Miyakawa先生 による慢性疲労症候群とHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)についてツイートまとめ
- a_iijimaa1
- 5045
- 56
- 1
- 231
関連の最初のまとめです。
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)に関する誤解について
HPVワクチンに副反応をうったえてらっしゃる多くの方々の症状と慢性疲労症候群が似ており、接種がこの疾患の一つのトリガー、リスク要因になっている、という考え方は検証の価値のある仮説ではないかと思います。ということで少し考えてみます。 twitter.com/sawataishi/sta…
2016-04-09 09:57:33@tsuyomiyakawa 様、HPVワクチンについて真剣に検討為ている医師より 子宮頸がんワクチンに関する上昌広医師の言説を批判する⇒ d.hatena.ne.jp/sawataishi/201… お読み下されば幸いに存じます pic.twitter.com/qCtyvfIcvd
2016-04-08 00:37:57慢性疲労症候群は日本で人口の0.3%が罹患という推計 ow.ly/10sZxS 。またイギリスでは16歳の1.6%が罹患しているという推計も。 ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26810786 かなりの罹患率の疾患ですね。
2016-04-09 10:04:02これら数値をもとにすると、ワクチン接種900万人とするとうち2万7千〜17万人程度が接種無しであっても慢性疲労症候群に罹患することが推定されることに。仮にワクチン効果がオッズ比2程度のリスク要因としてあると仮定すると、ちょうどこの倍くらいの数が日本で増加すると考えられますね。
2016-04-09 10:07:14そうすると2万7千〜17万人程度が増えているはず。一方で接種との因果関係の有無と独立に報告される「副反応」の人数でも千人程度、連絡会に報告されている数でも3千人弱。このあたりは大規模調査のデータがないとわかりませんが、オッズ比が2もあるということは仮定として適当ではなさそう。
2016-04-09 10:13:21慢性疲労症候群は原因がはっきりわかっていないわけですが、遺伝的な要因も貢献していそうですが ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26859813 、単一の原因で引き起こされる疾患ではなく複数の遺伝的・環境的要因の組み合わせで生ずる多因子疾患であることは間違いなさそうです。
2016-04-09 10:28:14慢性疲労症候群が多因子疾患ということになると、その意味では糖尿病や循環器系疾患などの生活習慣病や様々な精神疾患と同様で、原因は一つではなく複数あり、弱い効果を持つ複数要因の組み合わせが蓄積しなんらかの閾値を越えると発症するようなものと考えられそうです。
2016-04-09 10:32:00ワクチン接種が慢性疲労症候群(かそれと似た関連疾患)の一つのトリガー・リスク要因となっているという考えは仮説としては妥当性のあるものです。それが仮に正しいとして多数あるリスク要因(遺伝要因、ストレスや感染など)の中の一つにすぎない、と考えざるを得ないのではないでしょうか。
2016-04-09 10:35:20先ほどの見積もりが正しかったとして、ワクチン接種がオッズ比1〜2程度で慢性疲労症候群等の一つのリスク要因であることが正しかったとします。その前提で、接種を一つの要因として生じるこの疾患を予防・治療するための研究をするとどのようなものが有効か考えてみることも大切かと思います。
2016-04-09 10:47:16慢性疲労症候群を中心に考えてみると、遺伝的要因、環境的要因(ストレス、感染など)が既に(証明されていないものの)想定されていて、それがある種、共通部分を持つ病態に繋がると。それぞれのリスク要因の貢献度はワクチン接種も含めかなり弱い(おそらく、それぞれがオッズ比2未満)。
2016-04-09 10:51:54強力なリスク要因(オッズ比5以上とか)があれば、既に同定されているはずですので。そういうことになると、まずは共通部分の病態とそこに繋がるコモンパスウェイを同定するのが重要ということになりそうです。弱い要因を突き止めていくことはその同定の上でヒントにはなる。
2016-04-09 10:56:35つまり、仮に慢性疲労症候群だった場合を例にとると、それがワクチン接種と因果関係のある副反応として生じてしまったとして、発症には接種だけでなく他の多数の要因も原因となっているはずであると。そして、その中で接種の占める貢献度はそれほど高いはずはなさそうである、と言えるように思います。
2016-04-09 11:08:16で、ワクチン接種後に慢性疲労症候群様の症状を呈された方々がいらっしゃった場合は、慢性疲労症候群の専門医に相談されるのがよろしいのではないでしょうか。検索すると出てきます。専門医は少ないようですが、心療内科や精神科が主なようですね。
2016-04-09 11:18:21で、澤田石先生はこのブログで「患者を診察した医師は精神疾患とか心因反応とかみなす傾向。このことが患者を傷つける」とおっしゃってますが、慢性疲労症候群も精神疾患も脳神経系に生物学的な何らかの不具合がある疾患であるというのが定説です。 twitter.com/sawataishi/sta…
2016-04-09 11:23:51慢性疲労症候群でも精神疾患でも、脳神経系を含む体の生物学的な不具合が生じているだけですので、そのことで患者さんはなんら傷つかれる必要はないと考えます。患者の方々がその種のバイアスなく最適な医療機関を受診されることが期待されます。 twitter.com/sawataishi/sta…
2016-04-09 11:29:53ストレスが慢性疲労症候群の強いリスク要因であるという論文。archpsyc.jamanetwork.com/article.aspx?a… 約2万ペアの双生児での研究。症候群の有無が一致しない双生児で統制された推定ではストレスによるリスクはなんと5.81倍。ストレスの効果すごいですね。
2016-04-10 09:13:27仮にHPVワクチンが日本人で慢性疲労症候群のリスクを有意に高めるという結果がでてもオッズ比がここまでいくことはまずないでしょう(外国の研究やこれまでの慢性疲労症候群様の副反応の報告数を考えると)。
2016-04-10 09:20:12とすれば、接種が慢性疲労症候群のリスクを高めるのが怖いのは、ストレスが慢性疲労症候群のリスクを高めるのが怖いのと同程度かそれ以下ということになりますね。また、ワクチン接種と同程度かそれ以上に、発症前の心理的ストレスを発症の1要因として疑ってみるとよいということにもなりそう。
2016-04-10 09:23:03そういう推論が正しければ、HPVワクチン接種が怖いとしても、心理的ストレスと同程度か、それ以下ということになると。いろいろと仮定があって推論が正しいとはもちろん限りませんが、それなりのエビデンスに基づいた推論なので、ある程度の参考程度にはなるようには思います。
2016-04-10 09:26:15補足。
薬物の効果として、痛みなどの実際には存在しない副作用が生じてしまうのをノセボ効果と呼び、抗不安薬を投与するとノセボ効果が減るというJ. Neurosciの論文。jneurosci.org/content/26/46/…
2016-04-11 07:33:50プラセボ効果やノセボ効果は、本物の脳での変化や身体症状を引き起こす神経生物学的基盤をもった現象であるというJ. Neurosci.の総説。 jneurosci.org/content/31/45/…
2016-04-11 07:36:15