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ガラスのない美術館【 半・分解展 】を主宰。 Xでは18世紀〜20世紀初頭の個人コレクションを詳しく紹介します。 重衣料の構造が専門です。 仕事依頼はリンクから↓
1800年 「鑑賞用の寄生虫」とまで蔑まれた使用人 【フットマン】のコートを紹介します 「昔の派手な服かな?」で終わってしまうのは、勿体ないです 階級社会におけるフットマンのポジションは、使用人のなかでも特異なものでした 彼らの凄まじい生き様と、肉体的/精神的に支えたコートを探ります pic.twitter.com/Hz7wlK4lPT
2021-10-11 13:47:53元々は主人の乗る馬車に伴走して、走路の露払いをするのね! フットマン(ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95…) twitter.com/rrr00129/statu…
2021-10-12 00:42:34“観賞用の寄生虫” と酷評されたのはなぜ?
フットマンの評判は悪いです 映画や芝居でもトラブルメーカーは大抵の場合フットマンです 例えば、1855年イギリスで発行された「The Footman」の序文1ページ目にはこう書かれています "酔っぱらいは信用できない。朝の1杯は夜の2杯よりも身体に悪い、1杯飲むと元気になるかもしれないが結局は破滅だ" pic.twitter.com/wH2bKofddK
2021-10-11 13:52:501892年ナショナル・レビュー誌では ”フットマンは驚くほど酒をのみ、酒で死んでいく。彼らは鑑賞用の寄生虫にほかならない” なぜそこまで酷評されるのでしょうか? それはフットマンが他の使用人と違い「貴族のステータスシンボル」でしかなかったからです 見栄えさえ良ければ無能で構わないのです pic.twitter.com/0r9PW2PK9w
2021-10-11 13:57:54フットマンの仕事は「走ること・待つこと」でした 主人の馬車に並走したり、屋敷にくる客人を迎えたりしていました 女性メイドより金の掛かる男性使用人に派手な服を着させて雇うことは、それだけで富の誇示につながります いわばフットマンは、人間アクセサリーでしかありません pic.twitter.com/ZF5sFeY3rG
2021-10-11 14:04:20娯楽用とか観賞用と見なされた人間が蔑まれがちなのってなんでなんだろうな 居てほしいから雇ってるはずなのに… twitter.com/rrr00129/statu…
2021-10-12 09:41:08派手な装飾と機能性の高さ
フットマンの服は別名「リボンジャケット」と呼ばれ、ひときわ派手な装飾がつけられます 装飾のデザインは「馬車」に準じて決まりました 生地の色は馬車のボディと合わせ、リボンテープは馬車のエッジと同色に、そして釦は馬具の付属品に習います 馬車や馬具と調和するデザインにしたのです pic.twitter.com/a7AAkYpRs1
2021-10-11 14:09:511863年リッチフィールド伯爵が残した1枚の請求書にはフットマンのお仕着せ額が120ポンド(現在の価値で1,000万弱?)だったといいます したがって、新たなフットマンを雇う場合は、まず身長をチェックしてサイズが合うか確認しました フットマンは、身長が高ければ高いほど好ましいとされました pic.twitter.com/kLhEhChM7L
2021-10-11 14:16:30表地に対し、裏地は機能性が重視されます 走り、待つことが仕事のフットマンにとって寒さは天敵です 裏地にはウール混の起毛した暖かな生地が使われ、背中と袖だけは摩擦に強いリネン生地になっています 型紙の設計は貴族の着る服となんら変わらず、ほとんど同じ構造になっています pic.twitter.com/w5RfcQu2GI
2021-10-11 14:20:59馬車に並走するのか。フットマン。装飾付きの衣装ならそれなりに重いだろうに。そうとうな体力仕事なのでは。 twitter.com/rrr00129/statu…
2021-10-12 11:33:30フットマンのお仕着せで1000万って事は貴族が夜会や公式の場なんかで着るようなゴージャスな衣装は一体いくらくらいになるのか見当もつかないな
2021-10-11 14:24:32半ズボン+ストッキング+白髪(カツラor粉)という18世紀にみられたスタイルは、フットマンにのみ継承されて20世紀初頭まで残ります 下の者に「わざと前時代の恰好をさせる」というのは、紳士服における暗黙のルールなのです 半・分解展で、貴族と使用人の変遷を見ていただければ一目瞭然です pic.twitter.com/dmoKNECoqK
2021-10-11 14:27:16和訳されていて、読んでほっこりするのは「従僕ウィリアム・テイラーの日記1837年」です 当時の使用人が書き残した日記です 小さな館に奉仕しているので、ドラマなどに良く出てくる大きなカントリーハウスのドタバタ劇場はありません 丁寧でゆっくりとした、噛みしめるような内容が面白いです
2021-10-11 14:42:14