のうちの1基)です。
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12 陳列館の窓部分。防犯用の鉄製ガード・格子??(こういうの何というのかなぁ?ぶらっと遡上探索さんから「面格子」というのだという事を教えてもらいました!)壁には赤い「スクラッチタイル」が貼られています。
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13 玄関部分。
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14 現地解説板。
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15 美術館の前の通りの反対側に「東京芸大レンガ1号館」が見えます。ちょうど雨に濡れたソメイヨシノの薄いピンクが映えます。この建物は、明治13年(1880年)竣工。都内に現存する最古のレンガ建築だそうだ。元は教育博物館の書籍庫で、耐火重視で開口部には鉄扉をつけ不燃性を重視しています。
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16 同上
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16b こちらは隣にある「東京芸大レンガ二号館」です。一号館の3年後に建てられた東京図書館の書籍庫で、最上階の窓が丸窓でチャーミングな印象ですねっ。
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17 さてさて、芸大を出るともう3時を回っておりました。昼飯も食わずに相変わらず動き回るので体に良くありません(笑)帰路は谷中経由で日暮里駅まで歩くことにして、途中で食事をとれるところを探しました。芸大から谷中方面は、途中ほとんど食事のできる店がありません。時間も半端だったのでしょうがないですね。とうとう朝倉彫塑館のところまできてやっと小さなカレー店に入る事ができましたぁ(*^^*) 「薬膳カレーじねんじょ谷中店」です。
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18 メニューを見て、「牛筋カレー」を注文したのですが、あいにく品切れ!(^▽^;) 仕方なく「チキンカレー」を注文しました。「薬膳」の意味がよく分からなかったのですが、クコが乗っているからかな?ちなみに五穀米(+50円)にしてもらいました。グリルされた鶏肉は少々固く残念。ピリ辛感のあるカレーでしたが、あまり特徴を感じませんでした。雨の日のからだを暖めるのには十分効果を発揮してくれましたぞ。
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※「散歩の達人」サイトの記事からの追加情報(^▽^;)
薬膳カレーさんは、以前は白山や神保町にも支店があったそうだ。薬膳の中身は、「基本のルーは、化学調味料やバター・ラードなどは一切使っていません。カキノハ、クワノハ、ビワノハ、スギナ、アシタバという5種の奥多摩産の薬草を乾燥し粉末にしたものを入れています」とのこと!



19 店内奥の様子。ちょっと昭和テイストの(プチ山小屋風?)装飾ですか。
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20 サービスでトッピングがつくそうで、torikeraは、「疲労回復」のために?山芋とゴマをお願いしました。上のカレーの写真の左端に乗っているのが見えますが、まぁ、一口分位乗っていました!(^▽^;)
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21 壁に貼られていた手書きのメニューです。手書きというのが、最近珍しいですよねぇ~。よく見ると以前の価格がわかっちゃったりして(笑) 少し高いかなぁ?と思いましたが、最近外人客も増えてオシャレになって来た「谷中価格」かな?
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22 同上 ドリンクはお手頃価格か! なお、冷水と一緒に提供された柿の葉?だったかホット薬草茶は珍しくて美味しくいただけましたぞ。
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※「散歩の達人」サイトで紹介されていたぁ!こちらからどうぞ

※注意:コメントをいただくときに「風俗」「遊郭」などの言葉が入るとキャンセル(不適切なコメントと認識)されやすいようです。
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コメント

Re: タイトルなし

大原かずのりさん!こんにちは!

私も吉原が何回もの大火にあって、あちらこちらに引っ越していたという事。その原因の少なくない理由が遊女が放火したことなどに驚きました。

芸大の横は以前も通過していたのですが、当時あまりレンガには興味がなかったのか?今回は、強烈な印象を受けて撮影しました。とはいえ、カメラも持参せず、冷たい雨に負けて道路からのスマホ撮影でお茶を濁してしまいました。上野もまだまだ見切れていませんえぇ(^▽^;)

吉原は日本の歴史の1ページだと思いますが、負の歴史とかそんな風に考えたことないんで文句意見に驚きましたね。
建築的にも見事だと思いますがそんなに焼けていたとは(;^ω^)

芸大に東京最古レンガ建築があるとは知りませんでした!文明開化の香りがまだ残ってそうな感じがしますね😀

Re: やっぱりコメント入りません💦

BUSYBEE-GAEI さん!こんばんは!

お手数をおかけします。こちらでもテストしてみたのですが、「風俗」というキーワードはキャンセルされやすいようです。

○○とか××とか入れないでコメントしてみてください(^▽^;)

 

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Re: コメントありがとうございます

ぶらっと遡上探索 さん!こんばんは!

何回もお手数をおかけしました(◎_◎;) 

撮影OK牧場は、寿三郎さんの人形の展示だけでしたので、チト残念でしたが、借り物の作品が多かったようでしょうがないのかなぁ?!

おおっ、「面格子」というのですかっ!!勉強になりました(*^^*)

私の知人でも、PowerShotの愛用者が数人おりますが、ズームで野鳥を撮影したり上手に使いこんでおります。私もSX710HS光学30倍ズームとG3X光学25倍のズームを愛用しており大変重宝しておりまする。

清水山は2日の晴れ間に訪問できて本当に良かったですね! この後の青空はしばらくお預けのようです。

Re: コメントありがとうございます

ぶらっと遡上探索さん!こんばんは!

おやおや!このセキュリティは本当に迷惑な精度ですね。

私もよくキャンセルされます (^▽^;)

まぁ確かに私の場合「不正確」なコメントかも知れませんけれど(笑)

お手数おかけしました(*^^*)!!

コメントありがとうございます

今晩はトリケラさん、拍手コメントありがとうございます。
東京芸術大学美術館の「○○展」、200点以上の展示と云う事で、浮世絵のズラズラ攻撃を期待しましたが、撮影禁止だったようですね。でも、心に撮り貯められようで良かったです(上手い)。江戸○○人形は、味わいある作りで良く出来ていますね。窓に付いているパーツ、防犯用の「面格子」です。レンガ造りの建物も必見ですね。

PowerShotは、レンズ交換無しで接写から望遠まで対応可能で、軽いしコスパ最高です。清水山は晴れた2日の訪問で、良かったです。巷のソメイヨシノは満開になりましたが、青空が見えるのが10日過ぎとか、遡上開始予定にしていますが、桜はギリギリセーフですかね。
「不正な投稿だと判断されました」のメッセージが出て送信出来ませんでした。伏字にして再送信です。

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Re: No title

ytaka007さん!こんばんは!

「大吉原展」思っていた以上に、観たことのない浮世絵がたくさん出展されていました。

先日、千葉市美術館で開催されていた旗本出身の浮世絵師「鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)」の浮世絵も多数ありましたし、歌麿はもちろん、吉原や遊女を描いた浮世絵の名品が楽しめました。

江戸の出版会のプロデューサーともいえる蔦谷重三郎に関する資料もたくさんありました。芸大が所蔵する資料もあって、さすがですね。

私としては、歌麿の「吉原の花」肉筆浮世絵が何といってもお目当てでしたので、十二分に堪能できたのが大収穫です。(*^^*)

No title

こんばんは、とりさん

芸大は、音楽鑑賞で私も何回か行ったことあります。
テーマ、歴史の一コマだから面白い。
浮世絵の描写なかなかいいですよね。
浮世絵でなければこれだけの江戸の味は出せないでしょうね。
浮世絵の美は、現在のイラストでは表現できない豊かな美があると感じます。
色をきれいに保存しているのもかなりなものです。
芸大らしい美術展ですね。
入場料払って行った価値ありですよ。

Re: No title

たいやきさん!こんにちは!

改めて東京芸大あたりを調べてみると、面白い建物がたくさんありますね。天気の良い日にユックリ訪問してみたいモンです(*^^*)。

先日記事にした本庄の「普寛霊場」にも、遊郭の大見世の寄進した玉垣をご紹介していますが、身寄りのない遊女の遺体を投げ込んだ「投げ込み寺」も三ノ輪や新宿、品川にありますね。板橋宿を訪問した際、文殊院にも遊女の墓があることを知りました。

これからも色々な歴史の切り口を見て歩きたいなぁと思う企画展でした(*^^*)

No title

東京芸術大学は古い建物がたくさん残っていていいですよね。
そもそも上野公園自体が近代建築のデパートみたいな場所ですが。
吉原は映画の世界で燃える姿を見たっことがあります。
また、寺社には遊郭の寄進や遊女の信仰なども見ることができます。
負の遺産と批判される方もいるかと思いますが、やはり歴史ですね。

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Author:torikera
季節の野草や身近な自然の写真のご紹介、トレイルランやポタリング、マウンテンバイクの記事、掘り出しモンCDアルバムなど音楽の話題、美味しい日本酒や蕎麦について、最近は庚申塔・石仏・富士塚・力石など石や塚などにも興味津々!とりとめのない記事ばかりですがよろしくお願いします。

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