龍争虎闘 小覇王の選ぶ対決映画ベストテン!
またちょっと間が開いてしまいました(4月全然映画観てないんだよ〜。新作観てないなら観て感想書いてない奴書けやって話ですが追々)。そして間が開いた時はそうです。わっしゅさんのベストテン企画で再開です。今年の前半企画は「対決映画」!(タイトルは「燃えよドラゴン」からだけど「燃えよドラゴンはランクインしてません)
対決というと蘇我馬子と物部守屋とか、平清盛と源義朝とか、武田信玄と上杉謙信とか、柏戸と大鵬とか、長嶋と王とか、馬場と猪木とか。時代を彩るライバル関係が思い出されます。映画でもアクション映画の類は大抵主人公だけでなく悪役も魅力的でなければ作品自体が面白くはならず、その意味でほとんどの映画は「対決映画」と言えないこともないのですが、ただ今年はわっしゅさんの定めたルールがちとキツい。
- 今回は、タイトルを重視します。タイトルに、対決する両者の名前が明記されているものが対象となります。
- 『ゴジラ対メカゴジラ』は入りますが『メカゴジラの逆襲』は入らない、というのを基準にしてください。
- 洋画/邦画、実写/アニメ、劇映画/ドキュメンタリーなどの区別は問いません。
- ただし、あくまで「映画」に限ります。テレビドラマ、テレビアニメ、ネット動画などは対象外となります。
- タイトルで謳われているキャラクターたちが、作中で実際に戦っていなくてもかまいません。
- 実際に観た内容がスットコドッコイだったとしても、タイトルを見た瞬間のときめきが印象的であれば、選んでOKです。
- 迷ったときには当ベストテンの大原則である「迷ったら入れる」を採用してください。
この「タイトル重視」というのがネックになってなかなか決まりませんでした。もちろん例えばその気になれば東宝怪獣映画の中から10作、とかスーパー戦隊VSシリーズだけで選ぶ、とかも全然可能なんですが、さすがにそれでは面白みがありません。なので試行錯誤しながら選んでみました(それでもだいぶ偏りあるけどね)。
- ゴジラVSメカゴジラ(1993年 大河原孝夫監督 日本)
- フレディVSジェイソン(2003年 ロニー・ユー監督 アメリカ)
- キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014年 アンソニー&ジョー・ルッソ監督 アメリカ)
- 侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!(2010年 中澤祥次郎監督 日本)
- 続・夕陽のガンマン(1966年 セルジオ・レオーネ監督 イタリア)
- スター・トレックⅡ カーンの逆襲(1982年 ニコラス・メイヤー監督 アメリカ)
- キングコング対ゴジラ(1962年 本多猪四郎監督 日本)
- フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年 本多猪四郎監督 日本)
- ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年 湯浅憲明監督 日本)
- 北国の帝王(1973年 ロバート・アルドリッチ監督 アメリカ)
先述した通りアクション映画なら大抵は主人公と敵役の対決映画といえるんですが、ここではあくまで「主人公格」同士による対決を重視(そうは言えないのもありますが)。例によって一シリーズ一タイトルとしましたが、ゴジラに関しては昭和ゴジラと平成VSシリーズで別枠ということに。タイトルにそれぞれのキャラの名前が入っているというタイトル縛りが今回のルールですが、スイマセン、最後の「北国の帝王」だけはどうしても入れたくて10位という形で特別エントリーさせました。もしルール違反ということであれば9位までで計算して頂いて結構です。
特徴としては今回はタイトル縛りのせいもあって邦画が多いですね。それとやはり怪獣映画。それではそれぞれの作品を簡単に解説。独立した感想記事がある場合はそちらへのリンクも。
ゴジラVSメカゴジラ(1993年 大河原孝夫監督 日本)
平成VSシリーズ第5弾。本来は一応シリーズ最終作として制作されていて、この後、シリーズはアメリカのトライスター版(エメゴジ)へ引き継がれるはずでした。結果としてトライスター版の製作が延期され、じゃあその間にシリーズ延長しよう、となってこの作品が最終作とはならなかったのだけれど、そんなわけでシリーズ最終作として気合の入った出来栄え。
メカゴジラは昭和シリーズのものと違って流線型となり、また宇宙人の地球侵略兵器からゴジラを模した人類の対ゴジラ兵器へ(「ゴジラVSキングギドラ」で出てきたメカキングギドラの残骸が基になっている設定)。デザインの好みはあれど新しいメカゴジラを創りだしました。ちなみに生頼範義によるイラストのポスターはまだメカゴジラのデザインが決定する前に描かれたもので、昭和メカゴジラとも本編に登場したメカゴジラともまた違った格好良さがあります。
僕の個人的な思い出としては、公開時お子様たちがいっぱいいる劇場で観たのですが、メカゴジラが圧倒的な力でゴジラを痛めつけているシーン、すでにその時点でお子様たち(ゴジラやラドンに肩入れ中)が泣いたり応援したりしていたのですが、途中で機材トラブルでフィルムが停止、今まさにゴジラが殺される!というシーンでスクリーンが真っ黒になったため、劇場は子供たちの泣き叫ぶ声で阿鼻叫喚の地獄と化したのでした。そんな部分も含めて思い入れ深い作品。
シリーズはこの後、トライスター版の製作延期を受けて2作作られましたが、もうなんかやる気があんまり感じられない出来となってしまいました(特に「VSスペースゴジラ」)。なので個人的シリーズ最終作はやはり本作なのです。
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フレディVSジェイソン(2003年 ロニー・ユー監督 アメリカ)
多分明確に今回の趣旨に合致している作品。それぞれ独立したホラー映画の主人公を対決させる企画。比較的監督の個性が強くでて快作の多い「エルム街の悪夢」シリーズに対して凡作も多くなった「13日の金曜日」シリーズを「エルム街の悪夢」のニューラインシネマが権利獲得。すぐに共演ではなくきちんと「13金」シリーズを立ち直らせてからの満を持しての対決。フレディとジェイソン、それぞれの出自と個性をきちんと活かした上で最後は肉弾戦、という黄金の構成。どちらかと言うとジェイソンをヒーローに、フレディの悪巧みを打ち破るという感じか。「貞子VS伽椰子」はこの作品を反面教師にした、と監督は言っていたようだけど、個人的にはこの「フレディVSジェイソン」の足元にも及ばない出来だと思います。
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キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014年 アンソニー&ジョー・ルッソ監督 アメリカ)
MCUの対決映画というと「シビル・ウォー」のほうが相応しいとは思うんですが(なんたってアベンジャーズを二分しての全面対決)、タイトルの関係で「ウィンター・ソルジャー」の方を。いや、でもキャプテンアメリカ(スティーブ・ロジャース)とウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)の戦争中からの互いの関係など対比も見事で立派な対決映画だと思います。「ウィンター・ソルジャー」はサブタイトルではなくキャップと並ぶもう一つのタイトルロールと言えるし。
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侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!(2010年 中澤祥次郎監督 日本)
スーパー戦隊VSシリーズはオリジナルビデオとして始まったのだけれど、この1作前「劇場版炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー」から劇場版となり現在に続いています。基本はその年放送中、現役の戦隊と前年の戦隊が共演するこのシリーズ。シリーズの中では「特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャーTHE MOVIE」が一番出来がいいとは思うのだけれど、個人的にはこの「シンケンジャー」と「ゴーオンジャー」の共演作が好きです。というか「シンケンジャー」が非常に評判良く、そのせいか対象年齢低めに作られた「ゴーオンジャー」は逆に不当に低い評価を受けていたと思うのだけれど、この共演作では見事に両作の個性がスイング。「ゴーオンジャー」が決して駄作ではなかったと証明した部分でも高く評価したい作品です。敵役の害統領バッチードやガイアーク三大臣のその後、とかゴーオンジャー側のキャラが光る。
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死んだら終わりなのではない。辞めたら終わりなのである!ジ・ニ・ン!
続・夕陽のガンマン(1966年 セルジオ・レオーネ監督 イタリア)
邦題は特に「対決映画」と言う感じではないですが原題は「Il buono,il brutto,il cattivo(イタリア語)」「The Good,the Bad and the Ugly(英語)」で「良い奴、悪い奴、醜い奴」と登場する三人のアウトローの属性を表しているので良しとしましょう。何度かこのブログでもエントリを書いていますが、やはりクリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラックの3人の個性が最高で、特にラストの三つ巴は映画史に残る名シーン。エンリオ・モリコーネのスコアも最高!
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スター・トレックⅡ カーンの逆襲(1982年 ニコラス・メイヤー監督 アメリカ)
スペースオペラシリーズ「スタートレック」からは2作目のこちら。哲学的に過ぎ、あまりヒットしなかった前作「TMP」から一転、TVシリーズからの人気悪役優生人類カーンを登場させた娯楽大作。カーンはのちにケルヴィンタイムラインの「スター・トレック イントゥ・ダークネス」でも出てきましたが、ベネディクト・カンバーバッチ演じるカーンと比べてリカルド・モンタルバン演じるカーンは情熱の男。カークへの復讐心も露わにエンタープライズを追い詰めます。宇宙船同士による戦闘も見どころ。物語は3作目「ミスター・スポックを探せ!」4作目「故郷への長い道」へと続く形を取るけれど、単独でも十分楽しめる作品です。
こちらは別のカーンが登場する「イントゥ・ダークネス」の記事。
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キングコング対ゴジラ(1962年 本多猪四郎監督 日本)
以前の「筋肉映画」でもランクインした怪獣映画の金字塔。アメリカのキングコング、日本のゴジラの堂々たる対決。前作「ゴジラの逆襲」にもアンギラスが登場してゴジラと戦うわけですが、この時点ではまだ「怪獣プロレス」と言われるような(ともすれば揶揄される)感じではありません。ここからゴジラに人気怪獣をぶつけるという路線が確立されます。元々はウィリス・オブライエンの企画がまわりまわって日本で映画化された作品でタイトルもキングコングが先に来ているようにどちらかと言えばキングコング主演といえるかもしれません。今後はモンスターバースの中で「Godzilla VS Kong」が予定されています。
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フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年 本多猪四郎監督 日本)
僕はツイッターのプロフィールに「フランケンシュタイン大好き」と書いているぐらい(といっても好きなのは主にメアリ・シェリーの原作のほうなんだけど)なので「フランケンシュタインもの」も大好きです。前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」の続編(といっても直接続編というよりは一応関連あるよってぐらい)。双子の巨人怪獣サンダとガイラが戦う。見た目はほぼ一緒ながら山の怪獣で人間に育てられた心優しいサンダと、海の怪獣で人間を食らうガイラの対決。東宝自衛隊といえばこれ!というメーサー殺獣光線車もこの映画がデビュー。
ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年 湯浅憲明監督 日本)
ガメラシリーズからは過去に「続編映画」として「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」を選んだけれど、好きなのはむしろこっちかな。日本人と外国人の子供のコンビ、東宝怪獣とは一味違ったデザインの宇宙怪獣バイラス、勧善懲悪のストーリー、そしてガメラマーチ!と昭和ガメラの定番が揃った作品。個人的に平成3部作の出来の良さは認めつつ、好きなガメラ作品といえば圧倒的に昭和ガメラです!
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北国の帝王(1973年 ロバート・アルドリッチ監督 アメリカ)
今回唯一タイトル縛りのルールから外れた作品。邦題は原題をそのまま訳したものなので、あくまでタイトルロールはリー・マーヴィンのA・ナンバーワンを指します。でも敵役となるアーネスト・ボーグナインのシャックの存在感も半端無く、言ってみれば互いに特にメリットもデメリットもないけどプライドだけの問題で相手を出し抜く物語ですからやはり主役二人の対決映画といっていいでしょう。
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惜しくも選外、という感じなのは「ルパン三世 ルパンVS複製人間」と「マジンガーZ対暗黒大将軍」あたりでしょうか。「VS複製人間」は「カリオストロの城」より好きな「ルパン三世」なんですが今回は入らず。一方「マジンガーZ対暗黒大将軍」は作品自体は大好きなんですが、タイトル重視で言った場合本当の主役剣鉄也とグレートマジンガーがないがしろっぽい気がして選びませんでした。
というか「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」がもっと文句なしの傑作だったらこんなに悩むことなかったんだよ!(それなりに好きな作品です)