asken テックブログ

askenエンジニアが日々どんなことに取り組み、どんな「学び」を得ているか、よもやま話も織り交ぜつつ綴っていきます。 皆さまにも一緒に学びを楽しんでいただけたら幸いです!

「クリフトンストレングス®」から自身の3年間の変化をふりかえる

はじめに

「ふりかえり」がとても好きなエンジニアリングマネージャーの羽鳥です。
この記事は、「株式会社asken (あすけん) Advent Calendar 2024」の25日目の記事です。

早いものでもう年末ですね。2024年もあと数日で終わるということで、1年が過ぎる早さに驚いています。2025年を迎えるにあたり、ここらで少し長い目線で自分自身についてふりかえってみようと思いました。ただ、ふと「ただふりかえっても」という気持ちが心に過ったため、「クリフトンストレングス®」に焦点を当てて自分自身を内省してみることにしました。

そのため、チームや組織のふりかえりというよりも、個人(私)の内省にフォーカスした内容になっています。自分自身の成長や変化を知ることについて興味がある方に届きましたら幸いです。また、今の自分自身を知るために「クリフトンストレングス®」に興味が湧く方も増えましたら嬉しい限りです。

クリフトンストレングス®とは?

「クリフトンストレングス® (旧名 : ストレングス・ファインダー®)」は、米国のGallup社が開発したオンラインの自己分析ツールで、個人の強みとなる「才能」を発見するためのものです。177の選択式質問に回答することで、34の資質の中から自分の特性を明らかにし、自己理解や成長に役立てることができます。

このツールは、個人の強みを見出し、それを活かして成果を上げることを目的としています。Gallup社の公式サイトでは、クリフトンストレングス®の詳細や実施方法について紹介されていますので、興味がある方がいましたら是非公式サイトを見てください。

asken でのクリフトンストレングス®の活用

asken では、入社後に必ず「クリフトンストレングス®」を受け、メンバーが自分自身の強みを知るという動きがあります。また、ストック情報を管理している Notion に社員のプロフィールぺージがあるのですが、そこに受けた結果を貼ることで、誰がどのような強みを持っているのか見える化を図っています。

「なぜ必ず受けているのか?」と思われるでしょうが、これには理由があります [*1]。

asken では、組織づくりの活動の一環として、ピーター・M・センゲの著書『学習する組織』を下地にした内部セミナーが存在します。活動の中で学習する組織の中の「5つのディシプリン」である「自己マスタリー」について学ぶのですが、この学びのステップの1つに弊社では「自分の強みを知る」というものがあります。この「自分の強みを知る」という活動を社員が同じ軸で実施するために、全員がクリフトンストレングス®を受けているということです。

なぜクリフトンストレングス®を再び実施したのか?

さて、ここからが本題です。

この12月で asken に入社してから約3年半程経ちました。2021年5月に asken に入社してからさまざまなことがありました。初の転職、自社プロダクト開発は未経験、その中での新規事業部(医療事業部)への配属、DTx という未知の領域へのチャレンジ、右も左もわからない中で多くの経験学習がありました。責務もひとりのバックエンドエンジニアから、プロジェクトマネージャー、スクラムマスター、エンジニアリングマネージャーと変化し、成果の出し方や動き方にも変化がありました。そして、今年の下期からは別の事業部に異動となり、わくわくするような変化の多い毎日を送っています。

入社時の結果は以下の通りでした。

  • 2021å¹´5月当時の上位資質
    • 共感性
    • 収集心
    • 原点思考
    • 慎重さ
    • 学習欲
    • 回復志向
    • ポジティブ
    • 責任感
    • 公平性
    • 調和性


結果を見ると「共感性」が最も上位であり、次いで「収集心」「原点思考」「慎重さ」「学習欲」と続いていきます。その当時も結果を見て、一定の納得感のようなものがありました。強みについてしっかりとした言語化をしていたわけではないのですが、自身が得意だと感じているものや大切だと感じているものと一致していると感じていたと思います。

今年に入り、「自分は変化できているのだろうか?」という問いが自分自身の中で何度も浮かびました。

ハードスキルという意味での変化はもちろんですが、ソフトスキルやマインドといった部分での変化が自分自身の中で起きているのだろうか、という点に漠然とした興味と不安がありました。そのため、3年半程経った今現在の自分自身を知るために「クリフトンストレングス®」を再度実施してみることにしました [*2]。

見えてくる 3年半の変化

さて、3年半程経ち、私の強みはどのように変化したのでしょうか?
受けた結果以下のようになりました。

  • 2024年の上位資質
    • 学習欲
    • 原点思考
    • 個別化
    • 運命思考
    • 成長促進
    • ポジティブ
    • 分析思考
    • 回復志向
    • 責任感
    • 親密性


「上位10の資質」を比較してみると、「個別化」「運命思考」「成長促進」「分析思考」「親密性」が新登場し、その代わりではないですが「共感性」「収集心」「慎重さ」「公平性」「調和性」が退場しています。他の資質にも変化がありそうです。それぞれの変化を少しわかりやすくするために、何がどの程度上下したのかを整理したものが下表です。


各資質の上下動

2021年と2024年で、それぞれの資質がどれだけ上下しているか見て取れると思います。正直なところ、再実施する前は資質の大きな上下動はないだろうと思っていました。ところが、「慎重さ」「公平性」「共感性」「収集心」「運命思考」など、前回の位置からプラマイ23~19も動いているものがあり、自分が想定していた以上の変化があったことに驚きました。

大枠として 3年半の変化が見えてきたところで、実際に何があったのかふりかっていきましょう。

変化の理由を内省する

34の資質すべてに対して1つ1つ変化をふりかえるのは流石に大変であるので、「上位10の資質」をピックアップしてふりかえりました。その結果が以下の通りです(コメントが細かいので拡大してみていただけると幸いです)。


ふりかえり - 全体像

個々の資質について「なぜ変化したのか」コメントを入れながら考えたのですが、全体としてひとりのバックエンドエンジニアからチームを巻き込んで旗を降るリーダーに、そしてエンジニアリングマネージャーへとキャリアを歩んだことが大きく影響していそうだと感じました。

過去(2023年2月)に DevLove にて「ニューリーダーズ 漸進し続ける新人開発リーダー達」というイベントに登壇させていただいたことがありました。そういえばと思い、その当時の資料を読み返したところ「学んだ大切なこと」として以下の言葉が出てきました。

  • チームが悩みに向き合い解決するために、「仕組み」や「場所」を設計していく
  • チームの成長を自分の成長のように喜び、チームの成長に感謝することが大切

前者は「原点思考」「分析思考」「回復思考」と関係がありそうですし、後者は「成長促進」「親密性」に関連がありそうです。この頃から少しずつ資質に変化が起きていたのかもしれません。

また、医療事業部に所属し、エンジニア文化とは異なる文化を持つメンバーと共に目標を追っていたことも影響しているのではないかと思っています。具体的に言えば、チームの中に医師の方や管理栄養士の方がいたり、医療機器という一般的な toC プロダクトとは少々異なる経験を持つメンバーがいました。こうした方々と対話を繰り返していく中で、当たり前ではあるのですが「価値観」の違いに気づくことが増えました。そして、それぞれの価値観の違いをただの対立にしないために奔走した経験から、「運命思考」が上位資質に上がってきたのだと思います。

上位資質から消えた「共感性」「収集心」「慎重さ」「公平性」「調和性」資質についてですが、個人的にはこれらを失った、不得意になったとは考えておらず、自身の中でのウェイトが相対的にただ下がっただけであると考えています。本来は強みを表すものであるため、ウェイトを下げるという捉え方はおかしいのかもしれませんが、3年半程を経て得意でなくなるというのもなんだかしっくりはきませんので、そういうことにしてみています。

正直なところ下がった理由についてはとても心当たりがあるのですが、私自身の恥ずかしい葛藤や苦難の思い出も含まれ、かつ書くとかなり長くなりそうですので、今回は割愛させていただきます。すいません。

さてさて、あまりにも長いと読んでいる側も疲れてくると思いますので、ここらでまとめに入ろうと思います。

おわりに

asken には「いつまでも育ちざかり」というバリューがあります。


asken - バリュー

個人的にはですが、「育ちざかり」になるためには目標だけではなく「個人の内省」や「チームや組織でのふりかえり」が重要だと日々感じています。現状を言語化し、目標を言語化し、そのギャップを言語化し、どこまでそのギャップが埋まっているのかを定期的に観ていく必要があります。そのためには、ふりかえりがとても重要です。

今回は「クリフトンストレングス®」に焦点を当てた「個人の内省」でしたが、「クリフトンストレングス®」に限らずとも内省することはできると思います。例えばですが、「意見」「経験」「感情」「価値観」という「認知の4点セット」で自分の内面を可視化する方法もあります。

バリューに記載されている「大きな成果」を達成するためには個々人の変化、つまり成長が大切です。ぜひみなさんも自身の変化を知るために、今年の最後にふりかえりをしてみてはどうでしょうか?


askenでは「いつまでも育ちざかり」なエンジニアを募集しています。
採用情報 — 株式会社asken (あすけん)

*1:実施意図は複数あるのですが、今回は詳細は割愛させていただきます

*2:短い期間で何度も実施するものではないという意見もあるそうですが、今回は前回から3年以上経過しており、かつ環境変化もあったため、実施してみることにしました