HD-2D版「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」を長期休暇にまとめて遊ぶ人が知っておくべきこと
2024年11月14日に発売したドラクエ3のリメイク版(HD-2D)の
変更点・新要素・新機能などを含めた一気プレイヤー向けまとめ
変更点・新要素・新機能などを含めた一気プレイヤー向けまとめ
はじめに
2024年11月14日に発売となった「HD-2D版 ドラゴンクエストⅢ」。
発売後に実際プレイして判明した情報など、SFCリメイクをはじめとした過去作からアップグレードされた部分に特化してまとめた記事は以下にあります。
発売から1ヶ月以上経った今、巷で話題なので、はじめてだけどプレイしてみようかなという人や、年末年始のまとまった長期休暇を利用して一気にドラクエを楽しみたいという人のために、あまりネタバレのないように、ドラクエ3HD-2Dリメイク版の魅力や、新要素や変更点をまとめます。
ドラクエⅢ HD-2Dリメイク版を十分に楽しむために
1. どのハードで遊ぶのがよいか?
ドラクエⅢ HD-2Dリメイク版は、ニンテンドースイッチ、プレイステーション5、XBOX、PC(STEAM)と様々プラットフォームで遊ぶことができます。
もちろん手元にあって一番馴染みのあるプラットフォームを選ぶのがよいでしょうが、複数の中から選択できる場合には、どのプラットフォームがより楽しめるか気になるところです。
発売前であれば、予約特典の違いがあったりしたので、それによって迷うユーザーもいましたが、現在では予約特典は関係ないため、実際にプレイしたユーザーの声が参考になります。
ユーザーの声によると、以下のようにまとまります。
画質にこだわりたい。ロード時間を気にしたくない。といったパフォーマンス重視のユーザーはプレイステーション5か十分なスペックのPC(Steam)が相応しいでしょう。
逆にいうと、その他の機種では、少しフィールドと街などの場面の切り替わりのロード時間が多少長く感じたりする人がいるようです。とはいえ比較した人による感想なので、気にならないという人がほとんどだったりします。
ニンテンドースイッチやSteamDeckなどは、気軽に持ち運びができるので、隙間時間にレベル上げをしたいという人にとっては携帯ゲーム機の方が合っているでしょう。
また、今作は音もかなりリッチになっているので、イヤホンやヘッドホンを使うことでより没入感が得られることでしょう。その点でも携帯機器の方が扱いやすいという人もいるかもしれません。
こだわりたいところを重視して選ぶようにしましょう。
2. クリアまでの目安時間はどのくらいか?
過去作をプレイしたことがある人は、クリアまでの所要時間はだいたい30時間程度です。
何の事前情報もなく、初めてプレイするという人は、40時間以上は見ておいた方がよいでしょう。
ただし今作では、ストーリーのクリア以外にも楽しめる要素はあるため、十分に遊ぶとしたら更に時間は上乗せされます。十分にゲームを楽しむためにも、余裕を持って時間を確保しましょう。
また、後述しますが、今作はグラフィックもかなり美しくなっていますし、ストーリーも旧作よりぶ厚くなっており、ムービーなどの演出も豪華になっています。
発売後すぐにクリアしてしまったユーザーの口からは、もっとワンシーンワンシーン噛み締めて、ゆっくり楽しみたかったという声も出ています。
できれば時間を気にせずに没入した楽しみたいところです。
その時・その瞬間の美しさを堪能できれば、満足度もかなり上がることでしょう。
3. 取り返しのつくこと・つかないこと
RPGというストーリー展開のあるゲームの特性上、後戻りできない要素というものは少なからずあります。
といっても、ドラクエ3に関しては今作においても致命的なものというものはなく、後戻りできるものがほとんどです。
したがって、取り返しがつかなくならないように攻略サイトを見ながら必死に解く必要はありません。
ただ、とはいえ、後戻りが面倒と感じる一面もあります。いくつか分けて紹介します。
サブクエスト
その大きなものは、「ちいさなメダル集め」と「はぐれモンスター保護」です。
攻略サイトや攻略本を見て必死にコンプリートを目指す必要はありませんが、道中訪れるダンジョンや街、ひみつの場所などに隠れる「ちいさなメダル」や「はぐれモンスター」をなるべく逃さず回収したいところです。
後からでも取り返しは可能ですが、弱いモンスターを相手に過去に攻略したダンジョンなどを歩くのは少し億劫になるものです。
攻略の情報がなくとも、準備をしていれば、十分ストーリーに乗った状態で「ちいさなメダル」や「はぐれモンスター」の必要な分の回収はできます。
そのためにはパーティーに「盗賊」と「まもの使い」の職業のキャラクターを加えることです。
「ちいさなメダル」の回収には、盗賊の特技「とうぞくのはな」と呪文の「レミラーマ」が有効です。
「はぐれモンスター」の保護には、パーティーにまもの使いがいるだけで十分です。
パーティー2枠を埋めてしまうことにはなりますが、盗賊の「とうぞくのはな」と「レミラーマ」は覚えてしまえば転職しても問題ありませんし、まもの使いは攻守ともに活躍でき、開発者からも新しい職業ということで少し強く設定しているというお墨付きがあるため、パーティーにいて問題ないでしょう。
サブストーリー
今作では旧作では語られなかった勇者の父「オルテガ」に関するストーリーが追加されています。
オルテガの人柄がわかるエピソード追加とのことで、街の人々から得られるオルテガのエピソードが増えていたり、回想シーンが織り交ぜられたりしています。
その中で、通常であれば見ているであろうシーンも、気を抜くと飛ばしてしまっているという可能性があります。
ストーリーが進みすぎて新たなフラグが立つと、その前に立っていたフラグで見られたシーンがスキップされてしまうという恐れがあります。
本編にはさほど影響はないのですが、せっかく本作で追加された要素を見逃す可能性のあるケースが2つくらい思いつきます。
勇者本人になったつもりで、ここではこの行動が自然だろうという考えで、素直に行動していれば問題ないかと思います。
転職
転職について、一番効率の良いムーブなどが攻略サイトなどで紹介されていたりします。
これに乗っかってパーティーメンバーを育成するのも楽しみのひとつです。
ただし、賢者に転職できるアイテム「さとりのしょ」には数に限りがあります。
このことを知って効率のよい転職をしなければと必死になる場合は、少しプレイに縛られてしまいもったいない気がします。
こうしなければという呪縛によって取り返しのつかない転職にしたくないと考えている人は、あまり気にしなくともよいです。
「さとりのしょ」の全体数は旧作よりも増えているということが堀井雄二氏から語られていますし、更に救済措置もあります。
長い目で見たら取り返しのつかないことにはなりませんので、気の向くままに転職しちゃいましょう。
4. 楽しみたいポイント
1HD-2D技術によるグラフィックの進化
1-1HD-2Dグラフィックの採用
なんといってもHD-2D技術によるグラフィックの美しさは最高です。
フィールドに表示される街や城、ダンジョンなどは、旧作では単一のアイコンでしたが、今作ではその内観・外観を含め一つ一つ仕上がっています。
そして背景画像には3DCGを使用しているのに対し、モンスターやプレイヤーなどのキャラクターはドット絵(ピクセルアート)という形を採用することで、見た目は近代的な技術で表現できる美しさがありつつ、ドットのどこか懐かしい要素も残しているという素晴らしいバランスであることが、このHD-2Dの魅力です。
特に水や光の表現はかなり美しく、リッチなグラフィックは物語全体を通して満足度に関わるところでしょう。
その他にも、スクウェア・エニックスの開発チームによると、夕方の景色やルイーダの酒場の外観(テラス)のガラスが半透明で透ける表現や、部屋の中にある絵画など細部にもこだわりを持って制作しているそうです。
また、空を飛んだときに遠くの地形まで見渡せる表現は、パフォーマンスを落としてでも実現したかったようですので、本当にHD-2Dの素晴らしさを実感しながら冒険できるとよさそうです。
フィールドや街、建物の中のマップ自体も旧作に比べ大幅に広くなっていますが、敵の遭遇率やプレイヤーの移動速度もバランス調整されており、全く違和感がありません。
1-2グラフィックのエフェクトや音響効果が充実
BGMは「東京都交響楽団」によるオーケストラ音源により、映像と音楽の美しさの相乗効果があります。
細かいエフェクトにもすごく気を配っています。
夜の村では、虫の音や鳥のホーと鳴く音が聞こえたり、水辺に近づけば、チョロチョロ水が流れる音が大きくなります。風の音も聞こえたりします。
地下ではネズミがうろついていたり、鳥が飛び立つ演出もあったりして素敵ですね。
カメラのフォーカスのような効果も見られます。
遠近影の背景がぼやけて、キャラクターにフォーカスが当たっていることがわかります。
また、ダンジョンなど暗いところでは、先頭のキャラクターが明かりを持つようになり、より臨場感があふれる演出となりました。
フィールドから街などのエリアにはじめて訪れたときには、最初にその街の名前の表示と、上から眺めるようなムービーが入るようになりました。
たまたま夜に訪れましたが、朝なら朝のムービーになります。
是非ストーリーを進めながらも、グラフィックの美しさや細かな演出にも目を配りながら旅を楽しんでもらえればと思います。その素晴らしさに感動しながらプレイできればより満足感が高まるかと思います。
2キャラクターのバリエーションUP
2-1新職業「まもの使い」が追加
前述していますが、今作では新しい職業「まもの使い」が追加されました。
「まもの使い」は上級職ではないので、初期メンバーからパーティーに組むことができます。
今回の「まもの使い」は、ドラクエ5のようなモンスターを仲間にできるわけではありませんが、こちらも前述したとおり、他の職業よりも少し強めに設定されている職業です。
新しい要素であるはぐれモンスターの保護にも有効です。
そして、まもの使いのもうひとつの特徴として、特技の一部を今までのドラクエシリーズにはない特殊な覚え方で覚えるということがあります。
様々な特技を覚える「まもの使い」ですが、特技の覚え方はレベルアップだけではなく、保護したモンスターの数に応じてでも覚えます。
なお、保護したモンスターの数に応じて特技を覚えるということで、他の職業からまもの使いに転職したときはどうなるのかが気になりますよね。
その場合、1回戦闘すれば達成分をまとめて習得することができます。
2-2キャラクターにボイスが追加
基本的にドラクエの主人公はしゃべらないポリシーであるので、主人公については戦闘シーンかけ声、呪文などに限られますが、主人公の母やアリアハンの王、ルイーダやバラモスをはじめとしたボスキャラなどストーリーに大きく関わる登場人物には、基本的にボイスが適用されています。
2-3仲間の見た目などカスタマイズが可能
仲間の名前や職業を決めたら、ルックススタイル、見た目、髪色、声を選択することができるようになりました。
ルックスA・Bそれぞれで、装いを変えた見た目を4種類から選べるようになりました。
髪色は14種類から、声は18種類から選べます。
ルックスA、ルックスBのそれぞれの見た目は以下のとおりです。
あとは、ここに賢者が加わります。
このように新職業が追加になったことはシステムとしても効果が大きく、キャラクターの見た目や声をカスタマイズできることで、より思い入れが強くなり、育成のしがいも出てくるのではないでしょうか。
3従来なかった呪文や特技が追加
旧作には一部の移動系しかなかった特技ですが、今作では攻撃系など戦闘中にも使える特技が大幅に追加され、どの職業も必ず特技を覚えるようになりました。
これからプレイする人に向けては、是非覚えた特技はすぐ使ってみてほしいということです。
今作で本当に多くの特技が増えたため、覚えても使う機会がなかった特技というのも出てきたりします。
特に戦闘をオートにしていると、あまり補助系の特技は使わないことが多く、せっかく覚えた特技が宝の持ち腐れ状態になってしまいます。
序盤〜中盤に覚えた特技は、終盤ではダメージが少なくて使わないなんてものもあるため、冒険のリアルタイムで使わないと、その後全く使わなくなってしまいます。
特に盗賊が覚える「ねむりアタック」「しびれアタック」「らせん打ち」など、攻撃にプラスして付加効果のある攻撃などはあまりオートで使われません。
是非、覚えたての特技を積極的に使ってみましょう。
4はぐれモンスターを保護してモンスターバトルロードにチャレンジ
4-1各地に潜む「はぐれモンスター」を保護するシステムが追加
前述したとおり、今作では世界各地にいる魔性が消えたモンスター(はぐれモンスター)を保護するはぐれモンスター保護システムが追加になりました。
パーティーとして連れて行くことはできませんが、モンスターじいさんに保護してもらって、モンスターバトルロードというモンスター同士が戦う場で活躍することができます。
町中やダンジョン、ひみつの場所など様々な場所にはぐれモンスターは潜んでいます。
ちなみに、昼に見つかる魔物もいれば、夕方や夜に見つかる魔物もいて、時間帯によっても保護できるモンスターは変わります。
4-2保護したモンスターを戦わせる「モンスターバトルロード」が追加
「モンスターバトルロード」が新要素として追加されました。
バトルロードとは、保護したモンスターでパーティーを組み、相手チームのモンスターと勝ち抜き戦形式で戦わせ、ランクに応じて賞金やアイテムを獲得するというバトルシステムです。
ランクはHランクからGランクとどんどん上がっていき、初勝利すると賞金・賞品がもらえます。
参加したら、自分の保護したモンスターを3体登録します。
準備ができたらいよいよバトル開始です。ランクごとに3回〜4回戦うことになります。
戦闘中は直接指示することはできず、さくせんのみ設定可能です。
多くのゴールドと貴重な装備品を獲得できる機会ですので、ストーリーに関係はないものの楽しみのひとつとして活用できればよいと思います。
まとめ
今作はファミコン時代のドラクエ3と比べるとかなり優しい作りになっており、サクサク冒険を進められるようになっています。
装備品を購入するにも、それほどゴールド残高に困ることは少なくなっていますし、そもそも良い装備品をフィールド上のお宝スポットで拾えることも増えました。
全滅したとしても、以前はゴールドが半分になって最後にセーブしたところに戻される仕様でしたが、今作ではそれに加え、再戦することもできますし、最後にオートセーブされたところから再開することもできます。
特に既にクリアしたユーザーややりこんだユーザーからの声として多いのが、HD-2Dの世界を十分に噛み締めて楽しんだほうがよいということです。
イベントごとに発生するムービーや、訪れる場所ごとの美しい景色など、ゆっくり味わうことをすすめます。
そして従来なかったストーリー・エピソードが追加されていますし、その演出も美しいので、勇者に感情移入して、ドラクエ3の世界観に入り込んで冒険を進めることをおすすめします。
旧作をプレイしたことがある人も、記憶をなくしたつもりでプレイすると、ものすごく新鮮に感じられることでしょう。
※その他画像
参考
公式サイト:
https://www.dragonquest.jp/roto-trilogy/dq3/index.html
https://dragonquest.square-enix-games.com/games/en-us/dragon-quest-123-hd2d-remakes/#dq-1-and-2
公式X ドラゴンクエスト宣伝担当 記事:
https://x.com/DQ_PR/status/1831165362219647188
ニンテンドーダイレクト:
https://www.youtube.com/watch?v=rBGC63j5VJU
さいごに
HD-2D版「ドラゴンクエストI&Ⅱ」も2025年に発売予定ということで、ロトシリーズ3部作のHD-2Dリメイク版をプレイする日が楽しみですね。
発売後に実際プレイして判明した情報など、SFCリメイクをはじめとした過去作からアップグレードされた部分に特化してまとめた記事は以下にあります。
ドラクエ3の世界の地名の由来・モデルとなった現実の国についてのまとめ記事は以下にあります。