侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー銀幕BANG!!
見てきたぜ!「侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!」
TVシリーズの感想は先日のこちら、
天晴れ!!侍戦隊シンケンジャー - 小覇王の徒然はてな別館
ガンマンワールドにて蛮機族ガイアークの害統領バッチードを追い詰めたゴーオンジャー。しかしバッチードの罠にかかりそれぞれが別の世界に飛ばされてしまう。
シンケンジャーがいつものように出撃するとそこにいたのはあやかしではなくガイアークだった。立ち向かうシンケンジャーの前に現れたのはゴーオンレッドこと走輔だった。
バッチードは全てのワールドを一気に汚すことが可能な「バッチリウムプラント」を完成させるため外道衆と手を組む。プラントの起動には三途の川の水が必要だし、バッチードなら三途の川の水を次元移動させることが出来るからだ。走輔とシンケンジャーはバッチードと戦うが丈瑠と走輔を除き他のメンバーも別のワールドに飛ばされる。シンケンジャーとゴーオンジャーは再び結集することが出来るのか?そしてバッチードの野望を阻止できるのか?
話はアクマロが存命で既にサムライハオーが登場してることから第三六,七幕あたりのエピソードと推定。十蔵と薄皮太夫はアクマロの食客やってて十蔵は裏正ではなく別の刀を使ってます。
まずはシンケンジャーとゴーオンジャーの個性の違いが上手く生かされてる。シンケンジャーが「殿」と「家臣」という縦型(といっても家臣の4人は横並びだけど)なのに対しゴーオンジャーは司令官やリーダーすら特にいない究極の横並び戦隊。レッド同士も水と油なわけでそれが見所であります。ゴーオンレッドはその戦い方をシンケンレッドに「素人」と論破されるけど確かTVシリーズの時もゴーオンウィングスが出てきた時に似たようなこと言われてたよね。今回はゴーオンジャーの方が先輩なのに互いのキャラクター性もあってシンケンジャー(というか丈瑠が)の方が先輩風。ただ、レッド同士のキャラの違いを明確に出したから途中、互いに「北斗龍撃虎」と「南斗虎破龍」で戦うシーンが生きる(分かる人は分かるよね)。ゴーオンジャーは銃が中心だし、シンケンジャーは刀なので殺陣を成立させるのがとても難しいと思うんだけどとても格好良く出来てる。
ガイアークはTVでは害地、水、気大臣などが出てきてラスボスが総裏大臣ヨゴシマクリタインなわけだから、きっと君主がいるに違いない、と思ったら出てきたのは害統領。ガイアークの政府はどういう機構になってるのでしょう?復活したヨゴシュタイン、キタネイダス*1、ケガレシアの三人はTVシリーズであんな最期を遂げたわけだしどう絡むのかな、と思っていると
「三途の川の底でぬくぬくとしたいでおじゃる」
とバッチードに協力拒否。源太の寿司屋を食い逃げして出番は終了するのであった。ふう。
負けたら終わりなのではない。
辞めたら終わりなのである。
ジ・ニ・ン!
それぞれのワールドでの活躍も見せ場。連と軍平、ことはと千明が飛ばされたサムライワールドはゴーオンジャーの劇場版やTVにも出てきた世界。ことはの町娘姿やそれに惚れる軍平、岡引の手に渡ってつい調子に乗るダイゴヨーなどが楽しい。
ヒューマンワールドにプレゼントを届けるサンタがいるクリスマスワールドでは須塔兄弟と茉子と源太。すぐ仲良しになって世界に溶け込む女子チームに比べ、レッド同様同じ色なのに真逆の二人の対比が面白い。
でも少ないながら一番笑ったのは早輝、範人、流之介が飛ばされたジャンクワールド。文字通りガラクタしかない世界で一人ぼっちの流之助とその流之介が早輝たちと出会ったときの落差が楽しい。
ところで、この劇場版には新戦隊の「天装戦隊ゴセイジャー」が出てくる。僕は過去にこちら
特撮ヴィランは及川奈央で決まり!仮面ライダーMOVIE大戦2010 - 小覇王の徒然はてな別館
で、作品の最後に新ライダー「仮面ライダーアクセル」が登場して物語をすっきり終わらせてくれないことを批判した。だからこちらに関しても、事前に出てくることは知ってても登場のしかたによっては批判は免れないだろうと思っていた。結果としては「ライダー大戦」ほど酷くはない。物語的には漁夫の利を得ようとするアクマロ、十蔵、薄皮太夫をゴセイジャーが人知れず止める(目撃者はダイゴヨーのみ)、という流れで、決して本筋の邪魔をしてないから。とはいえあまり好ましくないのは確か。TVは映画の宣伝ではないし映画もTVの宣伝ではないので、映画は映画できちんと完結させて欲しいからね。
これを見ると「ゴーオンジャー」はけっして失敗作ではなかったと確信できる。今回はゴーオンジャーあっての展開が多かったし(勿論別の戦隊だったらそれはそれでちゃんと話は成立するんだろうけどね)、何より子供たちが喜んでた。いくらシンケンジャーが傑作とはいえ毎年やるんだからそればかりではダメなのだ。そのつど違うテーマ、モチーフでやるから色々挑戦できるのである。
さてこっからは、「シンケンジャー」の感想のブログを紹介。
山本弘のSF秘密基地BLOG:ありがとう、そしてさようなら『シンケンジャー』
山本弘先生のブログ。大体同意ではあるのだが、一部気になるところが、
また、戦隊ものに限らず、昔の特撮番組の脚本は、「子供向け番組なんかやりたくないけど、お仕事でしかたなく書いている」といった感の漂う、ぞんざいなものが多かった。それに対し、近年の脚本は、本当にこのジャンルを愛してるんだなあと感じさせるものが多い。
これは具体的に書いてくれないとちょっと納得いかない。少なくとも上原正三や伊上勝が「仕方なく書いてい」た、とは思えない。そりゃ全てが傑作ではないにしろ少なくとも当時子供の僕は十分楽しんだ。本当につまらないものは大人以上にまず子供に通じないものだ。それに「昔」というのもいつのことなのだ。60年代かそれとも「戦隊ものに限らず」と書いてるから80年代のこと?できればこの辺を詳しく聞きたい。
次は罪山さん。
『シンケンジャー』で実存主義を学ぶ - 俺の邪悪なメモ
シンケンジャーで哲学を学ぶ!wいつものようにおちゃらけながらもしっかり、楽しく書いています。
シンケンジャー、感想 - extra innings
非常に読みがいのある記事。セットから脚本まで色々と。
侍戦隊シンケンジャーを見たか?
こちらは全話を画像入りで詳細に解説してます。ストーリーを確認したりするのに最適ではないでしょうか。
ただ、全体的に(自分の記事も含めて)大人が見ても楽しかった、という視点が多く、本来の視聴対象の児童が見てどうなのかというのが抜けてるのは気になる。僕も気をつけよう。山本先生なんかはゴーオンジャーを見てないようだけど児童には人気あったんだし。
さて、これでシンケンジャーともしばしのお別れ。来年の「ゴセイジャーVSシンケンジャー(仮)」まで会えないのか、と思ったら何と6月にオリジナルビデオが発売されるみたいですね。楽しみ!
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*1:こいつは見た目冷酷そうで権謀術数に優れてそうなのにほとんど漫才してただけだったな