婚外子相続規定違憲判断のまとめのまとめ
- 婚外子:弁論後「子の権利、線引き必要か」 最高裁の判断に期待
http://mainichi.jp/select/news/20130711ddm041040100000c.html
毎日新聞 2013年07月11日 東京朝刊
婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とした民法の規定を巡り、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は10日午後に弁論を開き、和歌山県の男性(2001年死去)の遺産分割に関する家事審判の当事者から意見を聞いた。大法廷には他に岩手県の審判も係属しており、午前中に弁論があった東京都の1件と併せ、今秋にも出す決定で従来の合憲判断を見直す見通しだ。
和歌山県に住む婚外子の40代の女性は閉廷後、都内で記者会見し、「選んで未婚の父母の間に生まれたわけではない。不当な法律を改善して平等な国にしてほしい」と、最高裁の判断に期待した。
父は和歌山県内でレストランを営み、1966年にアルバイトとして働き始めた母と知り合った。父には妻子がいたが、母と共に暮らすようになり、姉(04年死去)と女性が生まれた。小学3年生の時、父母が結婚していないと知ったが大きなショックは無かった。「家に帰れば父も母もいて、普通の家庭だと思っていた」
だが、父が72歳で息を引き取り、遺産分割の段階になって規定の壁に直面した。最高裁まで争うことに、「みっともない」と眉をひそめる親族もいる。だが女性は言う。「命の重みが半分と言われている気がするんです。子供の権利に線引きは必要でしょうか」
一方、嫡出子側は弁護士を通じて「幸せな家庭を壊され家から追い出され、約40年間精神的苦痛に耐えて生きてきた。婚外子側は生前に相当な財産を譲り受けた。どこが不平等なのか」とのコメントを出した。【和田武士】
- 「『2分の1』の自分取り戻した」婚外子女性 2013.9.4 22:43 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130904/trl13090422480005-n1.htm
「『2分の1』といわれた自分の生きる価値を、取り戻した」。平等な遺産分割を求めて裁判を続けてきた和歌山県の40代の女性は4日の決定後、和歌山弁護士会館で会見。違憲判断を勝ち取った喜びを語った。
女性は別に妻子を持つ父と、父の経営する飲食店の従業員だった母の間に生まれた。「二号の子供のくせに」。小学3年生の時、クラスの男子にそうからかわれ「婚外子」としての自分を意識するようになったが、特に不自由は感じなかった。平成13年に父が病気で死亡した際には毎日仕事帰りに病院を訪れ、娘として最期をみとった。
差別を初めて実感したのは、遺産分割の話が持ち上がったときだった。相続分は嫡出子の半分と知り、「命の重みが半分と言われているような気がした」とがくぜんとした。
父の死から約12年。「最高裁まで争うなんて、みっともない」と親族に冷ややかな視線を向けられ、インターネット上でも中傷の嵐に遭った。
女性は会見の最後に、長い戦いを支えた信念を改めて繰り返した。
「子供はどんな状況で生まれても平等だということを、知ってもらいたい。今日が第一歩だ」
一方、相手方の嫡出子は「母は法の規定を心の支えに40年間、精神的苦痛に耐えてきた。違憲判断は私たちにとって納得のできるものではなく、非常に残念で受け入れがたい」とのコメントを発表。「日本の家族形態や社会状況を理解せず、国民の意識とかけ離れている」と批判した。
- 「非常に残念で受け入れ難い」=嫡出子側がコメント-婚外子相続
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013090400912
最高裁の違憲判断を受け、和歌山県の男性の遺産分割をめぐる審判の嫡出子側は、「私たちにとって納得できるものではなく、非常に残念で受け入れ難い」とのコメントを出した。
嫡出子側は今回の判断を「日本の家族形態や社会状況を理解せず、国民の意識とかけ離れたもの」と批判。「違憲判断には絶望した」と締めくくった。(2013/09/04-23:18)