霧ヶ峰

2021/02/02
00:37

ウルトラセブン第25話「零下140度の対決」のラスト、ウルトラセブンがモロボシ・ダンの姿に戻るシーンのロケ地は長野県諏訪市霧ヶ峰、現在「霧ヶ峰高原・ドライブイン霧の駅」がある場所の南東に位置する草原ではないかと思います。

その根拠ですが、まず「ウルトラセブン撮影日誌」（2017年・復刊ドットコム）p.169・170によると、第24話「北へ還れ!」と第25話いずれかのロケが長野県霧ヶ峰で行われました。また同書によるとそのときの撮影スタッフは霧ヶ峰ホテルに1泊し、同行した出演者は森次浩司（現・晃嗣）さんのみでした。

第24・25話は雪の場面が多く、霧ヶ峰へ森次浩司さんだけを連れていったのは「雪の中にいるモロボシ・ダン」のシーンを撮影するためと思われます。両話の屋外ロケによる場面で該当するのは第25話ラストだけです。

次にこの草原は霧ヶ峰ホテル（現在は廃業）より数100mと、宿泊先から楽にアクセスできます。

さらにセブンがダンに戻るカットよりいくつかのことがわかります。
・ダンの影は画面左方向。昼間の撮影とするとカメラはおおよそ東を向いている。
・ダンの頭のすぐ上に、道路の除雪後に出来る雪壁のような白い線が横方向に緩やかなカーブを描いている。
・白い線の向こうは雪に包まれた丘。よく見ると、丘の上端から霞がかった別の丘が顔を出している。

上の比較写真は前述の草原（現在立入禁止）の西を走る道路よりほぼ東を向いて撮りました。画面上端から3分の1辺りにビーナスラインの一部である長野県道40号のガードレールが見えますが、キャプチャ画像の白い線と曲がり具合がよく一致します。丘の上端に別の丘が見える点も同じで、草原に入りもっと接近して撮れば手前と奥の丘がほとんど重なり、画面右端の稜線も水平となってキャプチャ画像と近い見え方になるはずです。

国土地理院による1975年の航空写真を基にした図です。