2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小峯敦「貧困から福祉への昇華:歴史制約下にあるベヴァリッジの理念の普遍性」

福祉国家理念の完成者であるベヴァリッジについての国際的にも評価が高い研究者、小峯敦さんの最新のペーパー。今日的な含意で田中が理解すれば、それはまさにリフレ(デフレ停滞から低インフレ状態の完全雇用へ)と福祉制度の維持可能性の回復、という「普…

後藤和智『「若者論」を疑え!』、下田博次『学校裏サイト』、渋井哲也『学校裏サイト』

東洋経済新報社が学校裏サイトの本を出しているので興味を魅かれて購入。ついでに晋遊舎新書の同題名の本も。ちょっと積んどいた後藤和智氏の本も一緒に読む。 『「ニート」って言うな!』への批判も評価も拙著(『不謹慎な経済学』第6章)で書いたので再説…

UNIQLOCK新ガールズ

アイドルに詳しいと噂されて困っている田中です。一番のファンの白木あゆみ嬢を推せばいいものを、今年年始の雑誌『TV Bros』では敢えて二番手の石津悠をアイドルランキング一位にしたこともありました。自分でもなんでそんなことしたかわかりません。いま流…

経済学史学会大会報告集

昨日、拝受。読んでみて特に興味を抱いたのは藤田菜々子氏のケインズとミュルダールの人口論、それに松野尾裕氏の賀川豊彦論。 前者はケインズとミュルダールが人口減少による需要不足(このブログではそれはクルーグマン論文で馴染み深い構図)による経済停…

松尾匡さんの書評集成2008春

お知らせをいただきましたのでご報告します。拙著もとりあげていただき感謝いたします。http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay_80428.html いまざっと読みましたが、後藤文夫とポルポト(実はシアヌーク論)を反経済学的発想による政治経済学(マル経とは関係な…

東郷雄二『打たれ強くなるための読書術』

速読術関連で読む。速読術に関しては漢字かな混じり文の縦書きが読むのが一番早いという統計的推測が紹介されている。なるほどこれは実感としてはありますね。もっともこれも習慣によってかなり変化するそうだから。これは速読で重要なのは視線の移動であり…

ミドリカワ書房「OH!Gメン」

数田恵美旋風が小さく当ブログを吹き荒れている今日ですが、その関連で検索していて「ミドリカワ書房」さんという方の存在を以下のブログで知りました。http://d.hatena.ne.jp/headless_pasta/20080429 オフィシャルブログをみると『日本以外全部沈没』のエ…

本山美彦『金融権力』

ケインズの不確実性がサブプライム危機に直面する世界経済を覆っている。しかしこの危機は今般のグローバリズムの進展が必然的にもたらした、リスクテイキングの行き過ぎ(投機経済)に基づく。この投機経済のイデオロギー的背景は、ミルトン・フリードマンを…

ブログパーツ&読書術

あれ? UNIQLOCKのブログパーツ、昼間は図書館でおなじみの四人組の新ヴァージョンだと思ったら、なんか夜は新四人組? しかも前の四人組の白木あゆみ嬢だけでているような気が? 8人に増えたのかな? (追記)あ、1時間交替なんだ さて「田中は速読術を体得…

池谷裕二『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』

ウケた。笑。怖いくらい通じるカタカナ英語の法則―ネイティブも驚いた画期的発音術 (ブルーバックス)作者: 池谷裕二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/01/22メディア: 新書購入: 12人 クリック: 279回この商品を含むブログ (42件) を見る

朝河貫一カンファレンス2007の記録

うっかり紹介したつもりになっていたもの。浜田宏一先生、ワインシュタイン、ローゼンブルースらの論説は要注意http://research.yale.edu/eastasianstudies/japanworldprogram.pdf またワインシュタイン&ブロダの「中国発デフレ否定」論文の以下も重要。 Ex…

文芸社、草思社を再建支援

このニュースにいまさら気がついた。ちょっと驚く。 http://www.soshisha.com/ :草思社の出版活動について高く評価してくださっており、この支援については、草思社の出版活動の独自性を尊重することと、既刊書すべてを従来どおりに販売することという条件…

齋藤誠「株式市場は「正しく墜ちきろ」」

明日発売の『週刊東洋経済』を一足早く読む。巻頭の齋藤氏の経済を見る眼の主張は相変わらずの「清算主義」的発想での論説。 「「底値になるまで市場に任せろ」などと主張すると、政策当局者や経済人には暴言としか聞こえないだろう。しかし、「投機」という…

パヴァーヌを追いかけて鏡の国へ

昨日の『パヴァーヌ』ネタをしばし考えていたらいつの間にか鏡の国に来ていたよ。笑) 以下の木下信一さんのHPの記事は参考になったので(たぶん有名でしょうが改めて)紹介。 日本のサブカルチャーにおける《ルイス・キャロル=ロリータ・コンプレックス》…

谷川俊太郎・内田義彦『言葉と科学と音楽と』

ご恵贈いただく。どうもありがとうございます。本書は三部構成になっていて、音楽論、広告論、そして日本語論について、詩人と経済学史研究者との真摯な対話の記録。いまの僕の関心に合う音楽論と日本語論を含めて、あっという間に読了。言葉と科学と音楽と―…

注目すべきブログ記事

econ-economeさんの「原油価格の剥落効果が進んだ場合の物価への影響」 http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20080426/p1

『近代日本の万能人 榎本武揚 1836-1908』

加藤寛、速水融、佐藤優氏らによる外交、政治、経済など日本の近代開始期における榎本の再評価をめぐる熱い対論を付した、まさに意表を突く好企画。献本いただきありがとうございます 近代日本の万能人 榎本武揚作者: 加藤寛,山本明夫,速水融,佐藤優,童門冬…

山崎元さんとゴキブリエールを交わしてきた

というわけでさっきまで一緒に飲み会。山崎さん秘蔵のゴキブリTシャツをプレゼントいただき、着るもよし、旗にしてもよし。近日中にここで公開したいと思います。笑。他の出席者が豪華で、書評を書かせていただいた『誘拐逃避行』や『セックス・ボランティア…

亡き王女のためのパヴァーヌ

映画『転々』を見ていたら「福原さん」が聞いていたので。この映画はよかった。そのうち韓流映画ブログの方に感想書く予定。 ちなみに『パヴァーヌ』ときたらキース・ロバーツを最初に思い出すオレは変ですか、そうですか。 パヴァーヌ (サンリオSF文庫)作者…

不平等と経済成長

最近、まとめて読んでて影響を強くうけてるのがAcemogluの一連の業績。後で原稿書きが一段落したら紹介する予定。とりあえず一番短くまとまってるものだけリンクhttp://www.nber.org/reporter/winter03/technologyandinequality.html

丸尾末広・江戸川乱歩『パノラマ島綺譚』

傑作。パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX)作者: 江戸川乱歩,丸尾末広出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2008/02/25メディア: コミック購入: 5人 クリック: 88回この商品を含むブログ (83件) を見る

奥野正寛編『ミクロ経済学』

ミクロ経済学の中級テキスト。個人的な印象としては、ここhttp://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080409#p5で先に紹介した永田ら著『ミクロ経済学』の方が好きなのだが、母校愛かな? 笑。 ミクロ経済学作者: 奥野正寛出版社/メーカー: 東京大学出版会発売…

注目したブログ記事

栗原裕一郎さんの「誰がラッセンを求めたか」が非常に面白い。http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20080422#1208830217 そういえば僕も80年代のどこかで銀座に会社があったのでよく綺麗なお姉さんたちがキャチをしてたの見たなあ。栗原さんの論説は80年代のひ…

?? 去年受賞した例のもの

ようやく本物を見つけた。

バイオニック・ウーマン感想&Battlestar Galactica

米国版DVDで全8話、夜寝る前にちょびちょび見続けてポータブルDVD機で視聴完了。第1話から第3話だったかな、前半部分のダークな雰囲気のまま突っ走るべきだったと思う。そこまでは特殊効果もよく工夫されていたが、後半の4話は予算不足(どう観てもパリ…

外山滋比古ブームをきっかけに(世界を編集する、という妄想を抱いていた頃)

外山先生がブームみたいだ。『Voice』の最新号にもそのお姿を拝見することができるし、一番驚いたのがこのブログでもつい数日前におススメした『本を読む本』を、僕は全然わからない人なのだが(でも拙著を献本したんだけども 笑)勝間和代さんという人が推…

全裸で銃(ガン)をもつ危険なやつ―ゴードン・リー事件と『The Salon』

boxmanさんのブログのエントリーから アメリカの警察や検察は暇だとしか思えない http://d.hatena.ne.jp/boxman/20080328 :2004年のハロウィーン、ゴードン・リー(Gordon Lee)のコミックショップ「レジェンド・オブ・ローマ(Legends, of Rome, GA)」は…

ブログの現実と非現実の間

ベントレーの経済学の第二法則いわく、 「経済学者よりも危険なただひとつの存在はアマチュア経済学者である」 …‥ ベルタの経済学レントの第一法則いわく、 「アマチュア経済学者よりも危険なただひとつの存在は経済学者である」 orz

人気者!高橋洋一論説収録『環』フェスティバル実施中

在庫僅少とのことでこの際に宣伝します。 ・「社会保険税」である保険料の無責任な運用と、バランスシートの悲惨な実態に迫る! 「公的年金に未来はあるか 」高橋洋一ほか収録の税に関する貴重な諸論考を収録。 税とは何か (別冊環 (7))作者: 神野直彦,田中…

東京河上会会員とネタ(企画)募集中

東京河上会は、戦前の日本を代表する知識人・経済学者であった河上肇の業績と活動を顕彰する目的に結成された、創立40数年を迎える会です。田中はその東京河上会で幹事(代表幹事は住谷一彦立教大学名誉教授、他幹事数名、運営母体は藤原書店)をやっていま…