有明海・諫早湾の環境修復を目指して6
- a_iijimaa1
- 3343
- 0
- 2
- 9
【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】諫早湾の堤防締め切りが有明海全域に及ぼした負の影響は、それはひどいものでした。熊本県立大の堤先生のグループでは有明海全域の生物調査、底質調査、水質調査を継続的に行い、変化を追跡しています。
2013-01-15 11:46:34【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】堤チームの研究結果から明らかになったのは、1)諫早湾締め切りにより有明海全体の強い潮汐流が弱まってしまった、2)その結果、有明海湾奥で表層と底層の海水の混合が弱まった。
2013-01-15 11:51:35【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】3)その結果として有明海表層では赤潮が、底層では貧酸素水塊が発生するようになってしまった。以前の有明海では信じられない事態。4)さらに1)の潮汐流減衰によって、有明海奥部の深場に泥が堆積するようになってしまった。
2013-01-15 11:54:28【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】4)についての解説:有明海の有名な泥干潟は主に西側のごく浅い所にあります。一方、海底深くは奥の方まで砂質でした。その砂質海底にタイラギなど、漁獲対象として重要な生物が多く生息していたのです。
2013-01-15 11:57:08【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】5)本来砂底だった広大な海底に泥が堆積することにより、またその海域に夏に貧酸素水塊が形成されることにより、海底には生物がほとんど生息できないエリアが広がってしまった。
2013-01-15 12:01:08【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】6)その結果、タイラギ漁をはじめ、有明海の豊富だった水産物の漁獲は激減。諫早湾の締め切り以来15年にわたる不漁につぐ不漁の年月に、廃業する漁師さんも。自殺した漁師さんもいたとのこと。
2013-01-15 12:03:34【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】3)の赤潮の影響で、浅場で行う海苔漁にも壊滅的な被害が生じている。生育しても真っ白く色が抜けてしまった海苔は、商品価値ゼロ。海苔養殖の本場、最も品質の良い海苔を生産する有明海で海苔が採れないとは…。
2013-01-15 12:06:12【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】福岡高等裁判所の判決(確定)では、2013年12月から諫早湾の水門を5年間開放し、諫早湾締め切りが有明海に与えた影響を調査する、というものでした。
2013-01-15 12:08:27【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】堤先生たちのチームでは、水門開放後の調査計画を立てて開放を待っています。今まで通り、数多くの測点での綿密な調査を行えば、水門締め切りと有明海全域の環境悪化・漁業被害との関連性を明らかにできるでしょう。
2013-01-15 12:11:44【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】一つ心配なのは資金です。堤先生も高橋先生も、科研費や他の助成金を申請していますが、「通らなかったらどうしたものか」と心配しているところです(調査船も出すので、年間300万円はかかるとのこと)。
2013-01-15 12:14:46【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】御用学者が得ている年間千万円単位の研究費に比べて、桁1つ小さい金額ですのに、志の高い研究者たちはこれを得るために頭を痛めています。
2013-01-15 12:22:56【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】ついでにお金の話をもう一つ。諫早湾の調整池の水質改善のために、年間40億円ものお金がつぎ込まれています。にもかかわらず、有毒アオコの発生は止まらず、ユスリカ大発生も止めることができていません。
2013-01-15 12:24:54【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】言うまでもないことですが、諫早湾の水門を開放して湾内を海と干潟に戻せば、水質改善のための費用は全くかけずに済むのです。年間40億円、財源は国の税金です。我々が払う血税です。
2013-01-15 12:26:53【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】さらにお金の話をもう一つ。年間40億円を投じて諫早湾に注ぐ淡水の水質浄化をしていますが(調整池の手前では農業用水にはなっています)、農業生産は年間45億円。かろうじて赤でない程度です。でも有明海の水産業で大損!
2013-01-15 12:31:25【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】もうお分かりいただけたと思います。「自然環境保全か、それとも経済か」という問題ではないのです。自然環境の破壊は一次産業を衰退させ、地元の漁師さんの暮らしを圧迫し、そのツケは日本全国の国民に等しく回っているのです。
2013-01-15 12:34:09【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】シンポジウムでは、自然環境再生についての希望の持てる事例紹介もあり、また巨大堤防開発についての危機感も共有することができました。これらについてはまた後日、つぶやきます。
2013-01-15 12:39:41【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】一つ、つぶやき忘れていました。諫早湾の水門を開放すると、内側の干拓地で耕作している農家が困るのではないか、と訊かれることがあります。諫早湾締め切りによって作り出された干拓農地は個人所有ではなくリースで、666haあります。
2013-01-15 13:57:14【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】その干拓地で営農している個人は29名、農業生産法人が16団体でしたが、すでに1人(団体)はリース継続をやめています。2013年3月末以降、再リースを希望しない営農者は6人(団体)、干拓地農地666haのうち約105haです。
2013-01-15 14:01:48【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】一方で有明海で働く漁業者は、長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県にいます。私は漁業者の正確な人数は把握していませんが、例えば佐賀県漁業協同組合のページを見ると、正・准合わせて会員数2196名ですから、4県で7千〜8千人、あるいはもっとでしょうか。
2013-01-15 14:13:57【有明海・諫早湾シンポ(東京)を終えて】どう考えても、諫早湾の水門を開放して40人(団体)の営農者に別の土地をリースするなどの支援をする方が、諫早湾の水門を閉め続けて4県の漁業者全部の利益を損ない続けるより簡単なはずですし、損害も少なくて済むのではないでしょうか。
2013-01-15 14:19:41島原の有明漁協のページがやたらと美味しそうな件。有明海が豊漁でありますように!http://t.co/VxhvCTGq
2013-01-15 14:53:43