アニメーター・コーチ小島氏が解説「絵がうまくなる方法は『高度な模写』と『自撮り』の2つだけ」

根源に「楽しい」が必要不可欠。
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小島昌之 @kojima_masayuki

アニメーター・コーチ。chiptune所属。業界を離れていた7年間に自己規律や対話スキル、人材育成やコーチングスキル等を勉強。コーチとしての実務と人事評価の経験あり。大好物は梨。次に自転車・焼酎・日本酒・コーヒー・チョコレート・囲碁・落語とくる。世界遺産を巡り尽くすのが夢のひとつ。 交流会の再開に向けて準備中。

小島昌之 @kojima_masayuki

絵を描くのが上手くなる方法を知りたくありませんか?ありますよ、2つだけ。 「1.(高度な)模写をする」 「2.実際にポーズを取る・鏡を見る・自撮りする」 色々な人が既に何度となく言っていることではありますが、結局はこの二つです。 但し、注意点が二つ(この先長いので要注意!) pic.twitter.com/TkCkTnPyNd

2022-04-06 18:37:23
小島昌之 @kojima_masayuki

一つはこの方法が「脱・初心者~中級者」に対して最も効果が高いという点。もう一つは「継続する」ということです。 本当の初心者はとにかく「楽しく描く」が最優先です。何も気にせずに好きな時に好きなように描いて「絵を描くのが楽しい」という体験を沢山して欲しいと思います。 pic.twitter.com/CggYwbPnGB

2022-04-06 18:40:42
小島昌之 @kojima_masayuki

「楽しい」が根源にないと絵を描くという行為は続けられません。

2022-04-06 18:41:59
小島昌之 @kojima_masayuki

ある程度絵を描いていくと何処かで「もっと上手くなりたい」「もっと色々描いてみたい」「もっと、もっと…」と欲が出てきます。そのタイミングで先ずは模写をしてみてください。この時は「高度」という部分は気にせずに好きな作品や好きなイラストレーターの絵、メカやモンスターを模写しましょう。 pic.twitter.com/0mxBZ3kOgj

2022-04-06 18:45:09
小島昌之 @kojima_masayuki

色々な絵やモチーフを模写していると徐々に「自分の絵と元絵で何が違うのか?」「どうしたらこんな風に描けるのか?」といった疑問に出会うようになります。このタイミングが「脱・初心者」のタイミングです。この時点で「違いに気づく観察眼」と「元絵に近付きたいという欲求」の二つが揃っています。 pic.twitter.com/n65L3CNsRk

2022-04-06 18:53:20
小島昌之 @kojima_masayuki

「観察眼」と「欲求」が揃って初めて「高度」の部分に向かい合いましょう。でなければ「そもそも違いが分からず」「何故そんなことをする必要があるのか」が理解できませんしモチベーションも維持できません。「目」と「欲」の二つが一定以上になった段階で「脱・初心者」を目指すのがベストです。

2022-04-06 18:56:17
小島昌之 @kojima_masayuki

では「高度な模写」とは何か?「高度」の意味は大きく分けて二つ(今回こればっかりですが(笑)) 一つは「高い『精度』の模写」、もう一つは「高い『次元』での模写」です。とは言いましたが、「脱・初心者」の場合は先ずは「高い精度」だけを目指してください。「高い次元」はここでは後回し。

2022-04-06 18:59:11
小島昌之 @kojima_masayuki

「高い精度」とはそのまま文字通りの意味で元の絵に限りなく近く描くことです。ここで必要になるのは「観察眼」と「観察法」。既に元絵と自分の絵が「なにか違う」ことには気付いているので「何処がどのように違うのか」を見定めていく必要が出てきます。 pic.twitter.com/934mEGb7Ur

2022-04-06 19:03:20
小島昌之 @kojima_masayuki

「観察法」とは「グリッド」「ジェスチャー」「単純化」「ネガティブ(ポジティブ)スペース」等過去何度も話したものです。観察法については過去のツイートや単語検索していただければ無数の解説がネット上に出てきます。先ずはネットで触れられる情報からで構いませんので実践に移してみましょう。 pic.twitter.com/4bCv4CELBo

2022-04-06 19:06:30
小島昌之 @kojima_masayuki

ここまで「脱・初心者」向けの話をしてきましたが中級者に向けた話もしていきましょう。中級者であっても「正確な模写」が出来るよう「観察」と「描写」を繰り返すのは大事です。その上で、先程後回しにした「高い『次元』の模写」に取り組むとインプット・アウトプット共に更にレベルが上がります。

2022-04-06 19:08:43

高い次元の模写とは

小島昌之 @kojima_masayuki

「この漫画家ならこんなシーンを描きそうだ」「このイラストレーターはこういう組み合わせとアングルで描くことが多い」「もしこの絵の続きがあるとすればこんな一枚になるのでは?」といったように対象の特徴や思考・嗜好を読み解き新作を描くように模写をすることを「高い次元の模写」と定義します。 pic.twitter.com/yMR4SKZt46

2022-04-06 19:11:12
小島昌之 @kojima_masayuki

「最早それは模写でないのでは?」全くもってその通りです(笑)これは模写ではなく完全な二次創作です。しかし一方で、対象の「癖」や「思考・嗜好」の模写と言うことも可能でしょう。この手順の重要な点は「新作を描けるくらいに深く観察し、読み解き、描写をする」という部分です。 pic.twitter.com/yBBeLNZSwg

2022-04-06 19:12:58
小島昌之 @kojima_masayuki

ここまでのことを実現するには相当な『観察眼』と『読解力』と『構成力』に描く『技術力』が必要になります。裏を返せば、これが出来るということはそれぞれの能力が高い次元にあることの証左でもあります。勿論、「高い次元の模写」が出来なければ上級者たり得ないということではありません。

2022-04-06 19:13:24
小島昌之 @kojima_masayuki

上級者の世界というのは上に行くほど汎用性が失われ「これが出来なければ」というのは専門分野によって大きく変ります。アニメーターに関してであれば作品を知り、コンテを理解し、キャラクターを描く為に高い次元の『観察』『読解』『構成』『技術』を元にシーンを演出し描くことが求められます。 pic.twitter.com/ZIeOUvUfX2

2022-04-06 19:16:28
小島昌之 @kojima_masayuki

「この状況ならこういう演技だろう」「このキャラクターならばこんな風に動くだろう」「このアングルならこう見えるだろう」等「高い次元の模写」は常に求められます。自分勝手な解釈での演技ではなく「求められた」或いは「描くべき」ものを描けるか否かは大きなアドバンテージとなります。 pic.twitter.com/Q6OswdZ5BE

2022-04-06 19:17:13

「見ないで描く」為には「見て描く」が大事

小島昌之 @kojima_masayuki

「描くべきものを描いた上で『自分ならでは』を足す」ことが出来る人ほどアニメーターにおける上級者と言えるでしょう。 そして、上手くなる方法のもうひとつ「2.実際に~」です。これは中級者ほど陥りやすい「上手い人ほど見ないで描く」という神話によるものです。

2022-04-06 19:18:06
小島昌之 @kojima_masayuki

「見ないで描く」を目指すことは良いですが、それを実現するには非常に多くの「見て描く」が必要です。それこそ数多の「見て描く」の先に「見ないで描く」が存在します。人にせよ手足にせよその他多くの事物・事象にせよ鮮明にイメージが浮かぶのでないのであれば今のあなたは「見て描く」べきです。 pic.twitter.com/KH0Qz42IG1

2022-04-06 19:25:20
小島昌之 @kojima_masayuki

ほとんどの人は「見ても描けません」。観察法を知り、読解し、何度も描いて自分の手と脳内に対象の姿を落とし込み「見れば描ける」になりましょう。「見さえすれば的確に描ける」時点で既に上級者の入り口です。その先更なる高みを目指すなら「見ないで描く」へと進むための研鑽を積むと良いでしょう。 pic.twitter.com/wTcCkez03G

2022-04-06 19:27:59

継続が最強

小島昌之 @kojima_masayuki

さて、長くなってしまいましたので最後に一つ。 「何であれ、継続出来てこそ。継続こそ最強」 どんなことでも継続することで成長や新たな発見が得られます。自分の出来る範囲で構いませんので続けられる形を模索してみてください。

2022-04-06 19:28:59
小島昌之 @kojima_masayuki

特に「絵を描く」という行為は無理して続けるくらいなら「描きたい」と思える時を待ち、場所を得て続けてもらえたら思います。仕事でないのであれば尚の事。上手くなることで得るものや見える世界があると同時に、失うものも実はあったりします。 絵を描く上で、上手くなることが全てではありません。 pic.twitter.com/00V8Ahxquq

2022-04-06 19:35:18
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まとめたひと
物書きモトタキ @motoyaKITO

まとめはツイッターランドの観測日記、「Not for me」の精神でいきましょう。サブカルが得意領域。