既存プロジェクトでも Cloud Storage for Firebase の使用が有料に?
FirebaseのStorageは既存プロジェクトであっても無料で使えなくなってしまう!?
はじめに
2024年9月にCloud Storage for Firebaseの変更ということで以下のことが発表されていました。
Cloud Storage for Firebase を使用するには、プロジェクトが従量制の Blaze 料金プランに登録されていることがまもなく必須になります。Blaze の料金プランでも、引き続き無料使用枠をご利用いただけます。
2024 年 10 月 30 日以降、新しい Cloud Storage for Firebase デフォルト バケットをプロビジョニングするには、Firebase プロジェクトが従量課金制の Blaze の料金プランに登録されている必要があります。バケットでは、必要に応じて Google Cloud Storage に 「Always Free」階層を使用できます。
2025 年 10 月 1 日より、デフォルト バケットと他のすべての Cloud Storage リソースへのアクセスを維持するには、Firebase プロジェクトが従量課金制の Blaze の料金プランに登録されている必要があります。*.appspot.com のデフォルト バケットは、Blaze の料金プランでも、現在の無料使用量を維持します。
ソースはこちらのサイトに掲載されています。
https://firebase.google.com/docs/storage/faqs-storage-changes-announced-sept-2024?hl=ja
メールでも、2024年10月1日に、『[Action Required] Review new pricing plan requirements for Cloud Storage for Firebase』というタイトルで、Firebaseより同様の内容のお知らせメールが届いていました。
2024年10月30日以降、新しい Cloud Storage for Firebase デフォルト バケットをプロビジョニングするには、Firebase プロジェクトが従量課金制の Blaze の料金プランに登録されている必要があります。バケットでは、必要に応じて Google Cloud Storage に 「Always Free」階層を使用できます。
こちらの対応については、以下の記事で手順を含めて解説しています。
問題点
2025年10月1日より、デフォルト バケットと他のすべての Cloud Storage リソースへのアクセスを維持するには、Firebase プロジェクトが従量課金制の Blaze の料金プランに登録されている必要があります。*.appspot.com のデフォルト バケットは、Blaze の料金プランでも、現在の無料使用量を維持します。
さて、問題はこちらの2025年10月1日からの対応です。
2024年10月30日からの対応については、新規のプロジェクトへの仕様だったのに対し、こちらの2025年10月1日までの対応は「Cloud Storage リソースへのアクセスを維持するには」という文章のとおり、現状のプロジェクトにおいて対象になります。
もう少し詳しく書かれた文章が、「2024年9月に発表された Cloud Storage for Firebase の変更に関するよくある質問」という以下のQAページにあります。
https://firebase.google.com/docs/storage/faqs-storage-changes-announced-sept-2024?hl=ja
現在、無料のSparkプランで特に指定なく Cloud Storage を利用している人の多くは、PROJECT_ID.appspot.com のデフォルトバケットだと思います。
そのバケットへのアクセスを維持するには、2025年10月1日までに Blaze プランへのアップグレードが必要だということですね。
そして、アップグレードしなかった場合についても、以下のように言及されています。
PROJECT_ID.appspot.com デフォルトバケットへの読み取り/書き込みアクセス権が失われるということです。
それだけでなく、Firebaseコンソールからバケットを表示したり、データにアクセスすることもできなくなってしまいます。
アプリやWebサービスでStorageを使っている場合は、途端にアクセスできなくなってしまい、致命的な障害に繋がる可能性があります。
対処方法
前述のとおり、既存のプロジェクトにおいても、2024年10月1日以降は、Blazeプランへアップグレードする必要があることがわかりました。
つまり、2025年9月30日までには少なくとも対応しておくべきでしょう。
そこで現在無料のSparkプランで利用している人にとって、気になるのは無料枠の点です。
知らない間にコストがかかってしまっているという状況は必ず避けたいところです。
改めてFirebaseの料金プランを確認しましょう。
https://firebase.google.com/pricing?hl=ja
見る項目は *.firebasestorage.app の欄です。
そして更に注目すべきポイントは以下2つです。
- 無料枠の上限が、Sparkプランと異なる部分がある
- 無料枠は、us-central1、us-west1、us-east1 リージョンのバケットでのみ利用できる
現状使用している *.appspot.com バケットの欄と見比べればわかりますが、
保存できる容量は5GBと変わらないものの、ダウンロードサイズと、ダウンロード・アップロード件数の上限が異なります。単位も日ごとから月ごとに変わっています。
そして、その無料枠を使えるのは、Always Freeの対象になっている、us-central1、us-west1、us-east1 リージョンの3つのバケットでのみ利用できるということです。
Note: No-cost quotas are only available for buckets in the following regions: us-central1, us-west1, us-east1.
この点に注意しておきましょう。
無料枠の上限が、SparkプランとBlazeプランで異なります。
既存のプロジェクトにおいて、運用状況を把握し確認することが重要です。
少し簡略化しますが、プランごとの無料枠の上限をまとめると以下の表のとおりです。
項目 | Spark | Blaze |
---|---|---|
保存容量 | 5GB | 5GB |
ダウンロードサイズ | 1GB/日 | 100GB/月(約3.3GB/日) |
ダウンロード件数 | 20,000件/日 | 5,000件/月(約166件/日) |
アップロード件数 | 50,000件/日 | 50,000件/月(約1666件/日) |
特にダウンロード・アップロード件数に差があることがわかります。
既存のプロジェクトにおいて、ダウンロード・アップロードのアクセス件数が多い場合には、Blazeプランにアップグレードした後に、上限を超えて課金される恐れがあるため特に注意が必要です。
忘れないうちになるべく早くBlazeプランにアップグレードしたほうがよいと言いつつも、無料枠の上限を超えてしまうおそれがある場合には、2025年9月30日までに見直せる部分は見直すとよいかもしれません。
Blazeプランへのアップグレード手順に関しては、以下の記事に記載の2024年10月30日以降の新規プロジェクト作成時の場合と同じのため、こちらを参考にしてもらえればと思います。
まとめ
こういう有料化に向けた改変って複雑でわかりにくい部分が多いですよね。
早めにスケジュールをお知らせしてくれてはいるものの、英文のため読み飛ばしてしまったり、ついつい後回しにして忘れてしまったりしがちです。
すぐに対応するか、きちんとカレンダーに記録するなりリマインダーを登録しておくことをおすすめします。
プロジェクトによっては他にも気をつける点があるかと思いますので、以下のページなどを参考にして対応ください。
https://cloud.google.com/storage/pricing?hl=ja
https://firebase.google.com/docs/storage/faqs-storage-changes-announced-sept-2024?hl=ja