本人も理由が分からぬまま、不登校状態に陥ってしまう子供たちが数多く存在しています。そんな生徒たちに、我々大人はどう接するべきなのでしょうか。そしてその「解決法」は?今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では彼らへのケアを紹介するとともに、不登校に対応した制度の改革を求めています。
不登校に対応した制度改革を
現代の学校の抱える問題を、新聞等の記事から拾ってみると、いじめ、不登校、虐待、発達障害、体罰、教師によるセクハラ、教師の長時間労働などが目に付きます。
少し前になりますが、以前相談を受けた子が東京に来ているというので会いに出掛けました。大学生になったその子に加えて、一緒に来ていた大学生の友人が二人。その同級生の一人は、高校まで不登校だったと話していました。
「不登校の間、自分でもどうなるんだろうって、とても不安だった。布団から出ようと思っても、起きるのが辛くて、寝てるだけだったなぁ。でも、自殺したら『十倍苦しくなるんだ』って親が言うから、絶対に死なないって決めてた」
「よく出てきたね。何かあった?」
「よくわかんない。なぜかわからないけど、気がついたら動けるようになってた」
私たちのところにはいじめ以外にも不登校の相談も入ってきますが、不登校の相談は本当に難しいと感じています。私の年代の頭の中には、
「学校にはいかなければならない。不登校は悪いことだ」
「学校に行かなければ勉強もできない。働くこともできない」
という先入観が染み付いています。だから「学校に通えるようにしてあげたい」と思ってしまいがちです。しかし、そう簡単には解決しないというのが現状です。
何より学校にいけなくなった原因を本人がわからないことが多いのです。
いじめによって不登校になっている子たちは、ある意味で原因がわかっていますから加害者の子が謝罪したり、加害者の子が学校からいなくなったり、自分が転校したり、先生たちが守ってくれて安全な空間が生まれたりすることで学校に戻ることができるようになることもよくあります。つまり、「いじめられなくなる」ことが確信できたら復帰できるのです。
いじめや友達関係以外にも不登校になる原因は様々です。相談事例から拾ってみますと
- クラスに溶け込めない
- いじめられている子を見たくない
- 担任と合わない
- 海外の学校の方が良かった。戻りたい
- 親がうるさい
- 長期間休んだので、戻るのが恥ずかしい
- 勉強がまったくわからない。行くだけ無駄
- 学校が荒れていて、クラスが学級崩壊している
等々、多種多様な理由を抱えています。中には、相談電話を受けて次の日から学校に行けるようになったという事例もありますが、あくまでも特例ですし、奇跡レベルです。特に、原因が不明の場合は、得てして長期戦になりやすいと感じています。また、いじめが原因であっても、すでに不登校状態が何年も続いているような場合などは簡単には解決しないものです。