祖母、ハハ、孫娘からご挨拶です



photo by:藤谷清美 (Grazia掲載)


祖母ログ読者の皆様へ


いつも祖母ログを応援していただきありがとうございます。
実は大変急なお話で申し訳ないのですが、
本日で、ブログを閉じさせていただく事になりました。
理由は、孫娘の多忙さに加え、今年からハハが復職したために
撮影やブログの更新が困難になってきたためです。
心残りはありますが、女3世代ブログとしてはここで幕を引き
たいと思います。諸事情をご理解いただければ幸いです。
(なおブログは当分このままにしておきますので、
レシピ等ご活用いただければと思います。)


3年10ヶ月の間、楽しく充実した日々を過ごせたことに
家族一同、心より感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。 
永島ヒデ、直子、牧子




○祖母より

「みなさんのおかげで、私も生きがいを与えていただきました。
本当にありがとうございました。」



○ハハより

「義父の17年忌に寄せた拙い文章ですが、
お礼の気持ちにかえさせていただきます。」


『食卓の時間』

午前5時。階下に下りると義母は七輪で炭をおこしていた。
「あれえ。珍しいねえ。どうしたの?」
「うん。なんとなく寝そびれちゃって・・」
ぱちぱちと炭の爆ぜる音が、朝の空気を震わせている。
やかんのお湯が勢いよく湧くと、義母は慣れた手つきで
ドリップでコーヒーを落とし、真っ白なカップに注いだ。
そして小さなお盆にカップをのせて仏壇に運び、
しばらくの間、手を合わせていた。
「毎朝、おじいちゃんにコーヒーを淹れてるの?」
「そう。あの人、近所の喫茶店にマイカップをおくくらい
コーヒーが好きだったじゃない。だから。」
いつも元気いっぱいで働き者の義母の、聖なる時間を見たような気がした。

我家の食卓は、義父が製図をして職人さんに作らせた自慢の品だ。
8人は座れる大きさなので、料理の下ごしらえをするのにも便利で、
新年会や人寄せの時にも活躍してきた。食事の支度をしていると、
三人の子供達が「お手伝い、お手伝い」と言いながら駆け寄ってきた姿を
なつかしく思い出す。
今朝のみそ汁は、じゃがいも、茄子、いんげん、かぼちゃ、茗荷と具沢山だ。
一口すすると、野菜の甘味と味噌のふくよかな香りが胸のあたりまで降りてきて、
しみじみとした気持ちになる。
「これはお姑さんに教わった味なのよ。本当においしいよねえ。」
進学を機に長女は東京で、長男は長岡で暮らすようになった。
義父の生まれ変わりのように誕生した次男も高校生となり部活に追われている。
家族全員で食卓を囲む時間も少なくなってしまった。
しかし、義母は毎日精力的に料理を作り続けている。
カレー、花豆、山菜おこわ、・・手作りのお惣菜を食卓いっぱいに広げ、
こまめにパックしては遠方の親戚や友人に送る。それが生きがいなのだ。
義父がこの状況を想像したか否かは定かでないが、
「しょうがねえな」と笑いながら見ているに違いない。

食卓に刻まれた時間は、これからも家族をひとつにつないでくれるだろう。



○孫娘より

私と母が軽い気持ちで始めたブログが、このようにたくさんの方々から
応援していただけるようになるとは思ってもいませんでした。
3年と10ヶ月、今日まで続けてこれたのも読者の皆様のお陰です。


祖母ログは終わりますが、女3世代はまだまだ元気に頑張り続けます!
ありがとうございました。