第12回「ベースラインの作り方を学ぼう」
今日は「ベースラインの作り方を知ろう」というテーマでおはなししていきたいと思います。 今回は具体的な音の決め方に重点を置くので、 「ベースの音域」「根音とオンコード」「スキャット(シラブル)」などのおはなしは 第3回「ベースのルールを知ろう」をぜひ参考にしてください。
2014-12-19 22:00:39ベースラインを作ることにおいて、最終的なゴールは、まったくベースラインがない状態(例えば、コードのみを見ただけ)で自分なりにベースパートを決めていけるようになることですが、初めは「原曲を参考にする(いわゆる耳コピ)」というのは徹底して行うようにしましょう。
2014-12-19 22:02:27ひとつひとつのベースのフレーズに意味があるので、それを感じとるようにコピーしていくことが大切です。ただし、声のベースは楽器ベースに比べて、演奏出来る音数や音域に限りがあるので、 「どういう風に演奏したら元のフレーズのように聴こえるか」 を意識して簡略化していくと良いでしょう。
2014-12-19 22:04:05どこまで簡単にしてしまうかは、バランスのとり方にもよりますが「きちんと息継ぎが出来るか」「音飛びが激し過ぎて歌いにくくないか」などを気にして考えてみましょう。
2014-12-19 22:04:31楽器ベースでは8ビートにおいて、八分音符を刻み続けるような譜面も出てきますが、息継ぎのことを考慮して、一拍目を四分音符にしたり、2の裏と3の表をタイでつないだりすると原曲に近い印象で歌い易くすることも出来るでしょう。 pic.twitter.com/y9gDVx3m90
2014-12-19 22:05:25※補足 左が原曲で、それを簡単にするとしたら、というのが右ですね。 もちろん他にも色々パターンはあると思うので考えてみてくださいね^^
2014-12-19 22:06:13音域的な問題で代表的なものをあげるなら、楽器ベースはオクターブの奏法が頻繁に出てくるのですが、声でやる場合はそれを継続的にやるのは非常に難しいです。 pic.twitter.com/r3CnTnKVKW
2014-12-19 22:08:49@aca_arr オクターブの動きをなくして、その代わり裏拍の発音を表拍と変えたりすると比較的近いニュアンスが出ると思います。Dum-pattやDum-pettなど、いろいろ歌って試してみましょう。
2014-12-19 22:09:11初めに言いましたように、あくまで始めは「原曲を参考にする」というスタンスから始めることをおすすめします。 ただ、バリエーションがどういうものがあるのかを知っていると、コピーをする際にも「こういう意図でここのベースの動きがあるんじゃないか」と分析出来るようにもなってきます。
2014-12-19 22:11:34まずは譜面をみて下さい。このコード進行に対してどういうベースラインを作るかを考えていきましょう。ベースがとるべき音がわからない方は、第3回講座に根音・オンコードについての記述がありますので、そちらも参考にしながら考えてみてください。 pic.twitter.com/V88c8Lkabm
2014-12-19 22:12:22譜例上は四分音符で刻む、いわゆる4ビートというもので、 譜例下は八分音符で刻む8ビートですね。 4ビートはジャズなどでコード内の音をいくつかとりながら使うパターンが多いです。8ビートはアップテンポのロックなんかでよく見かけます。 pic.twitter.com/Nwthd1h4Yb
2014-12-19 22:13:44一番オーソドックスなパターンは、符点四分音符と八分音符の組み合わせですね。汎用性も高いので、迷ったらとりあえずこのパターンにしてみてもいいかもしれません。これを基本にして、3・4拍目を二分音符にしたり、4分音符二つにしたりします。 pic.twitter.com/B6svYo3jnA
2014-12-19 22:15:18これまで取り扱ったのは根音をとるベースラインのみでしたが、実際のベースラインに注目してみると根音以外の音も使っている場合がほとんどです。どの音を使っていいのかわからない、と質問を受けることが多いのですが、まずは「経過音」「5度」について覚えましょう。
2014-12-19 22:16:31ベースラインをコピーしていくと「コードの音にない音を演奏している!」という場面に遭遇します。 コードに含まれる音を中心に考えるのですが、加えてその間の音、または2つのコードの間の音を繋ぐような形でコードに含まれない音を使うことが多々あります。この音のことを「経過音」と呼びます。
2014-12-19 22:18:44音と音をスムーズに繋ぐための橋みたいなものですね。譜例では次のコードに行きやすいよう経過音を使っていますし、最後の小節Gメジャーでは、シにあがる間に経過音であるラを使っていますね。 pic.twitter.com/vNKZkq6A9V
2014-12-19 22:19:12次は5度の音を使ったパターンです。5度の音は根音の次に安定感があり、比較的自由に使い易い音です。オンコードである場合を除き、根音からスタートし、そのコードの終わりにかけて5度や経過音を使うと変化があっていいでしょう。 pic.twitter.com/OF8akvjlfK
2014-12-19 22:20:075度と経過音を積極的に入れてベースラインを作ってみました。ここで考えて欲しいのが色んな動きが入っていれば入っているほどいいのかというと、そうではなくてベースの動きが増えるとその分主張が強くなってしまうのでバランスには気をつけましょう。 pic.twitter.com/MKJjyZfFKY
2014-12-19 22:21:25何度も繰り返しますが、まずは原曲のベースラインをコピーした上で、ここは経過音だなーとか5度だなーとか考えるようにしていくと自然といいベースラインがわかるようになってきますよ。
2014-12-19 22:21:47最後はちょっとスパイスを入れたいな、って時の考え方のコツをおはなしします。 ボイパ(ドラム)の譜面を考える上で、フレーズとフレーズの間に少し違うリズムが出てくることを「フィルイン」というのですが、実はこの考え方はベースラインを作る時にも活用出来ます。
2014-12-19 22:32:30フィルインは4小節、ないし8小節に一度出てきます。そういう周期でベースにも変化をつけてあげるとメリハリがついて良くなります。ドラムと同じく、それ以外のところは基本的なリズムをなるだけ崩さないようにすると、ノリが生まれ、動きも際立ちます pic.twitter.com/PIcxNe5xWf
2014-12-19 22:34:37他にも休符やゴーストノート(音程のない音)を使ってリズムを際立たせる方法、半音の動きを使ったライン、ドミナントトーンを使ったラインなどなど、あげればまだありますが今日はこのあたりにしたいと思います。 (あまりたくさん覚えようとすると大変ですしね)
2014-12-19 22:35:31ひとまずは色んなベースラインを分析することから始めていきましょう。 頭で考えて理解するより、耳で聴いてカッコいいな・好きだなという引き出しを増やしていく方がおそらく上達への近道になると思うので、たくさん色んな音楽を聴いてみてください。
2014-12-19 22:36:23◎今日のまとめ ・原曲のベースのエッセンスを感じとる習慣をつけよう。 ・「経過音」「5度」を上手く使って、メロディックにしよう ・基本リズムとフィルインの組み合わせを覚えよう。
2014-12-19 22:37:20アカペラ楽譜のアレンジについての情報をTwitterで配信しています。次回「和音について知ろう・中級編」。テーマに沿って、1時間程度のツイッター上で講座を行います。講座中に限らず、いつでも気軽にアレンジに関する質問をお寄せください。管理人 @yukke0510 アレンジ依頼 amba.to/1B4PXyc