有明海・諫早湾の環境修復を目指して2
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【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】有明海では多くの河川が流入しているにもかかわらず、水中の窒素やリンの過剰による植物プランクトンの爆発的増殖「赤潮」は、1990年代まで起きていませんでした。それはなぜだったのでしょうか。
2013-01-02 23:21:41【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】理由の1つは潮汐差にあると考えられています。有明海は日本一潮汐差が大きく、大潮満潮と干潮で平均5mもの差があります。有明海沿岸では、満潮の時に船着き場に浮いていた舟が、干潮になると泥の上に座っているのを見ることができます。
2013-01-02 23:25:25【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】潮汐差が大きいと、潮流も速くなります。場所によっては毎秒1mもの速さで、底の泥を巻き上げながら潮が引いていくのです。
2013-01-02 23:27:03【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】しかも有明海は遠浅の海です。岸辺からずっと沖合まで広大な干潟が広がっています。浅い海で、速い潮流が流れるとどうなるでしょうか?
2013-01-02 23:29:50【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】浅い海の上を速い潮流が流れることにより、海水の表層と下層はよく混じり合い、表面の酸素は海底まで供給されます。このため、海底ではそもそも貧酸素化が起きにくい。
2013-01-02 23:32:32【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】また、干潟の泥の中には脱窒細菌が多く、水中の窒素分(植物プランクトンの増殖に必要)を低下させる働きをしています。このため赤潮が防がれていたと考えられています。
2013-01-02 23:37:08【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】また、干潟にはアナジャコ類、二枚貝類などが多く生息していますが、これらは植物プランクトンや粒子状有機物を濾過して食べているため、水質を浄化するフィルターの役割を果たしていると言っても良いでしょう。
2013-01-02 23:42:54【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】干潟に生息する巻貝類、ゴカイ類、カニ類、ウニ・ナマコ類の多くも、干潟表面に降り積もった有機物や、泥表面の微小藻類を食べていますので、水質浄化機能を担っています。
2013-01-02 23:45:21【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】また、干潟に棲む動物の巣穴は、脱窒細菌の住処にもなっています。つまり干潟は、天然の浄化槽のような機能を持っているのです。
2013-01-02 23:48:09【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】潮汐差が大きく、潮流が速く、広大な干潟が広がり、赤潮や貧酸素水塊が生じなかった有明海ですが、1990年代後半から変化が起きます。
2013-01-02 23:50:30【諫早湾・有明海シンポに向けた豆知識】諫早干拓事業と水門閉め切り、そして有明海奥部での赤潮発生については、シンポジウムの講演1で熊本県立大学の堤先生から詳しくお話いただきます。関心のある方は、是非いらして下さい。
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