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Phase377 【ロケ地】横浜市青葉区奈良町/こどもの国⑯


前Phaseで記したように、開国当初から現在まで、『こどもの国』中央部に聳え立つのが、真紅の「つり橋」。
足元に伝わる揺れの感覚に、歓喜や恐怖、様々な表情を浮かべながら子供たちは渡っていく。

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上:「こどもの国ニュース第1号」1965年11月号より転載
今回は、『東映生田スタジオ』作品で、最初にその「つり橋」が使用された『仮面ライダーV3』第2話「ダブルライダーの遺言状」を取り上げ、考察をしてみたいと思う。


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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
アジト内(ロケ地は稲城市矢野口にある弁天洞窟。出入り口は、当「つり橋」近くの弾薬庫出入り口が使用されている)から「つり橋」上へと場所を移し、V3とハサミジャガーの戦いは続く。
掲載した映画像は、北側から南側を捉えた俯瞰アングル。
・・・、ここでも脚立の出番か・・・。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
ハサミジャガーを追うV3の前に、デストロン戦闘員が姿を現す。
こちらは、南側から北側を捉えたアングル。
映画像左奥に、前Phaseで取り上げた「大すべり台」(幼児~小学生用)が写り込んでいる。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
橋上から戦闘員を投げ飛ばすV3のカット。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
戦闘員が落下したのは、「児童遊園A」(現在の「緑陰広場」)と「じゃぶじゃぶ池」(現在の「はす池」)を結ぶ小路。
当時は砂利道だったが、現在はアスファルトに舗装されている。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
当エピソードに映る「つり橋」は、開国から七年半以上が経過した状態。
主塔の塗装は剥げ落ち、元の色が分からない程となっている。

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上:『こどもの国』(1965年)より(映①)
これは、映画『こどもの国』(朝日テレビニュース社・東映株式会社/1965年)に記録されている、開国当初の「つり橋」の様子。
主塔、および手摺りのフェンスも紅色だったことが分かる。
但し、橋床部に敷かれてたのは平板ではなく、凹凸のある薪という印象。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
「こしゃくな!」
当時、橋上から主塔を捉えた際、奥に階段があり、更には白い柵が左右(東西)にあるのが南側の特徴。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
一方、(橋上から見た場合)北側は、右側(東側)にのみ白い柵が施され、左側(西側)には前述の「大すべり台」が存在した。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
このカットが挿入されるだけで緊張感が更に増す、前述小路からの煽りアングル。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
「シーザー、くたばれ!」
両手をクロスし、迫りくるハサミジャガー。
因みに、現在、当「つり橋」南側には、同じく紅色の小橋が架かっているが・・・。

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上2枚:『こどもの国』三ツ井氏ご提供写真より
開国当初は、ご覧のような丸木橋が架かっていた。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
本編では、ハンガーロープに火薬を仕込んでの爆破カットも撮影されている。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
ハサミジャガーの攻撃を避け、反対側から落下の窮地に陥るV3。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
緊迫感溢れる橋下からのアングル。
『こどもの国』HPには、当「つり橋」の高さは10mと記されている。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
直近の改修は、2004年3月。
改めて「つり橋」の構造調査が行われ、その際、基礎を含め全面改修されている。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
それ以前となると、1985年3月に鋼製管やワイヤーなどが更新されている。

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上:『仮面ライダーV3』第2話より
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上:2024年3月
当エピソードでは非常に印象深いカット。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
ハサミジャガーの執拗な攻撃に、橋から落下するV3。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
「ライダーV3、最後のコーチをする!」
「ダブルタイフーンを全開しろ!」
そこに聞こえてきたのは、ライダー1号、ライダー2号の声。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
「V3ジャーンプ!」
ダブルタイフーンを全開し、V3は南側の主塔の上にジャンプする。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
「くそー、しぶとい奴め!」

377024
上:『仮面ライダーV3』第2話より
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上:2024年3月
「行くぞ、ハサミジャガー!」
この後、第17話「デビルスプレーは死神の武器」では、北側の主塔の上に立つこととなるV3。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
北側の主塔の下を潜ると、「児童遊園A」(現・「緑陰広場」)へと続く階段が姿を現す。

377026 SS377055
左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
南側の主塔を越えた所には、現在も、階段の痕跡を確認することが出来る。

377027 SS377057
左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
「こどもの国ニュース第1号」(1965年11月号)には、前掲の「つり橋」の写真と共に、以下の解説が付記されている。
「児童遊園の二つの丘を結ぶ、長さ70m、幅1mのつり橋です。橋の上から、ジャブジャブ池やスロープシューターなどが手にとるように見えます」

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
現在、V3の背後西側には、「ディスクゴルフ」の7番バスケットが設置されている。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
V3回転ダブルキックを受け、橋上に倒れるハサミジャガー。

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左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
この後、ハサミジャガーは、橋上で爆死する。



SS377065
上:『こどもの国』三ツ井氏ご提供写真より
これは、開国当初の「つり橋」の様子。
前述したように、「こどもの国ニュース第1号」(1965年11月号)には、長さは70mと記載されている。
また「こどもの国三十年史」(発行/社会福祉法人こどもの国協会/1996年)には、「長さ五十㍍」との記載もあり、更には現在の「こどもの国」HPには、40mと記載されている。

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上:『こどもの国』三ツ井氏ご提供写真より
映画像①に写る、凹凸の橋床部が良く分かるアングル。


(謝辞)
今回も、こどもの国』 業務部 企画広報室 渉外部・三ツ井氏より開国当初の大変貴重な写真をご提供頂きました。
この場を借りて心より感謝、御礼を申し上げます。
いつもいつも本当に有難うございます。



(参考文献)
『こどもの国』(朝日テレビニュース社・東映株式会社/1965年)
「こどもの国ニュース第1号」(1965年11月号)(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1965年)
「こどもの国三十年史」(発行/社会福祉法人こどもの国協会/1996年)


(映画像掲載作品)
『仮面ライダーV3』第2話「ダブルライダーの遺言状」(1973/2/24放送)


Phase377 End


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Phase376 【ロケ地】横浜市青葉区奈良町/こどもの国⑮


これまで二度の改修を経ているものの、開国当初から現在まで『こどもの国』中央部に君臨するのが、『仮面ライダーV3』第2話「ダブルライダーの遺言状」で、ライダーV3とハサミジャガーが戦ったことでも知られる真紅の「つり橋」。
現在、その西側には、野外ステージを有する「緑陰広場」が広がっている。
開発時、その一帯は「D地区児童遊園」と呼ばれたエリアの一部で、文献、かつての国内マップには、そのまま「D地区児童遊園」と記されているものもあるが、「児童遊園A」と呼称されたものもあり、また単に「児童遊園」と記されているものも少なくない。

今回は、現在、「緑陰広場」と呼ばれているこの場所を取り上げ、考察を試みたい。
尚、拙ブログでは、便宜上、「児童遊園A」と呼称する。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年11月
『東映生田スタジオ』作品で使用されたのは、やはり『秘密戦隊ゴレンジャー』。
第58話「真赤な野望!総統閣下の黄金城」劇中、「児童遊園A」は、ゴレンジャーハリケーン観音菩薩を決めるラスト・シーンで使用された。
まずは、モモレンジャー。
ゾルダーらを退け、モモレンジャーは、エンドボールをミドレンジャーへ託す。
場所は、「つり橋」北側渡り口に繋がる南西側の階段下。
映画像奥に、弾薬庫の出入り口が確認出来る。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より(映①)
右:2023年12月
ミドレンジャーがエンドボールを受け取ったのは、僅かに場所を異にするが、同じく「つり橋」北側渡り口に繋がる南西側の階段下。
掲載した映画像に写るのは、砦然とした落下防止用の柵である。


ここで捕捉をしたい。


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左:「こどもの国ニュース第39号」1969年4月号より転載(参写①)
右:『こどもの国 自然のよろこび』(1972年)より
当時、「つり橋」の北側渡り口からの斜面には、ご覧のような「大すべり台」が設置されていた。
砦然とした木製の柵は、着地後の落下を防止するために設けられたものである。
「大すべり台」は、「つり橋」の北側渡り口南西側以外にも同渡り口北東側の斜面にも設置されていたようで、1981年5月に発行された「こどもの国ニュース」第172号に「小学生~中学生用は長さ30m、幼児~小学生用は長さは25m」という記載があるように、それぞれ対象年齢、長さが異なっていた模様(「大すべり台」が撤去された後の1991年11月に発行された「こどもの国ニュース第287号」には、「斜面を利用した角度三〇度、長さ二七㍍の少年用と、半分くらいの規模の幼児用」という記載もあり)。
但し、どの文献にも、北東側、南西側、どちらが小学生~中学生用だったのか、もしくは幼児~小学生用だったのかは言及されていない。

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上:『こどもの国 自然のよろこび』(1972年)より
これは、1972年に制作された映画『こどもの国 自然のよろこび』におけるワンシーン。
掲載した映画像上部に写るのが、映画像①に写り込む着地地点の柵である。
同作品は、1966年1月から「皇太子記念館」が完成する1972年までの様子がまとめられたもので、NET朝日制作株式会社が制作した映画である。
尚、「こどもの国概要」(特殊法人こどもの国/1976年)によると、「大すべり台」は1965年7月に設置されたという。


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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年12月
ミドレンジャーはゾルダーの攻撃をかわし、エンドボールをキレンジャーに託す。
掲載した映画像左上に、ステンレス製の「大すべり台」下部が写り込んでいる。
尚、1983年1月に発行された「こどもの国ニュース第190号」の一部、および『こどもの国50年史』(発行/社会福祉法人こどもの国協会 朝日新聞出版/2016年)では「大すべり台」のことを「大山すべり」と記載されているが、当すべり台が記事となった多くの「こどもの国ニュース」に倣い、ここでは「大すべり台」と表現する。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年12月
そのカットが切り替わる瞬間、背後に真紅の「つり橋」の映り込みが確認出来る。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2024年1月
エンドボールを受け取ったキレンジャーは、タックルでゾルダーを退ける。


ここで、また捕捉したい。


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上:『こどもの国 自然のよろこび』(1972年)より(改)
こちらも、映画『こどもの国 自然のよろこび』からのワンシーン。
キレンジャーが走ったのは、上掲映画像のである。
映画像上部に写るのは、前述した「大すべり台」着地地点の柵。
尚、映像では多くの親子連れが映っているが、現在の「緑陰広場」は、文字どおり〝緑の陰〟、静かな時が流れている。

SS376022
上:『こどもの国』三ツ井氏ご提供写真より
掲載したのは、『こどもの国』 業務部 企画広報室 渉外部の三ツ井氏よりご提供頂いた写真で、開国当初の「児童遊園A」を記録したもの。
当時、キレンジャーが走った通路より北側(写真手前)は、特に「ガラクタ公園」と愛称されていた。
板、木ぎれ、古レンガ、トタンの切れ端、金槌、ノコギリなどが置かれ(掲載した写真では確認出来ず)、自由に工作を楽しむことが出来たという。
それはコペンハーゲンのロビンソン公園に範をとり、日本では初の試みだったと云われている。
尚、キレンジャーが走った地点は、現在、野外ステージに姿を変えている。

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左:『こどもの国 自然のよろこび』(1972年)より
右:「こどもの国ニュース第190号」1983年1月号より転載(改)
また「児童遊園A」内には、掲載した当時の写真や映画像からも明らかなように、コースのようなものも確認出来る。
これは、「スロープシューター」と呼ばれていた、エンジンが装着されていないゴーカートの走路。
現地を訪れたことのある方であれば、ご存じのとおり、ここは南側から北側にかけて下り斜面となっている。
「斜面を猛スピードで疾走するスロープシューターなどが、醸し出すスリル感がこどもたちの冒険心にこよなくアピールする」(原文まま 「こどもの国ニュース第176号」1981年10月号より)、「下りコースのスピードとハンドルさばきが魅力。上りはみんなで力を合わせて押し上げるので全身に快い汗がいっぱい」(原文まま 「こどもの国ニュース第190号」1983年1月号より)などと記されているように、存在時には絶大な人気を博したと云われている。
また「こどもの国ニュース第172号」1981年5月号によると、全長280mの8の字コースで、対象年齢は小3~中2まで、乗車は無料だったという。
尚、「こどもの国三十年史」(社会福祉法人こどもの国協会/1996年)に、「ソープボックス・コース」という記載があるが、開国年である1965年11月に発行された「こどもの国ニュース第1号」には既に「スロープシューター」の名が出ていることから誤記、或いは開国前に一時的に用いられていた名称なのかもしれない。

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上:『こどもの国』開国時MAPより
掲載したのは、1965年5月の開設時に作成された国内MAP。
ここには、「シューターコース」と記載されている。

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左:「こどもの国ニュース第29号」1968年5月号より転載
右:『こどもの国』(1965年)より
1968年5月に発行された「こどもの国ニュース第29号」には、「友情の花ひらく」というタイトルで、「児童遊園A」の写真が掲載されている(右端に写り込んでいるのが「スロープシューター」)。
尚、チューリップを始めとする花々は、前年11月に行われた「第3回こどもの国全国会議」時、参加した各地の代表校から送られた花の球根や種が開花したものである。
右に掲載したのは、「児童遊園A」内のコースを乗り物に乗って走行する子どもたち。
四輪だが、ペダル漕ぎの乗り物であることから、明らかに「スロープシューター」とは異なる。
尚、映画『こどもの国』についての詳細は、後述する。


話を本編に戻す。


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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2024年1月
続いてキレンジャーは、エンドボールをアオレンジャーに託す。
背後には、「ガラクタ公園」に設置されていたコンクリート製の遊具が写り込んでいる。
因みに、「こどもの国ニュース第25号」1968年1月号では、「こども写真コンクール」入選作品の発表があり、2等3名のうち2名が、「大すべり台」の写真(うち1名はすべり台脇の階段を上っている写真)、更に3等のうち1名が、「ガラクタ広場」で撮影した写真で入賞を果たしている。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2024年1月
「アカ、クラウディングトライだ!」
キレンジャーから受け取ったエンドボールを地面に設置するアオレンジャー。
ここは、前述した「スロープシューター」のコース上となる。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年11月
「OK!」
アオレンジャーに合図を送るアカレンジャー。
現在、ここは「緑陰広場」であると同時に、「ディスクゴルフ」のコースの一部でもある。
「ディスクゴルフ」とは、フライングディスクを投げて、専用のバスケットに何回で入れることが出来るかを競う競技で、全7ホールが用意されている。

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上2枚:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
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上:2024年1月
「エンドボール!」
フィニッシュを決めるアカレンジャー。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
エンドボールは、観音菩薩に変化。
「これは純金の観音菩薩!天国からワシを迎えに来たのか!」と言って、パラボラ仮面は爆死する。
尚、当時の遊具と現在の野外ステージは全くの別物。
稜線を合わせると、その高低差は明らか。

376012
上:「国土地理院 航空写真(1975年)」より(改)
撮影ポイントをまとめてみたい。



(編集後記・「大すべり台」考察)
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上:『こどもの国 自然のよろこび』より
これは、映画『こどもの国 自然のよろこび』におけるワンシーンで、小学生から中学生用の「大すべり台」を囲いの外から捉えたアングル。
この急勾配を滑るとなると、かなりのスピードが出ることは容易に想像出来る。

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左:「こどもの国ニュース第62号」1971年5月号より転載
右:「こどもの国ニュース第190号」1983年1月号より転載(改)
これらも、同じく小学生から中学生用の「大すべり台」。
右に掲載した写真の解説には、「長い長いすべり台」というタイトルで、「「うわっ早い!」ステンレス張り27メートルの長いすべり台は勢いよくすべります。落ちついて、無謀運転はいけません。立ってすべったりしてはケガのもと。ツラララ,ツツ。」(原文まま)と記されている。

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上2枚:『こどもの国 自然のよろこび』より
映像では一目瞭然。
急勾配で一気に加速をした子供たちは皆、前のめりになり、両手、両足を着いて着地する。

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上2枚:『こどもの国 自然のよろこび』より
こちらは、幼児から小学生用の「大すべり台」。
小学生から中学生用のものとは違い、中央やや下部に、フラットな部分があるのが特徴である。
また、上部を向いた場合、階段は、すべり台の左側にしか設けられていなかったが、先の小学生から中学生用の「大すべり台」は両側に設けられていた。


前述したように、『こどもの国』周年社史を始めとする文献、「こどもの国ニュース」には、「大すべり台」の記載や記事が幾つも残されている。
但し、「つり橋」の北側渡り口南西側斜面、および同北東側斜面、どちらが幼児~小学生用だったのか、小学生~中学生用だったのかについて言及したものは見当たらない。
それが明らかとなるのが、映画『こどもの国 自然のよろこび』である。
映像には、1968年6月、礼宮さま(当時)が初めて『こどもの国』を訪問された際、浩宮さま(当時)が幼児~小学生用の「大すべり台」を滑られる模様が記録されており、続くカットで、画面手前から①右下に傾斜するすべり台、②その様子をご覧になられている美智子妃殿下(当時)と礼宮さま、③「つり橋」が映し出されるカットが挿入される。
その①と③の位置関係から、北東側はあり得ない。
つまりは南西側の「大すべり台」が、幼児~小学生用だったことが分かる(上掲参考写真①は、「つり橋」との位置関係から幼児~小学生用だったことは明らか。また「つり橋」のワイヤー形状、弛みからも矛盾はない)。
因みに、1976年4月発行の「こどもの国ニュース第116号」には、学習院幼稚園の卒園遠足の様子がレポートされており、「紀宮さま、すべり台遊びに大喜び」の見出しと共に、「大すべり台」(幼児~小学生用)を滑られる紀宮さま(当時)と笑顔で見詰められる美智子妃殿下(当時)の写真が掲載されている。


1985年、開国二十周年を記念して、「児童遊園A」は「緑陰広場」として生まれ変わった。
前年の1984年、その改修に伴い、残念ながら「大すべり台」、「スロープシューター」は姿を消している・・・。


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左:『こどもの国』(1965年)より
右:『こどもの国 自然のよろこび』(1972年)より
『こどもの国三十年史』、および『こどもの国50年史』に記載はあるものの、ある意味、幻と思われた映画『こどもの国』と『こどもの国 自然のよろこび』。
今回、『こどもの国』 業務部 企画広報室 渉外部・三ツ井氏のご厚意により、視聴の機会を得ることが出来た。
『こどもの国』は、関川秀雄氏、藤原智子氏、田部井四郎氏の三名による演出で、1965年に制作された映画である。
建設状況、開国前に現地を視察される皇太子(当時)ご夫妻、開国一年前に開催された「こどもの国まつり」の様子、そして開国式の様子(司会は黒柳徹子氏)などを記録したもので、地元横浜市立奈良小学校の児童や『こどもの国』関係者もエキストラで出演(浅田孝氏も出演)、ドラマ仕立てとなっている。
映像には、建築中の「セントラルロッジ」、水のすべり台未塗装の「自然プール」、ドラム缶橋が架かる前の「人造湖」など、写真でもあまり見たことのない風景がこれでもかと記録されており、興奮を覚えずにはいられない。
また『こどもの国』の音楽は伊福部昭氏が担当、『こどもの国 自然のよろこび』はが冬木透氏が担当している。


(謝辞)
今回、前述映画二作品を始め、またもや膨大な資料をご提供頂きました『こどもの国』 業務部 企画広報室 渉外部・三ツ井氏には、この場を借り改めて御礼申し上げます。
当該資料は、ロケ地解明の参考資料という範疇を遥かに超え、一級品の歴史的資材として、今後も可能な限り紹介出来ればと考えております。
引き続き、宜しくお願い申し上げます。


(最後に)
前述したように、映画『こどもの国』には、開国一年前の1964年5月5日に開催された「こどもの国まつり」の様子も記録されている。
その中で、参加者が「こどもの国のうた」を唄うシーンが挿入されているが、最後に、その歌詞を掲載したいと思う。
尚、この歌は、1963年1月28日の朝日新聞で歌詞が公募され、入選した佐藤ひろみさん(小学4年生・当時)の作品(入選は、関根愛子さん(中学1年生・当時)の作品と二作品)で、作曲は、服部公一氏が手掛けている。
因みに、佐藤ひろみさんは、『こどもの国』のシンボルマークの作者・佐藤直美さん(中学2年生・当時)の実妹である(シンボルマークも公募で、1962年3月10日に同じく朝日新聞が募集)。
佐藤さんによると、「オリンピックの旗が五つの大陸の人々が手を握り合う形を表しているというのにヒントを得て、おとぎの国の小人たの三角帽子を組み合わせ、歌ったり踊ったりしているところを表しました」とのこと。

こどもの国のうた

1.
こどもの国は ひろいなあ
大きな声で ヤッホホー
赤 青 きいろ 黒 みどり
三角ぼうしの こどもらは
みんな 仲よし お友だち
 きれいな風が ふいてくる
 きれいな旗が ゆれている

2.
こどもの国は ゆかいだな
とんだり はねたり おどったり
ブンブン ひこうき とばしたり
おさるのように 木のぼりも
なんでもできるよ うれしいな
 きれいな風が ふいている
 きれいな旗が ゆれている

3.
こどもの国は たのしいな
みんなニコニコ わらってる
世界のこどもよ おいでなさい
三角ぼうしを かぶったら
元気に 仲良く うたおうよ
 きれいな風が ふいている
 きれいな旗が ゆれている



(参考文献)
『こどもの国』(朝日テレビニュース社・東映株式会社/1965年)
「こどもの国ニュース第1号」1965年11月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1965年)
「こどもの国ニュース第25号」1968年1月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1968年)
「こどもの国ニュース第29号」1968年5月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1968年)
「こどもの国ニュース第39号」1969年4月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1969年)
『こどもの国 自然のよろこび』(NET朝日制作株式会社/1972年)
「こどもの国概要」(特殊法人こどもの国協会/1976年)
「こどもの国ニュース第172号」1981年5月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1981年)
「こどもの国ニュース第176号」1981年10月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1981年)
「こどもの国ニュース第190号」1983年1月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1983年)
「こどもの国20年のあゆみ」(社会福祉法人こどもの国/1985年)
「こどもの国ニュース第287号」(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1991年)
「こどもの国三十年史」(発行/社会福祉法人こどもの国協会/1996年)
「こどもの国50年史」(発行/社会福祉法人こどもの国協会 朝日新聞出版/2016年)
「「こどもの国」のデザイン-自然・未来・メタボリズム建築」(文化庁/2022年)


(映画像掲載作品)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話「真赤な野望!総統閣下の黄金城」(1976/8/7放送)


Phase376 End


お願い&お断り
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〇ロケ地紹介などで掲載する写真の中には、経年の結果、撮影時とは更に変貌を遂げている箇所があります(参考までに撮影年月を記載します)。



当ブログは、管理人個人の趣味の範疇にあり、作品の配給元とは一切関係なく、利益を得ること、著作権を侵害する意図は一切ございません。
比較などのために引用する画像の権利は、全て原権利者に帰属します。

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Phase375 【ロケ地】横浜市青葉区奈良町/こどもの国⑭


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SS374150
上3枚:『こどもの国』三ツ井氏ご提供写真より
かつて、「第2トンネル」の先(進む方向によっては手前)にあったのが、「アンデルセン記念の家」。
これは、『こどもの国』 業務部 企画広報室 渉外部の三ツ井氏よりご提供頂いた、在りし日の同家の姿である。
氏によれば、おそらく完成間もない1965年に、記録用として撮影されたものではないか?とのこと。
未だ、円型洗い場が存在していない。


前Phaseで以って、一部の周辺施設を除き、「第2トンネル」の考察は終了。
当Phaseでは、少し趣を変えて、「こどもの国皇太子殿下御結婚記念館(通称:皇太子記念館)を取り上げたいと思う。


SS374026
上:「こどもの国ニュース第67号」1971年11月号より転載(一部改)
鋭角の大きな赤い屋根が特徴で、『こどもの国』の象徴的施設であった「こどもの国皇太子殿下御結婚記念館(通称:皇太子記念館)。
その落成式は、1972年4月2日まで遡る。
延べ床面積は1,955㎡で、鉄筋コンクリート造り。
収容人数約600人(固定席382人)のホールと自由空間と呼ばれた吹き抜けのロビーが主要な部分で、2階には音響室、地下1階には貴賓室と会議室、その他、楽屋、ロッカールームなどを有していたという。
しかし、約五十年を経ると、屋根から雨漏りが発生するなど、老朽化が進んだため、大幅な改修工事が行われることに。
そして、2021年5月のリニューアルを機に、「こどもの国平成記念館(皇太子明仁親王殿下御結婚記念館)」に改称されている。
掲載したのは、1971年秋頃、鉄板屋根を葺く直前の同記念館の様子。

尚、拙ブログでは、『東映生田スタジオ』作品で使用された時期に合わせ、以下、「皇太子記念館」で統一する。


360359 SS374111
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年5月
『東映生田スタジオ』作品で使用されたのは、『秘密戦隊ゴレンジャー』(やはりと言ったとこか・・・)。
まず第15話「青い大要塞!大暴れバリブルーン」では、劇中、「虹の要塞」という設定で、黒十字軍の侵略基地の一部として使用された。
掲載した映画像で、虹仮面らが入って行くのは、「皇太子記念館」北側にある少年サッカー場のクラブハウス。
当時とは僅かに趣を異にしているものの、基本的な構造に変わりはない。

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上2枚:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
「虹の要塞」から脱出したアオレンジャーと虹仮面が対峙するのは、東西南北四ヶ所ある屋根の接合部(溝)の南側。
このカメラ位置はと言うと・・・。

SS374114
上:「こどもの国ニュース第100号」1974年11月号より転載(一部改 参画①)
これは、「こどもの国ニュース第100号」1974年11月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1974年)に掲載された「皇太子記念館」の様子(撮影は、同年9月29日)。
前掲2枚の映画像は、○で囲んだ箇所から→の方向に向かって撮影されている(この参考画像自体は北側から撮影されている)。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
現地を訪れたことのある方ならばご存じだろうが、○で囲んだ構造物の正体はトイレ。
当然の如く、その屋根部に上ることはご法度。
対比写真として、その外部(南側)から同アングルを捉えたものを掲載した(脚立の出番か・・・)。

SS374118
上:2024年6月
因みに、こちらは西側の接合部(溝)。
真下に行かないと、カメラには、接合部(溝)両横に広がる屋根部が写り込んでしまう。

360364 SS374055
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年5月
この屋根の構造は、「鋼管立体トラス架構」と呼ばれるものだという。

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上2枚:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
SS374117
上:2023年11月
戦闘シーンの一部では、接合部(溝)からトイレ側を捉えた俯瞰アングルも確認出来る(同アングルの対比撮影はさすがに不可能)。
対比写真はその接合部(溝)とトイレ屋根部を西側からとらえたもの。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2023年11月
トイレの屋根からゾルダーを投げ飛ばすアオレンジャー。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より(映①)
右:2023年11月
続いてアオレンジャーは、ゾルダーに後ろ蹴りを決め、地面に着地する。

因みに・・・。

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左:『電人ザボーガー』第20話より
右:2024年3月
前Phaseで、『こどもの国』の歴史を知る観点から、敢えて掲載、考察を行った『電人ザボーガー』(ピー・プロダクション・フジテレビ/1974年)第21話。
同時制作された第20話「死を呼ぶ合体ロボット・ゴーゴン」では、SPマイクロフィルムと大和博士(演/北川陽一郎)との交換場所(POINT77)として、この「皇太子記念館」が使用された。


閑話休題。


360368 SS374126
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
上掲映画像①に続くカットから、場所を「皇太子記念館」北西側に移す。
着地後、振り返り、虹仮面と対峙するアオレンジャー。
上掲参考画像①を見ると、当時は植え込みがあったことが分かる。

374005 SS374056
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
直後、飛んできたのは虹仮面の杖。

374049 SS374129
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
アオレンジャーは、咄嗟にその攻撃をかわす。
背後に木々の合間から見えるのは、前述した少年サッカー場のクラブハウス。

360369 SS374131
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
虹仮面の攻撃をかわしたアオレンジャーは、屋根に飛び移る。

374050 SS374132
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2023年11月
屋根上のアオレンジャーを見上げる虹仮面。
冬場だと、背後の山肌の様子が目視出来る。

360370 SS374063
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
虹仮面に対し、ブルーチェリーを放つアオレンジャー。

360371 SS374064
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
一瞬、顔面を捉えたように見えたが、虹仮面は上体を起こし、矢をすり抜ける。

374051 SS374134
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2023年11月
虹仮面が見せる虹分身の合成カットも、この山肌をバックに描かれている。
但し、厳密な場所の特定は困難。

360372 SS374135
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
虹分身に翻弄されるアオレンジャー。
よく見ると、背後に写る白壁の高さの違いに気付く。
これは、2021年のリニューアルの際、屋下のホールが撤去され、広大なフリースペースに姿を変えたためである。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2024年6月
翻弄されながらも、回し蹴りで虹仮面の杖を叩くアオレンジャー。

360375 SS374139
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
虹仮面の背後に写る屋根の角度は、この北西側でしか認められない。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2023年11月
レインボーベルトの感電に苦しむアオレンジャー。


SS374142
上:「こどもの国ニュース第70号」1972年2月号より(一部改)
建築途中の「皇太子記念館」の様子。
この形状の設計を担ったのは、浅田孝氏。
「自然プール」(Phase369参照)を始め、『こどもの国』マスタープランを手掛けた環境開発センター所長(当時)である。
当初、浅田氏は、当記念館について、雨宿りが可能な、大きな屋根のあるトイレ付きの休憩所という構想を抱いていたという。
しかし、「子供が多目的に使える屋内集会場、体操場、『こどもの国』の歴史・動植物などを展示出来る資料館、常設の会議室、映写室などを設置したい」、つまりは「子供や職員や指導員が、一緒になって夢を育む場でありたい」という意見や要望が多く出され、氏はその構想を断念。
その後、予算確保の問題などもあり、紆余曲折を経て、冒頭に記した構造に変更されたという。


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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
右:2023年11月
こちらは、「虹の要塞」にミサイル搬出用のトラックが到着するカット。
アングルは、南西側から。

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上2枚:『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話より
その様子を見届ける、「虹の要塞」に侵入した新命明(演/宮内洋)のカットは、前述のトイレ屋根部で撮影されている。
その際に映り込むのが、Phase366で触れた「光のトンネル」。

374052
上:『仮面ライダーV3』第17話より
SS374143
上:2024年6月
『仮面ライダーV3』第17話「デビルスプレーは死神の武器」で、クサリガマテントウが立っていた場所である。
Phase366でも掲載した映画像だが、対比写真に写る反対側の出入り口の位置が甘かったので、再掲することとした。


SS374027
上:「こどもの国ニュース第72号」1972年4月号より転載(一部改)
落成式直前の1972年3月1日に撮影された「皇太子記念館」の全景。
「光のトンネル」は、築山に抜けられる三本のトンネルが通った遊具施設で、掲載した参考画像を見ると、その基本骨格が分かる。


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左:『電人ザボーガー』第20話より
右:2024年6月
また前述した『電人ザボーガー』第20話でも、「光のトンネル」は使用されている。
POINT77における、SPマイクロフィルムと大和博士との引き換えを見守る大門豊(演/山口暁)のカット。

374054 SS374145
左:『電人ザボーガー』第20話より
右:2024年6月
こちらは、「光のトンネル」内から「皇太子記念館」を捉えたカット。

374055 SS374146
左:『電人ザボーガー』第20話より
右:2024年6月
「ヘリキャット、GO!」
内蔵する小型カメラで、∑団の車を追跡させようと、マシンザボーガーに指令を出す大門。

374056 SS374147
左:『電人ザボーガー』第20話より
右:2024年6月
出来るだけ劇中と同様のアングルで撮影するには、どうしても体勢を低くする必要があり、更に反対側の出入り口の位置を合わせるとなると、思いのほか容易くない。
時間を要する上に、「光のトンネル」は、やはり子供たちに大人気で、撮影の一時中断は当たり前。
しかも、幼稚園の先生、付き添いのお母さん方からの誤解は絶対に避けねばならず、神経を尖らせること、この上ない。
(反対側の出入り口の位置を適当にするならば、全く時間を要さないが・・・)


閑話休題。


360380 SS374069
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2024年6月
第15話に続いて、『秘密戦隊ゴレンジャー』で使用されたのは、第58話「真赤な野望!総統閣下の黄金城」。
パラボラ仮面は、黄金のエジプト展に出品される展示品をトラックごと略奪。
掲載した映画像は、そのトラックが黒十字軍のアジトに到着するカット(やはりアジトとしての使用)。
撮影場所は、「皇太子記念館」の北西側で行われている。

360381 SS374014
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年11月
第15話でも映り込む山肌を背に、展示品を運び込むよう指令するパラボラ仮面。

374007 SS374017
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年11月
「急げ!」
こちらのカットが撮影されたのは、「皇太子記念館」の北東側。
つまり、劇中、ゾルダーらの動きから察すると、場所の整合性は取られておらず、トラックが到着したのは、この階段上部という設定。
細部に目をやると違いは明白だが、基本的構造に変化はない。
因みに、当時の階段のステップは17段だが、今は19段となっている。

360383 SS374070
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2024年6月
展示品の梱包木箱に隠れていた明日香健二(演/伊藤幸雄)とペギー松山(演/小牧りさ)。

360384 SS374020
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年11月
ペギーからの発信を受けたアカレンジャーは、バリタンクでアジトへと急行する。
左側に見える構造物は、「光のトンネル」三本を結ぶ築山の頂上部。

360385 SS374022
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年11月
黒十字軍のアジトに到着したバリタンクのカット。
こちらは、「皇太子記念館」の北西側。

360386 SS374024
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2023年11月
機銃を放つバリタンクのカット。

360387 SS374071
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話より
右:2024年6月
機銃に吹き飛ぶゾルダーのカット。
白煙で分かり難いが、現在のスロープ部分は、当時は階段が設けられていた。


SS374151
上:「こどもの国ニュース第72号」1972年4月号より転載(一部改)
これは、在りし日のホールの様子。
最後に、リニューアル(2021年)までの『皇太子記念館』の改修史について触れておきたい。
【1994年3月】
1993年4月5日、放火によって貴賓室や会議室、舞台ステージなど内装設備約700㎡が全焼したため、改修。
【1996年3月】
老朽化が進んだ外部トイレを改修。
【2006年3月】
屋根の塗装の剥離、外壁の汚れ、貴賓室の内装を改修。
【2015年3月】
屋根の塗装の剥離、外壁の汚れ、貴賓室の内装を改修。



(参考文献)
「こどもの国ニュース第67号」1971年11月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1971年)
「こどもの国ニュース第70号」1972年2月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1972年)
「こどもの国ニュース第72号」1972年4月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1972年)
「こどもの国ニュース第100号」1974年11月号(発行/財団法人「こどもの国建設協力会」/1974年)
『こどもの国三十年史』(発行/社会福祉法人こどもの国協会/1996年)
『こどもの国50年史』(発行/社会福祉法人こどもの国協会 朝日新聞出版/2016年)


(映画像掲載作品)放映順
『仮面ライダーV3』第17話「デビルスプレーは死神の武器」(1973/6/9放送)
『電人ザボーガー』第20話「死を呼ぶ合体ロボット・ゴーゴン」(1974/8/17放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第15話「青い大要塞!大暴れバリブルーン」(1975/7/26放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第58話「真赤な野望!総統閣下の黄金城」(1976/8/7放送)


Phase375 End


お願い&お断り
〇当ブログの記事、図版、画像などを無断で複写、複製、転載、データ化することはご遠慮願います(諸般の事情により、一部、画像処理を施してあります)。
〇当ブログ中、一部を除き、関係者の名は当時のものを記載し、敬称は省略させて頂きます。
〇ロケ地紹介などで掲載する写真の中には、経年の結果、撮影時とは更に変貌を遂げている箇所があります(参考までに撮影年月を記載します)。



当ブログは、管理人個人の趣味の範疇にあり、作品の配給元とは一切関係なく、利益を得ること、著作権を侵害する意図は一切ございません。
比較などのために引用する画像の権利は、全て原権利者に帰属します。

テーマ : 昭和文化
ジャンル : サブカル

Phase374 【ロケ地】横浜市青葉区奈良町/こどもの国⑬


今回は、「第2トンネル」西側出入り口周辺を取り上げたいと思う。


360388 SS372046
左:『仮面ライダーV3』第2話より
右:2024年3月
『東映生田スタジオ』作品で最初に使用されたのは、『仮面ライダーV3』第2話「ダブルライダーの遺言状」のBパート開巻部。
車で逃亡を図ったハサミジャガーを、V3が追跡するシーンである。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年3月
「第2トンネル」東側出入り口と比較すると、使用頻度は圧倒的に少ないものの、同じく『秘密戦隊ゴレンジャー』がその大半を占めている「同」西側出入り口。
第11話「みどり色の戦慄!耳地獄からの脱出」では、海城剛(演/誠直也)らが工藤教授(演/宇南山宏)を護衛するシーンの一部が撮影された。
トンネル内を走行する前に、海城から中の様子を探るよう指示を受けた明日香健二(演/伊藤幸雄)。
掲載した映画像は、トンネルを抜け、西側出入り口から出て来た明日香とペギー松山(演/小牧りさ)のカット。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2023年12月
西側出入り口を出た所で辺りの様子を窺う明日香とペギー。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2023年12月
安全を確認した明日香は、東側出入り口で待機する海城にOKサインを送る。
因みに、この「第2トンネル」の上にある路地(梅林と多目的広場などを結ぶ散策路)では、『レインボーマン』(NET・東宝/1972年)第48話「鬼面の決斗」において、ヤマトタケシ(演/水谷邦久)に復讐を誓うオルガ(演/藤山律子)のカットが撮影されている(後述参考)。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年1月
明日香からOKサインを受けた海城らは、トンネル内を前進。
すると、突然、前方に怪しい人影が現れた。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年1月
「誰だ、貴様!」
海城の問い掛けに、怪しい人影は舟耳仮面と名乗る。
アングルは、トンネル内から西側出入り口を捉えたもの。

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左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2024年1月
掲載したのは、第17話「むらさき色の遊園地!悪魔の墓場」でのワンカット。
海城が、日輪仮面と黒髪仮面が乗るトラックをトンネル内で追い越すシーンが撮影された。

368060 SS368049
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2017年6月
トラックを追い越した海城は、西側出入り口で停車。
撮影は、日輪仮面らが乗るトラックから行われている。

368062 SS368051
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2023年12月
前後から挟み撃ちをし、黒十字軍のトラックを停車させた海城ら。

368061 SS372048
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2024年3月
「貴様たちをこっから先へ行かせるわけにはいかん!」
ゾルダーらと対峙する海城のカット。
現在、背後の丘部には、七段花などが咲き誇る「あじさい園」の一部が設けられている(2015年5月~)。

368064 SS368052
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2024年1月
ゾルダーを蹴散らす新命明(演/宮内洋)。
トンネル反対側に、苗場へと続く路地の手摺りが確認出来る。

368065 SS368053
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2024年1月
トラックの前で、同じくゾルダーを蹴散らす海城のカット。

368066 SS372049
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2024年3月
大岩大太(演/畠山麦)がゾルダーを殴りつけたのは、西側出入り口の南側。

368067 SS368054
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年1月
第31話「黒い挑戦状!怒れ五つの正義の星」では、そのサブタイトル明けファーストカットで確認することが出来る。
鉄カン仮面がイーグル第8支部を急襲するカットで、トンネル内から西側出入り口を捉えたアングル。

368087 SS372050
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2024年3月
続いて使用されたのは、第34話「黄色いスパイ戦!見たかYTCの威力」。
廃品回収業者を装い、大岩と地底探知装置を運搬していた赤面仮面がその正体を現したシーン。
アングルは、同じくトンネル内から西側出入り口を捉えている。

368093 SS368079
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2023年12月
大岩を窮地に追いやる赤面仮面の前に、アオレンジャーとミドレンジャーが出現。
赤面仮面は、地底探知装置を積んだトラックに乗り込み、西側出入り口からその場を後にする。
「第2トンネル」の西側出入り口の特徴は、今もその様子を留めるアーチ面上部の凹凸にある。

368099 SS368084
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話より
右:2024年1月
第35話「黒い大怪鳥!コンドラー戦斗爆撃隊」では、コンドラー戦闘爆撃隊から避難する海城らの前に、テムジンが姿を現すシーンが撮影された。
テムジンの背後に写る一本木が現存、その成長ぶりは明らか。

368123 SS368121
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第49話より
右:2024年1月
『秘密戦隊ゴレンジャー』で最後に使用されたのは、第49話「みどりの大脱走!卍のトリックプレイ」。
パリから帰国したペギーと明日香の前に、突如、つの骨仮面が姿を現すシーンが撮影された。

368125 SS368123
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第49話より
右:2024年1月
つの骨仮面の襲撃を受けるペギーと明日香。
映像に映る西側出入り口を鑑みると、かなり東側出入り口寄りで撮影されたことが分かる。

368126 SS368124
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第49話より
右:2024年1月
「第2トンネル」内でのカット。
但し、厳密な場所の特定は不可能(トンネル内は改修されているため、壁面の傷も手掛かりにはならない)。


以上、「第2トンネル」西側出入り口周辺を見てきたが、『東映生田スタジオ』作品での使用は、『仮面ライダーV3』第2話を除いて、後は全て『秘密戦隊ゴレンジャー』である。
そこで、今回は、この周辺で撮影された他社作品も一部を取り上げ、考察を試みたいと思う。


374023 SS347073
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より
右:2023年11月
まずは、前述した『愛の戦士レインボーマン』第48話「鬼面の決斗」から。
当エピソードの本放送は1972年8月31日で、『仮面ライダーV3』第2話本放送よりも約半年前の様子が記録されている。
この後、カメラは、中央やや上部をズーム・アップする。

374024 SS374077
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より
右:2023年11月
カメラは、眼下を見下ろすオルガ(演/藤山律子)を映し出す。
彼女が立つのは、梅林と多目的広場などを結ぶ散策路。

374025 SS374075
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より
右:2024年6月
レインボーマンにキャシー(演/高樹蓉子)、ダイアナ(演/山吹まゆみ)、ロリータ(演/皆川妙子)を悉く倒され、オルガは、独り復讐を誓うのだった・・・。
現在、藪笹が生い茂り、当時と同様の景観を拝むことは非常に困難となっている。

374026 SS374079
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より
右:2024年6月
劇中、オルガの視線で描かれる眼下の様子。
但し、次に掲載する映画像と共に、オルガの立ち位置からはこのようなアングルとはならず、実際には、僅かに南側に寄った辺りから撮影されている。

374027 SS374080
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より
右:2024年6月
当映画像では、中央上部に記録されている白い物体に注目したい。

374028 SS374081
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より
右:2024年6月
その物体をアップにしたもの。
これは、Phase369で考察した円型洗い場。
『ザ・カゲスター』第1話「影法師 レインボー作戦!」で使用されたのは「自然プール」脇にあった二基だが、当時、「アンデルセン記念の家」南側にも同形の洗い場が設置されていたことが分かる(現存せず)。

374029 SS374082
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より(映①)
右:2024年6月
オルガは、眼下前方よりバイクで走って来る三人の若者に目をつける。

374030 SS374083
左:『愛の戦士レインボーマン』第48話より
右:2024年6月
走行中、若者たちが、オルガからボーグαを打たれるカット。
この後、サイボーグと化した三人は、レインボーマンを襲撃する・・・。
背後に見える消火栓が現存している(ホース格納箱は、消火栓を挟んで反対側に位置を変えている)。

374032 SS374085
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
続いて取り上げるのは、『電人ザボーガー』第21話「処刑ロボット大作戦」。
上掲映画像①の引きのカットと捉えることが出来る。
当カットでも、前述した円型洗い場が記録されている。

374033 SS374086
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
こちらは、そのズーム・アップ。
「第2トンネル」から出て来た大門豊(演/山口暁)の前方より、∑団のオートバイ部隊が迫りくるカット。

374034 SS374088
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
大門がマシンザボーガーで走って来たのは、現在、ステゴザウルスなどをモチーフとした遊具が設置されている辺り。

374035 SS374089
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
勢いを停めることなく、「アンデルセン記念の家」南側のアプローチとなるコンクリート造りの基礎部分に乗り上げる大門・・・。

374036 SS374091
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
何の迷いもなく、その出入り口へと突き進む大門・・・。

374037 SS374093
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
そのまま「アンデルセン記念の家」に突入してしまった大門・・・。
当エピソードでは、『ザ・カゲスター』や『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話などでは見ることの出来ない、在りし日の「アンデルセン記念の家」全体像が記録されている。

374038 SS374098
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
大門の後を追い、∑団のオートバイ部隊もアプローチとなる基礎部分を突き進む・・・。

374039 SS374099
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
そして、スピードは出てないものの、建物内部でバイクチェイスが展開される・・・。

374040 SS374101
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
中心部を軸にバイクチェイスを繰り広げる彼らを、俯瞰で捉えたカット。
尚、対比写真にあるように、後に建てられた「赤ちゃんの家」同所は「どそくきんし」となっている・・・。

374041 SS374102
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
先に外へと出ていく大門のカット。

374042 SS374103
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
基礎部分を走る大門のカットは、ハイスピードカメラによるスローモーションで描かれる。
よく見ると、この基礎部分も改修されていることが分かる。

374043 SS374105
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
後を追ったバイク部隊と再びバイクチェイスを繰り広げる大門・・・。

374044 SS374106
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
バイク部隊が張ったロープを飛び越える大門・・・。
前述した消火栓とホース格納箱も記録されている。

374045 SS374107
左:『電人ザボーガー』第21話より
右:2024年3月
Uターンをし、大門を追跡するバイク部隊のカットで、「第2トンネル」出入り口西側周辺のシーンは終了する。
但し、この後、現在の「おとぎのひろば」に場所を移し、バイクチェイスは続く・・・。


以上で、「第2トンネル」西側出入り口周辺の考察を終了したいと思う。


(編集後記)
拙ブログの目的は、『東映生田スタジオ』、および同作品ロケ地研究でありますが、例外として、今回は他社作品である『愛の戦士レインボーマン』と『電人ザボーガー』も取り上げました。
それらに記録された風景は、『東映生田スタジオ』作品には記録されていないものも少なくなく、また『こどもの国』の歴史を知る上でも大変貴重な資料と思われますので、敢えて掲載、考察を行いました。
最後に、その点につきましてお断りをしておきます。
どうぞご理解ください。

SS374108
上:「こどもの国ニュース第72号」1972年4月号より
「こどもの国ニュース」には、頁下部に商品広告が掲載されていることが多く、今ではその姿を消したものも少なくない。
これは、1971年に発売された「かなぼうくん」(明治製菓)の商品広告。
愚生の地元・大阪でも販売されており、その美味しさはまさに「びっくり!!」だった。
もう一度、食べてみたいと切に願う次第。


(映画像掲載作品)放映順
『愛の戦士レインボーマン』第48話「鬼面の決斗」(1972/8/31放送)
『仮面ライダーV3』第2話「ダブルライダーの遺言状」(1973/2/24放送)
『電人ザボーガー』第21話「処刑ロボット大作戦」(1974/8/24放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話「みどり色の戦慄!耳地獄からの脱出」(1975/6/21放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話「むらさき色の遊園地!悪魔の墓場」(1975/8/9放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話「黒い挑戦状!怒れ五つの正義の星」(1975/11/22放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話「黄色いスパイ戦!見たかYTCの威力」(1975/12/20放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話「黒い大怪鳥!コンドラー戦斗爆撃隊」(1975/12/27放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第49話「みどりの大脱走!卍のトリックプレイ」(1976/5/1放送)


Phase374 End


お願い&お断り
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〇ロケ地紹介などで掲載する写真の中には、経年の結果、撮影時とは更に変貌を遂げている箇所があります(参考までに撮影年月を記載します)。



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Phase373 【ロケ地】横浜市青葉区奈良町/こどもの国⑫

はじめに~謝辞~
ご存じの方も多いと思いますが、かつて、『こどもの国』に「セントラルロッジ」という建物がありました。
かの黒川紀章氏が設計された、1965年から1986年まで「人造湖」(現在の「白鳥湖」)の北東部に存在していたレクリエーション施設です。
その凛とした佇まい、そして複雑な構造から、子供番組では敵のアジトに見立てられることが多く、『東映生田スタジオ』作品でも数々のエピソードで使用されました。
しかし、その大半は、二階部分、或いは二階からの俯瞰アングルで撮影されており、建物無き現在、同様のアングルで再現性を求めることは非常に厳しいと言わざるを得ません。
これまで、「セントラルロッジ」跡地で撮影した写真は、何百枚にも上りますが、納得出来るものは決して多くなく、同じような写真が溜まる一方でした。
そこで、思いついたのが脚立です。
脚立を使用すれば、多少なりとも既撮のものとは異なり、似たアングルでの撮影が可能ではないかと。
では、どうすればよいか?
答えは一つしかありませんでした。
Mr.こどもの国、業務部 企画広報室 渉外課の三ツ井氏に依頼するしかないと。
氏には、これまでも苗場や自然プール跡地などへの立ち入りにご承諾、同行を頂いてきましたが、結果、今回も、愚生の我がままこの上ない拘りにご理解、ご承諾を頂戴した次第です。

SS372051
上:建設中の「セントラルロッジ」(『こどもの国』押切氏ご提供写真より)
完成直前の「セントラルロッジ」の様子。手前に写る「人造湖」と現在の「白鳥湖」との違いも興味深い。

三ツ井氏は勿論のこと、上長でいらっしゃる押切氏、更には同行を頂きました石井氏には、改めて御礼申し上げます。
大変ご多忙中にも関わらず、お付き合い頂き、誠に有難うございました。

尚、せっかくの機会ですので、今回、yart先生、S氏にも声を掛けさせて頂きました。
同行頂きましたお二方にも、この場を借りて御礼申し上げます。
有難うございました。




前Phaseでは、『仮面ライダーV3』、『イナズマンF』を考察した「第2トンネル」東側出入り口周辺。
しかし、撮影に多用されたのは、やはり『秘密戦隊ゴレンジャー』。
今回は、苗場を含めて、同作品における「第2トンネル」東側出入り口周辺、およびトンネル内をエピソード順に考察したいと思う。

368039 SS372006
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年3月
第11話「みどり色の戦慄!耳地獄からの脱出」では、海城剛(演/誠直也)らが工藤教授(演/宇南山宏)を護衛するシーンの一部が撮影された。
掲載した映画像に写るのは、『仮面ライダーV3』第2話「ダブルライダーの遺言状」のBパート開巻部でも使用された、「第2トンネル」東側出入り口からすぐ右手にある弾薬庫跡、その北側の出入り口(Phase372参照)。

368040 SS372007
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年3月
背後に見える擁壁は、見事に現存する。

368041 SS368039
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より(映①)
右:2024年3月
擁壁前を通過し、先頭を走る海城は「第2トンネル」前で停車する。
これら一連のパン・カットは、苗場へと続く路地(スロープ)からの撮影。

368042 SS368023
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2023年12月
「明日香、中を調べろ」
トンネル内を走行する前に、明日香(演/伊藤幸雄)に中の様子を探るよう指示する海城。

368043 SS372029
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年3月
「第2トンネル」東側出入り口正面からのアングル。
この後、明日香とペギー(演/小牧りさ)は、トンネル内を通過、西側出入り口を出た所で、海城らに「OK」の合図を送る。

368047 SS368026
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2023年12月
明日香からの合図を受け、トンネル内へと向かう海城。

368048 SS368027
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年1月
トンネル内から東側出入り口を捉えたアングル。
先の対比写真からも分かるように、苗場へと続く路地(スロープ)は、当時と比べて僅かに高く設けられている。

368050 SS368032
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年1月
「誰だ、貴様!」
トンネル内を走行中、突如出現した黒十字軍の舟耳仮面と対峙する海城。

368052 SS368037
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年1月
「バックだ!バックしろ!」
海城から後退するよう指示を受けた、工藤教授の乗る車。
この後、トンネル東側出入り口で切り返し、再び内周道路を南下する。

368053 SS368040
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話より
右:2024年3月
工藤教授を追う舟耳仮面の乗る車。
この後、Phase368で考察した現・「すこやか広場」での攻防へと続く。

368058 SS368044
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話より
右:2023年12月
次に掲載するのは、第17話「むらさき色の遊園地!悪魔の墓場」でのワンカット。
日輪仮面と黒髪仮面が乗るトラックから捉えられた「第2トンネル」東側出入り口の様子。

368068 SS372031
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年3月
続いて使用されたのは、第31話「黒い挑戦状!怒れ五つの正義の星」。
鉄カン仮面が、イーグル第8支部を急襲するシーンで使用された。
掲載した映画像は、「第2トンネル」内から出てくる鉄カン仮面のカット。

368069 SS368056
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年1月
急襲するゾルダーらを捉えたカットは、前述した苗場へと続く路地(スロープ)から撮影されている。

368070 SS372032
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より(映②)
右:2024年3月
場所は、苗場。
現在、成長した木々に覆われ、同アングルでの「第2トンネル」の確認はかなり難しくなっている。
よって、対比写真は、劇中アングルよりも僅かに左によって撮影したものを掲載した。

368071 SS372034
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年3月
場所の整合性は取られておらず、被弾するイーグル隊員のカットは、上掲映画像②でゾルダーの背後にあった小高い草むら部分で撮影されている。

368072 SS372036
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年3月
ゾルダーが爆弾を投げるこちらのカットは、苗場へと続く路地(スロープ)上部で撮影されている。

368073 SS368057
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年1月
こちらも場所の整合性は取られておらず、被弾するイーグル隊員のカットは、ゾルダーの背後、つまり路地(スロープ)下部で撮影されている(カメラ位置は内周道路)。

368074 SS372039
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年1月
鉄カン仮面に壊滅状態に追いやられたイーグル第8支部。
掲載した映画像は、瀕死の重傷を負った隊員の一人(演/中屋敷鉄也)が、鉄カン仮面に立ち向かおうとするカット。
場所は、「第2トンネル」東側出入り口からすぐ右手にある弾薬庫跡、その北側の出入り口前で撮影ている。

368076 SS368059
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話より
右:2024年1月
バズーカを抱え、鉄カン仮面と対峙するイーグル隊員。
鉄カン仮面らが立つのは、苗場へと続く傾斜のある路地。

368084 SS368066
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2024年1月
第34話「黄色いスパイ戦!見たかYTCの威力」では、廃品回収業者を装い、大岩が地底探知装置を運搬するシーンの後半部分が描かれた。
撮影は、苗場へと続く路地から行われている。

368085 SS368067
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2024年1月
大岩とアンドロイド00号(赤面仮面)の乗るトラックは、トンネル内で突如停車。
原因を調べようと大岩が降りた隙に、赤面仮面はトラックを発車させる。

368086 SS372040
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2024年3月
「何をするんじゃい!」
突然の出来事に呆然とする大岩。

368088 SS368069
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2024年1月
この直前、赤面仮面のスパイ回路は修復されており、その正体を露見した。

368089 SS368073
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2024年1月
赤面仮面はかなりの強敵で、大岩は全く歯が立たない。
「第2トンネル」東側出入り口近くでの撮影は、陰影も相まり、アンドロイド00号から赤面仮面への変化が不気味に表現されている。

368090 SS368075
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2023年12月
大岩にトドメを刺そうとする赤面仮面。
その瞬間・・・。

368091 SS368068
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より(映③)
右:2023年12月
トンネル出入り口にある擁壁上に、アオレンジャーとミドレンジャーが姿を現した。
当擁壁上背後に、苗場が広がっている。

368092 SS368077
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2023年12月
赤面仮面は、すぐさまトンネル内へと逃亡。
大岩を救出したアオレンジャーとミドレンジャーは、赤面仮面を追う。

368094 SS368081
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話より
右:2023年12月
この後、大岩の見詰める方向からモモレンジャーも現れ、共に赤面仮面を追走する。
尚、残念ながら、当擁壁には、絵や文字の落書きが後を絶たない。

368096 SS372041
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話より
右:2024年3月
掲載した映画像は、第35話「黒い大怪鳥!コンドラー戦斗爆撃隊」において、コンドラー戦闘爆撃隊から避難する海城らのカット。

368097 SS372043
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話より
右:2024年3月
そのパンカット。
撮影は、トンネル出入り口にある擁壁上、つまり上掲映画像③でアオレンジャーとミドレンジャーが立っていた辺りから行われている。

368098 SS368083
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話より
右:2024年1月
トンネル内に入った海城たちだったが、前方(西側出入り口)からテムジンが出現。
先頭を走る海城は、ゴレンジャーマシーンを停める。

368100 SS368085
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話より
右:2024年1月
テムジンからの攻撃に被弾した海城、ペギー、明日香は、その場でアカレンジャー、モモレンジャー、ミドレンジャーに転換。
その場で、三人はUターンをする。

368101 SS368087
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話より
右:2024年3月
モモレンジャー、ミドレンジャーを追うテムジンのカット。
撮影は、苗場へと続く路地から行われている。

368107 SS368101
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第40話より
右:2024年3月
掲載した映画像は、第40話「紅の復讐鬼!地獄のモモレンジャー」におけるAパート終了間際のカット。
モモレンジャー不在の中、イーグル第三兵器庫へと駆けつけたアカレンジャーらだったが、空からコンドラー戦闘爆撃隊からの攻撃を受けてしまい、結局、撤退を余儀なくされる・・・。

368109 SS368104
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第46話より
右:2024年3月
以下は、Phase371でも考察を行った第46話「黒い超特急!機関車仮面大暴走」開巻部の一連。
定期パトロール中のペギーと明日香が、トンネル内からSLの音を耳にし、停止するカット。

368110 SS368105
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第46話より
右:2024年1月
「SLの音だ」
「まさか、こんなトンネルに・・・。だいたいレールなんか無いじゃない?」
「第2トンネル」前で、警戒するペギーのカット。

368111 SS368106
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第46話より
右:2023年12月
二人の視点で描かれる「第2トンネル」東側出入り口の様子。
SLの音は、徐々に大きくなっていく・・・。

368112 SS368107
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第46話より
右:2023年12月
「シュシュポッポ、シュシュポッポ・・・」
やがて、黒十字軍の機関車仮面が姿を現した。

368113 SS368108
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第46話より
右:2023年12月
「シュシュポッポ、シュシュポッポ・・・、どいた、どいた!」
走り去る機関車仮面を見詰め、呆然とするペギーと明日香。
この後、Phase371で考察したシーンとなる。

368122 SS368120
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第49話より
右:2024年3月
最後に掲載するのは、第49話「みどりの大脱走!卍のトリックプレイ」から。
高性能ロボット・フランケン1号の設計図を持ってパリから帰国したペギーと明日香。
その帰路、黒十字軍に襲撃されるシーンが、「第2トンネル」内で描かれた。

368124 SS368122
左:『秘密戦隊ゴレンジャー』第49話より
右:2024年1月
道が違うことに気付いたペギーだったが、時既に遅し。
トンネル内で、つの骨仮面の襲撃を受けてしまう・・・。


(編集後記)
SS372052
上:2024年5月
新緑が映える季節となりました。
この晩秋から冬にかけて、もう一度、ご活躍頂く予定です。
「セントラルロッジ」跡地にて・・・。



(参考文献)
『こどもの国三十年史』(発行/社会福祉法人こどもの国協会/1996年)
『こどもの国50年史』(発行/社会福祉法人こどもの国協会 朝日新聞出版/2016年)
『「こどもの国」のデザイン-自然・未来・メタボリズム建築』(文化庁/2022年)


(映画像掲載作品)放映順
『秘密戦隊ゴレンジャー』第11話「みどり色の戦慄!耳地獄からの脱出」(1975/6/21放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第17話「むらさき色の遊園地!悪魔の墓場」(1975/8/9放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第31話「黒い挑戦状!怒れ五つの正義の星」(1975/11/22放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第34話「黄色いスパイ戦!見たかYTCの威力」(1975/12/20放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第35話「黒い大怪鳥!コンドラー戦斗爆撃隊」(1975/12/27放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第40話「紅の復讐鬼!地獄のモモレンジャー」(1976/2/14放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第46話「黒い超特急!機関車仮面大暴走」(1976/4/10放送)
『秘密戦隊ゴレンジャー』第49話「みどりの大脱走!卍のトリックプレイ」(1976/5/1放送)


Phase373 End


お願い&お断り
〇当ブログの記事、図版、画像などを無断で複写、複製、転載、データ化することはご遠慮願います(諸般の事情により、一部、画像処理を施してあります)。
〇当ブログ中、一部を除き、関係者の名は当時のものを記載し、敬称は省略させて頂きます。
〇ロケ地紹介などで掲載する写真の中には、経年の結果、撮影時とは更に変貌を遂げている箇所があります(参考までに撮影年月を記載します)。



当ブログは、管理人個人の趣味の範疇にあり、作品の配給元とは一切関係なく、利益を得ること、著作権を侵害する意図は一切ございません。
比較などのために引用する画像の権利は、全て原権利者に帰属します。

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hide男

Author:hide男
東映生田スタジオと同作品ロケ地研究の場です。

当ブログは、管理人個人の趣味の範疇にあり、作品の配給元とは一切関係なく、利益を得ること、著作権を侵害する意図は一切ございません。
比較などのために引用する画像の権利は、全て原権利者に帰属します。

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