「あらゆるアメリカ文学がこれに由来する」とまで言われた名作「ハックルベリー・フィンの冒険」は、実は何度も閲覧制限になったり、禁書にされたりしていた
グループSNEでTRPG関連の執筆や翻訳をしています
昨今の「はだしのゲン」の閲覧制限問題について色々見るたびに、俺は「ハックルベリー・フィンの冒険」を思い出す。「あらゆるアメリカ文学がこれに由来する」とまで言われた名作である。 この名作、実は何度も閲覧制限になったり、禁書にされたりしているのである。
2013-08-22 02:26:53一番最初は、恐らく、その文体が問題になったのだろう。無教養な少年の一人称で書かれており、文法上の誤りや間違った綴りに満ち溢れている。これを、「子供の教育上よくない」としたのだ。 子供が間違った英語を覚える、という論理なわけだが、まあ、わからないでもない。
2013-08-22 02:30:16しかし、昨今においては事情が違う。『ハックルベリー・フィンの冒険』は人種差別的だ、というのである。というのも、「二ガー」という単語が凡そ215回でてくるからである。
2013-08-22 02:33:19「当時の南部の人が黒人を指す単語にそれ以外のものを使ったわけがない」「内容そのものは痛烈なまでの黒人差別への批判である」 という事実はどうでもいい。差別用語を使っている。だから、人種差別的であり、子供の目に見せてはいけないのだ。
2013-08-22 02:36:25おかげで『ハックルベリー・フィンの冒険』は「全米で最も閲覧制限/禁書の要請を受けた本」の、90年代5位、2000年代14位となったわけである。
2013-08-22 02:39:33まあ、なにが言いたいかというと、「名作だから規制されない」っていうのは、まったくの大嘘だってことですね。「善意の人」というのは、なんだかんだ理由をつけて本を燃やすのですよ。そこに、名作だなんだというのは関係ありません。
2013-08-22 02:45:01因みに、俺は小学生の頃に「はだしのゲン」を読んだんですが、ムスビがヒロポンにはまって身を持ち崩していく描写がトラウマで、アメリカで何度か薦められたのですがドラッグに手を出せませんでした。 小学生の頃、「はだしのゲン」を読んでてよかった!!
2013-08-22 02:52:33@YKBethe そのうちホビット、ハーフリングやグラスランナーが低身長の人間に対する~ってんで叩かれる日も来そうですなぁ・・・
2013-08-22 03:11:47@maboroshiitake そういう批判もないわけじゃあないんでしょうけど。因みに、映画LoTRには下手したら人種差別と取られかねないジョークがさりげなく混ざってます。
2013-08-22 03:18:53@YKBethe …『ハックルベリー…』の時代設定に、“ニガー”等、“政治的に正しからざる”表現を白人が多用していたのは事実なのに、規制とやらを完全に履き違えてますよね。押しつけがましく、方向のズレて歪んだ“善意”とやらは、悪意と紙一重…というか、悪意よりタチが悪いと思います。
2013-08-22 04:44:06@misterhiropon 他人の持ち物である奴隷を逃がすのは、当時の南部の常識では明確に窃盗罪であり、逃亡奴隷のジムと一緒に行動しているハックは常に「これで地獄に落ちるかもしれない」と懊悩しています。その上で、「おいらは地獄にいったっていい」と、ジムを庇うんですよ。差別的?
2013-08-22 04:58:46@YKBethe むしろ今回「名作でもそうじゃなくても規制させるべきではない」ってこれまでいってた人が、「名作だから規制するな」っていってるのが残念なんですよねえ。
2013-08-22 02:50:00@toronei 本はどんな駄作も、どんなに虫唾が走る内容でも、燃やすべきではない(これは比喩として言っています。念の為)というのが俺の一貫しての想いです。ゾーニング自体には反対していないのですが・・・ その際に「込められた意図」というのはある程度考慮に入るべきだとは思います。
2013-08-22 03:12:41@YKBethe 以下ネタ噺ですが、小学校の図書委員時代の仕事は、ボロボロになってテープ補強も効かなくなった廃棄本を、当時はまだどこの日本の小学校になった焼却炉にいれるというものでしたw
2013-08-22 03:14:56@toronei 子供が扱う本はどうしてもぼろぼろになりますからねえ。その場合は焚書ではなく火葬だと思って例外としますw
2013-08-22 03:20:46