こんにちは。 id:skozawa です。
こちらの記事は Gunosy Advent Calendar 2024 の 24 日目の記事です。 昨日は上村さんの 「LLM で Web 検索を効率化!- Web 検索エージェントとブラウザ拡張によるアプローチ」 でした。
背景
Gunosy にはエンジニアマネージャー(EM)とテックリード(TL)、リードエンジニア(LE)という役職があります。 LE については以前に定義しましたが、EM と TL については役割分担が明確化されておらず、EM に負荷が集中しがちになるという課題があったため、役割を見直すことにしました。 EM と TL の役割を再定義し、TL は役職から役割に変更しました。 また、それに伴いキャリアパスを見直すことにしました。
エンジニアのマネジメント領域
エンジニアのマネジメント領域の分け方にはいくつかあり、 プロダクト、テクノロジー、チームの 3 領域をエンジニアマネジメントトライアングルという形で表したり(エンジニアリングマネジメントトライアングルの考察:序)、 強い EM、弱い EM という定義のもとにプロダクト、プロジェクト、テクノロジー、ピープルの 4 つ領域で表したりしています(エンジニアリングマネージャ/プロダクトマネージャのための知識体系と読書ガイド)。
今回は上記を参考にして、役割定義をするにあたり、以下の 5 つのマネジメント領域に分けて利用することにしました。
- プロダクトマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- テクノロジーマネジメント
- チームマネジメント
- メンバーマネジメント
TL の見直し
EM の役割に大きな認識の差はありませんでしたが、TL のイメージが人によって異なっていました。 これまでは、TL は技術力が高い人というイメージが強かったのですが、TL に求めたいのは技術力だけではありません(技術力も大事です)。
エンジニアのためのマネジメントキャリアパス にも、以下のような記載があり、
テックリード ≠ チームで最も優秀な、あるいは最も経験豊富なエンジニア
テックリードが最優先しなければならないのは「プロジェクトを推進するため、常に対局的な視点を失わないこと」
テックリードの主な役割として以下が挙げられています。
- システムアーキテクトとビジネスアナリストとしての役割
- プロジェクトプランナーとしての役割
- ソフトウェア開発者兼チームリーダーとしての役割
そのため、Gunosy では TL を「EM と並走するサブマネージャー」という位置付けにしました。 また、TL を役職から役割に変更することで持ち回りで役割を担えるようにし、後進育成への柔軟性も高めるようにしました。 Gunosy での TL は、スタッフエンジニア で定義されているテックリードと似ていますが、スタッフエンジニアのような上級エンジニアではなく、もう少しライトな位置付けとしています。
EM と TL の役割定義
EM と TL で、5 つのマネジメント領域を以下のように割り当てました(一部を表に載せます)。 実際には EM と TL のそれぞれのスキルに応じて分担し直したり、役割を超えたマネジメントも期待しています。
主なポイントとしては以下の 2 点ですが、EM と TL がお互いの特徴を活かしあって協力することが大事になります。
- TL と EM で協力してプロジェクト、チームマネジメント
- テクノロジーマネジメント、チーム・メンバーの技術力向上は TL が主体的に行う
キャリアパスの見直し
EM と TL の役割を見直したため、キャリアパスも見直しをしました。 もともとは EM もしくは TL に分岐するパスを想定していましたが、EM の前段階として TL を経験してもらうパスに変更しています。
変更した意図としては以下となります。
- できるだけ EM も TL も経験できるように
- EM としてキャリアを築くにしても、TL としてキャリアを築くとしても、それぞれの役割を理解し相互に連携できることがチームとしては重要になる
- 段階的に役割を担えるように
- 自身の役割範囲を徐々に拡大してもらう
大枠のパスの見直しはしたものの、まだキャリアラダーの整備などはできていません。 キャリアラダーやガイドラインなどを参考に検討していきたいです。
- Gunosy エンジニア行動指針をつくりました - Gunosy Tech Blog
- Engineering Ladder | メルカリエンジニアリング
- Introduction | Engineering Ladders
- EMロール職位ガイドライン v1.0 | Notion
まとめ
EM と TL の役割を見直し、段階的に役割を担ってもらえるようにキャリアパスも再設計しました。 まだ運用を開始したばかりのため、改善を進められればと思います。
明日は引き続き、私から SRE の役割委譲の話をしたいと思います。お楽しみに!