殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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読書・書籍

これまで書いてきた読書と書籍に関する記事です。

村上春樹が引用したマントラの出どころ/Where Haruki Murakami picked "Pain is inevitable, suffering is optional" from

"For marathoners, it's all in the mind; Picking the brains of elite runners" by Christopher Clarey at International Herald Tribune, Nov. 4, 2006.

わたしの20年の知的方向性を決めた本・佐倉統『進化論という考えかた』

目次 進化との遭遇 煽られたのがきっかけ 「ポータル」としての『進化論という考えかた』 進化との遭遇 わたしはいちおう進化生物学を専門にしていることになっている。*1 20年前に進化生物学にハマったのは明確に『進化論という考えかた』の影響だった。そ…

離乳食(補完食)についての経験・参考にした本

目次 補完食 参考にした本・2冊 考え方の本 カラーのレシピの本 フリージングトレイを利用しておかゆを冷凍 補完食の感想 補完食 産まれてからミルクや母乳を飲んでいた子供が育っておおきくなってくると、離乳食・補完食が始まります。 これは栄養をからだ…

『世界は時間でできている』への/からのベルクソン旅程・案

ベルクソンルートマップ(簡易版)平井靖史先生の『世界は時間でできている』があまりにも面白いので2周しました。ただし、「めっちゃ面白いから読んで。ハイッ」と誰かに渡しても、たぶんどこから取りついたらいいのかわからないかもしれないので、わたしの…

ベルクソン『物質と記憶』と『世界は時間でできている』を読み比べて

目次 古典というものの論争的な構成 現象としての「質」(クオリア)の性格づけ 記憶の性格づけ 純粋記憶はなにか まとめ 記述されたものは運動では決してない 実在している世界は見えているそのままである 『世界は時間でできている』を読むことで確実に理…

Walgreensのプライベートブランド品は避けることにしている

要約:米国ドラッグストアWalgreensのプライベートブランド品はやめとけ。「必要な機能」はあってもその他の面で不満・不安を感じることが多い。 米国で生活する上で避けては通れないのがドラッグストアである。もちろんドラッグストアなのだからどこの国に…

2023年9月Kindle月替わりセールを眺めて

注目 モダニズムのハード・コア―現代美術批評の地平 批評空間 第2期臨時増刊号作者:磯崎 新,柄谷 行人,浅田 彰,岡崎 乾二郎,松浦 寿夫,田中 純,丸山 洋志太田出版Amazonずいぶん昔にTwitter上で(まだTwitterだったときだ)この電子化復刊を喜ぶツイートが流…

「禁止語」というお作法(苅谷剛彦『知的複眼思考法』)

大学に入った頃に学んで、今も自分の基本的な思考のツールとなっているお作法に「禁止語」という考え方がある。苅谷剛彦『知的複眼思考法』にあったものだ。知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)作者:苅谷剛彦講談社Amazon もと…

BEASTARS読書会@アメリカ #1 マンガの読み方講座

今週は、だいぶナーバスになっていた。今日金曜日にBEASTARSの読書会が始まってしまうからだ。始まるまでずっとアタマの中でさまざまな思いがぐるぐると巡っていた。俺なんかが何を講義するっていうんだ、何を人様にエラそうに言えるんだ、という反面、もし…

お金は教養ではないのだろうか

先日のタンパク質立体構造記事がはてブにあがったので見に行ったときにこの記事が目に入った。shinsho-plus.shueisha.co.jpYoutubeに静かに広がっている、資産運用・投資・財テク・自己啓発を扱うチャンネルがある。ひとつならず結構たくさんある。わたしが…

首が回らなくなりつつある

今週は少し研究が止まった。止まっているというのは新しいことがどしどしわかるようなことがなかったことを言う。先週までの状況がちょっとイレギュラーだから気にする必要もないのかもしれない。具体的には先週までにわかったことのひとつをワードに原稿っ…

『限りある時間の使い方』

読んだ。あらゆるハウツウ本を爆砕する勇敢な本だ。限りある時間の使い方作者:オリバー・バークマンかんき出版Amazon 非常に重要なことが書かれている本だ、と私は思う。ただし、それを読み取るのは、残念ながら一筋縄ではいかない。この本に書かれているこ…

Barnes and Nobleへ

妻が書店に行きたい、といっていた。すっかり電子書籍で行きたいと思っているわたしは「えぇ……」と思ってしまう。かくいうわたしも、日本にいるうちは毎日書店が散歩コースになっていて、一日に1回以上、近所の書店を訪れていた。そんな折に、バーンズ・アン…

6年と9ヶ月ぶり・3回目・40歳・一家三人の米国留学

旧年中・12月26日に一家で渡米した。1月2日からオファーとなっている(ただ、振替休日のため、仕事開始は1月3日である)。いろいろと考えていたが*1、ここに来て研究が面白い。潮流としても、自分の手許の海域においても、また自分自身のスキルとしても、面…

団地とバランス釜と銭湯のリバランス

こういう記事を読んだ。t.coこの3年でふたつのURに住んだ。URというのは昔は母体の都市再生機構が日本住宅公団とよばれていたので公団住宅とも言われていますね。「団地」といわれている居住形態の、日本でもっとも広範に普及しているタイプの一つだと思いま…

ノーベル医学生理学賞をスヴァンテ・ペーボが受賞

スヴァンテ・ペーボは、ネアンデルタール人のゲノムを解読したグループの大ボス。このひとについてはだいたい3つぐらい覚えておくことがある。まず化石人類ゲノムの解読と現代人類との比較のインパクト。次にそれは「次世代」シーケンス技術の露払いでもあっ…

AI時代の知的生産の技術について

ecosystem 目次 ほぼ日手帳に万年筆で書く愉楽 ユビキタスキャプチャ アナログとデジタルのThin Red Line 動画共有サービスには動画音声を一括で書き起こしに変換する機能があるものもある 機械翻訳 Fixedテクストを電子テクストに即時変換するGoogle lens …

ベルクソン入門や時間入門である以上に、哲学入門:平井靖史『世界は時間でできている』

目次 はじめに まぎれもない哲学入門 『世界は時間でできている』の構成と特徴 自分がつまづいて、いまも頭を捻っている点 凝縮説とクオリア 記憶 人間(神経)中心主義ではないだろうか? 最後に はじめに 平井靖史先生の『世界は時間でできている──ベルク…

アーニャbotが進学校を中心に流行る現象を読み解いてみよう

参考② 高校生で流行する「アーニャbot」は進学校ばかり。知的な営みを楽しめる学力層だけがTwitterに居座り、それ以外の大多数のマス層はInstagramに移行しています。 pic.twitter.com/grF0Y9buKg— 東京高校受験主義 (@tokyokojuken) 2022年7月10日 元スレッ…

寝かしつけ・ねんトレと卒乳のリアル

目次 子供の入眠に右往左往 ねんねトレーニングの本 ねんトレと母乳 現在の入眠ルーティーン 卒乳は突然に 子供の入眠に右往左往 4月頃、子供の寝かしつけをめぐってかなり消耗していました。保育園通園、ならし保育がはじまり、妻も就職を控えて、子供の睡…

最前線というよりもベースキャンプ 橘玲『「読まなくてもいい本」の読書案内』

目次 知識のビッグバン以前以後 この本の「学問全体」や「最前線」以上の価値……「等身大」 21世紀に読書している人なら常識になっている、進化生物学やゲーム理論、脳科学の主要アイデアをまとめている。 「読まなくてもいい本」の読書案内 ──知の最前線を5…

ウクライナの苦境は〇〇から来ているのではないか 黒川祐次『物語 ウクライナの歴史』

目次 総合評価&あらすじ この本の特徴 ウクライナの歴史の特徴 印象に残ったこと 肥沃な穀倉地帯 コサック 隷属の謎 ウクライナをちゃんと知りたいひとにおすすめ 物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国 (中公新書)作者:黒川祐次中央公論新社Amazon …

『ガリア戦記』でわかるカエサルの3つの異能

目次 第一のスキル・スピード 第二のスキル・言葉 第三のスキル・土木 追記(突撃橋) ガリア戦記 (岩波文庫)作者:カエサル,近山 金次岩波書店Amazonガリア戦記を読むと、カエサルの持っていた最終兵器が「橋」だったことがわかる。なんかこう、カエサルは手…

『DIE WITH ZERO』のために望んだり叶えたりすることを訓練する

ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』読んだ。DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール作者:ビル・パーキンスダイヤモンド社Amazon 「若くて元気で体力があるほうが思い出いっぱい作れるよね」という至極当然だ…

【12/15までKindle 50%ポイント還元(実質半額)セール中】『毛 生命と進化の立役者』は細胞の運動と動物の進化をおしえてくれる

毛~生命と進化の立役者~ (光文社新書)作者:稲葉 一男光文社Amazon 『毛』は、生物の「鞭毛・繊毛」の重要性としくみを解説しています。コンパクトな新書サイズで、生物学の最重要課題のひとつである「うごく」ためのソリューションをめぐってわかってきた…

生まれてはじめて麻雀を打ってみたいひとに『マージャンも打てる!』

マージャンも打てる!~超初心者のための麻雀講座~ アナタも出来る!作者:やまなしレイAmazon 目次 この本の、ここが良かった マージャンを打てると何が変わるか 実際に麻雀を打つ この本の、ここが良かった この本は「打ったことのないひとが打てる」とい…

『LISTEN』大事だと言われるわりに意外にできるひとが少ない「聴く」こと

電車内の広告で目に入った本です。LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる作者:ケイト・マーフィ日経BPAmazon『LISTEN』。潔い題名です。しかもとても分厚い。500ページを超えます。でも、正直「それ、読む前から内容想像できない? 人の話を聞くのは大事…

怒りを手放す

怒りを手放したり克服したりということは大事だとよくいわれる。なぜ大事なのか。どう手放せばいいのか。誰がそんなことを言っているのか。有名なところであれば、アルボムッレ・スマナサーラ長老が上座部仏教の見地から書いた『怒らないこと』シリーズだ。…

大学生は大学の電子書籍コレクション絶対理解しろ

目次 大学図書館は電子書籍へのアクセスを導入している どういう大学でも購読しているのかはわからないが、アクセス方法含めて確認してみましょう 大学図書館は電子書籍へのアクセスを導入している 大学にもよると思いますが、大学図書館で電子書籍コレクシ…

SFは本来かなりナショナルなものか

「三体」シリーズを読み進めている 非常に長い小説だが読み始めると止まらない。いま、『三体III 下巻』を読んでいる。三体Ⅲ 死神永生 下作者:劉 慈欣早川書房Amazon シリーズとしてはこれが最終となっている。もうすこしだ。週末に読み終わるだろう。 そも…