不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

購入時6000万円のタワーマンションが1億円以上に値上がり。売り時を逃さず売却/東京都新宿区Kさん(50代)

東京都新宿区Kさん(50代)/購入時6000万円のタワーマンションが1億円以上に値上がり。売り時を逃さず売却

住んでいたタワーマンションが、購入時の倍に値上がりしたKさんは、売却と住み替えを決めました。専任媒介契約を結んだ1社目の販売活動がふるわず、2社目に変更した後、1億1980万円で売却。何件もマンションを売却してきた経験から、不動産仲介会社を見極めることができました。

不動産区分 マンション
所在地 東京都新宿区
築年数 約10年
間取り・面積 2LDK(60m2)
ローン残高 なし
査定価格 1億1000万円~1億1500万円
売り出し価格 1億1480万円
成約価格 1億1980万円

購入時の倍に値上がりしたマンション。売却して住み替えることに

東京で一人暮らしをしていたKさんは、2015年ごろ、住んでいたマンションの相場価格が購入当初の価格より、約3割も値上がり(2015年当時)していることを知り、売却を意識しはじめました。

東京都新宿区にある60m2・2LDKのタワーマンションで、2012年の新築時に6000万円で購入。最寄駅からは徒歩5分でした。

「富士山に沈む夕日が見えてとても気に入っていて、ずっと住むつもりで購入したのですが、当初から、この物件は値上がりするだろうと思っていました。折り込みチラシをチェックしたり、インターネットの不動産情報サイトをブックマークしたり、ずっと値動きに注意を払っていましたが、予想以上に値上がりし、2020年ごろにはついには購入時の倍になったので、住み替えを決めました」

タワーマンションの売却を決意

今までの売却経験から、販売実績、担当者の能力を見極める

何度かマンションの売却を経験してきたKさんには、不動産仲介会社を選ぶ際のポイントがありました。

「まず、数社をピックアップするのですが、不動産情報サイトに写真が入った広告をたくさん載せている不動産仲介会社であること、自社ホームページが見やすく充実していること、担当者のプレゼン能力の3点です。今回も3社を選んで直接連絡をとり、訪問査定をしてもらいました」

査定額は1億約1500万円を上限に500万円の幅がありました。Kさんは、査定価格が高く、タワーマンションの販売事例が数百件ある大手不動産仲介会社に決めました。

1社目の販売活動がふるわず2社目と媒介契約を結び、希望額で売却

2021年8月に不動産仲介会社からの提案で専任媒介契約を結び、1億1480万円で販売を開始、2022年1月までチラシ配布や不動産仲介会社のホームページなどで販売活動をしましたが、売れず、「新鮮味がなくなったから」と、2022年の1月末に2社目の不動産仲介会社と専任媒介契約を結びました。

「2社目で売り出し価格を決めるとき、自分から1億1980万円で売りたいと担当者に申し出ました。条件は、住み替え先のマンションが完成したあと(2022年3月)に引っ越すので、それまで引き渡しを猶予してもらうこと。コロナ禍だったので、内見は、購入する確率が高そうな人に限るように担当者にお願いをしました」

すると、値上げをしたにもかかわらず、10件の内見があり、翌月には1億1980万円での売却が決まりました。先方からの条件はなく、Kさんの条件を了承してもらい、2022年3月に住み替え先に引っ越したあと、物件を引き渡しました。

売却は不動産会社選びが肝、しっかりしたサービス・保障のある所を選ぶ

売却期間は、想定通り、売却価格は当初の希望に約500万円が上乗せされる価格になりましたが、「その後の値動きを見ていると、ピークはもう少し先だった」と冷静なKさん。今までの売却活動でおおむね満足の結果を得てきたKさんに、不動産仲介会社選びの秘訣をたずねると、「仲介手数料の割引に惑わされないこと」と教えてくれました。

「仲介手数料が割引だとお得に感じてしまいますが、その分、サービスや保障が少ないだけのこともあるのです。今回選んだ2社とも割引はありませんが、写真をプロカメラマンが撮ってくれるサービス、不用品を片付けてくれるサービス、物件に不具合が出たときの修理保障などが充実していました。仲介手数料の金額だけで選ぶのではなく、サービス内容とあわせて検討するべきですね」

以前のマンションに住んでいたころは、これ以上気に入る場所はないと思っていたKさんですが、今のマンションも暮らしやすく、住み替えたことに満足しています。

「広めのテラスがお気に入りです」とKさん。住み替え先のマンションの価格は、売却して得たお金の半分ほど。ゆとりのある暮らしを楽しんでいます。

2015年ごろ ・売却を意識し始める
2020年秋ごろ ・住み替え先を探し始める
2021年ごろ ・簡易査定を依頼する
・訪問査定を依頼する
2021年6月 ・住み替え先が決定する
・住み替え先の売買契約を結ぶ
2021年8月 ・1社目の不動産会社と専任媒介契約を結ぶ
・販売活動の開始
2022年1月 ・2社目の不動産会社と専任媒介契約を結ぶ
2022年2月 ・購入者が現れる
・売買契約を結ぶ
2022年3月 ・住み替え先に引っ越し
・物件の引き渡し

まとめ

  • 不動産情報サイトをブックマークして値動きを調べ、売り時を探る
  • 不動産仲介会社は、自社ホームページの見栄えや検索しやすさも確認する
  • 手数料の割引だけで決めず、販売活動の内容やサービスの充実度をチェックする

取材・文/内田優子 イラスト/杉崎アチャ

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