爆笑問題・太田、立川談志が落語に詰め込もうと試み続けた「肉体と精神」の正体に言及「言葉と言葉にできない感情」
2016.09.28 (Wed)
2016年9月27日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週火 25:00-27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、落語家・立川談志が落語に詰め込もうと試み続けた「肉体と精神」の正体について語っていた。
笑う超人 立川談志×太田光
太田光:僕らは、お笑いみたいなこと…真似事ですよ、こんなのは。特に田中はね。
田中裕二:いいよ(笑)
太田光:そうすると、ネタ作る時に思いますよね?「今、ここで俺が言った一言、スゲェいい感じだったな」って思うじゃない?
田中裕二:うん。
太田光:でも、それって深夜に作ってる雰囲気。
田中裕二:煮詰まっちゃってね。
太田光:その時に出た一言だけれでも、「これは絶対に面白いはず」って。
田中裕二:うん。
太田光:でも、それを漫才の台本に直すときに、離れるでしょ?
田中裕二:離れるね。
太田光:あの感覚から離れる。なんで一回、「オギャー」って言えたものが、言葉にできないか。もどかしいじゃないですか。
田中裕二:うん。
太田光:言葉になおしていく。「オギャー」に戻していく作業ですよね。我々のやってる作業っていうのは。つまり、お笑いっていうのは、つまらないなんてことはないんですよ。
田中裕二:うん。
太田光:たとえば、話が下手くそなさ。女の子とか、オチ先に言っちゃってとかあるじゃない?
田中裕二:うん。
太田光:「つまんねぇ話」とか、お前とかよく、言ってるじゃない?
田中裕二:言ってねぇよ(笑)
太田光:「若い女の話はつまんねぇ」とか。
田中裕二:そんなこと言ってない(笑)面白いと思うよ、逆に俺は。
太田光:女子高生がキャピキャピやってる。
田中裕二:そういうの好きだから、俺は。
太田光:でも、アレをお笑い芸人がプロとして、「あの話方はつまらない。っていうか、あんなつまらないことでよく笑うな」っていうのは、実は俺は間違いだって思ってて。
田中裕二:うん。
太田光:女の子たちが、あんだけゲラゲラ笑ってるっていうのは、絶対、そこに俺たちが漫才を作ってる時の、パッて浮かんだ、パッて誕生した「オギャー」があるはずなんです。
田中裕二:なるほど。
太田光:でも、彼女たちは、言葉のテクニックや笑いの構築に関しては、拙いから。なかなか人に話すときに、先にオチを言っちゃったりで、面白い話って思われないことが多いんだけど。
田中裕二:うん。
太田光:絶対にそんなことはなくて。実は、そのときに掴まえて、上手く表現できれば、同じ気持ちになれる。箸が転がって笑ったり。でも、転がる様子を説明できないんです、女の子たちは。でも、なんで今、箸が転がって面白かったかっていうのを、再現できれば、同じようにお客は笑えるんです。
田中裕二:うん。
太田光:それはマニュアルじゃなくて、どっちも必要なわけよ。
田中裕二:見る側が?
太田光:見る側もそうだし、表現する側も、そのときに「面白い」って思った時の、言葉にできない感情だよね。それと言葉。それが2つセットにならないと、芸にならない。
田中裕二:うん。
太田光:っていうのを考えたときに、立川談志が「肉体と精神」ってよく言ってた。あの人は、一生、それで悩みましたよね。肉体と精神、バラバラのものをどうにかするんだ、と。落語の中に詰めるんだ、と。
田中裕二:うん。
太田光:それで、色んな試行錯誤。イジくったり、分解したり、色々やってる中で、俺から見たら、それこそ信じられない領域に達したでしょ?
田中裕二:うん。
太田光:それは、小林秀雄の言う、魂だと思うんだよ。
田中裕二:うん。
太田光:言葉と魂。それが、立川談志の言う、肉体と精神だと思うんだよ。同じことを言ってるんだと思うんだよ。
田中裕二:うん。
太田光:つまり、学問だけじゃダメだよ。魂もそこに一緒にいるんだ。そこに一緒に介在させることが、実は一番難しくて。立川談志は、それで一生悩んだ人だと思う。
田中裕二:うん。
太田光:ところが、俺は立川談志の落語を見て、ふと…僕は『笑う超人』っていうDVDで、談志師匠に落語を2席やってもらって撮りましたけど。あの本番中に、談志がいない瞬間があるわけですよ。
田中裕二:うん。
太田光:『らくだ』と『黄金餅』っていう2席やってもらったんですけど、あまりにも話に吸い込まれ過ぎて。つまり、明らかに目の前に立川談志がいるんですけど。あんな醜い顔をした…
田中裕二:醜くないけど(笑)個性的な人がいて。異物感満載な人がね。
太田光:異物感の塊ですよ。でも、談志の姿が見えなくなる瞬間があるんですよ。
田中裕二:うん。
笑う超人 立川談志×太田光
太田光:僕らは、お笑いみたいなこと…真似事ですよ、こんなのは。特に田中はね。
田中裕二:いいよ(笑)
太田光:そうすると、ネタ作る時に思いますよね?「今、ここで俺が言った一言、スゲェいい感じだったな」って思うじゃない?
田中裕二:うん。
太田光:でも、それって深夜に作ってる雰囲気。
田中裕二:煮詰まっちゃってね。
太田光:その時に出た一言だけれでも、「これは絶対に面白いはず」って。
田中裕二:うん。
太田光:でも、それを漫才の台本に直すときに、離れるでしょ?
田中裕二:離れるね。
太田光:あの感覚から離れる。なんで一回、「オギャー」って言えたものが、言葉にできないか。もどかしいじゃないですか。
田中裕二:うん。
太田光:言葉になおしていく。「オギャー」に戻していく作業ですよね。我々のやってる作業っていうのは。つまり、お笑いっていうのは、つまらないなんてことはないんですよ。
田中裕二:うん。
太田光:たとえば、話が下手くそなさ。女の子とか、オチ先に言っちゃってとかあるじゃない?
田中裕二:うん。
太田光:「つまんねぇ話」とか、お前とかよく、言ってるじゃない?
田中裕二:言ってねぇよ(笑)
太田光:「若い女の話はつまんねぇ」とか。
田中裕二:そんなこと言ってない(笑)面白いと思うよ、逆に俺は。
太田光:女子高生がキャピキャピやってる。
田中裕二:そういうの好きだから、俺は。
太田光:でも、アレをお笑い芸人がプロとして、「あの話方はつまらない。っていうか、あんなつまらないことでよく笑うな」っていうのは、実は俺は間違いだって思ってて。
田中裕二:うん。
太田光:女の子たちが、あんだけゲラゲラ笑ってるっていうのは、絶対、そこに俺たちが漫才を作ってる時の、パッて浮かんだ、パッて誕生した「オギャー」があるはずなんです。
田中裕二:なるほど。
太田光:でも、彼女たちは、言葉のテクニックや笑いの構築に関しては、拙いから。なかなか人に話すときに、先にオチを言っちゃったりで、面白い話って思われないことが多いんだけど。
田中裕二:うん。
太田光:絶対にそんなことはなくて。実は、そのときに掴まえて、上手く表現できれば、同じ気持ちになれる。箸が転がって笑ったり。でも、転がる様子を説明できないんです、女の子たちは。でも、なんで今、箸が転がって面白かったかっていうのを、再現できれば、同じようにお客は笑えるんです。
田中裕二:うん。
太田光:それはマニュアルじゃなくて、どっちも必要なわけよ。
田中裕二:見る側が?
太田光:見る側もそうだし、表現する側も、そのときに「面白い」って思った時の、言葉にできない感情だよね。それと言葉。それが2つセットにならないと、芸にならない。
田中裕二:うん。
太田光:っていうのを考えたときに、立川談志が「肉体と精神」ってよく言ってた。あの人は、一生、それで悩みましたよね。肉体と精神、バラバラのものをどうにかするんだ、と。落語の中に詰めるんだ、と。
田中裕二:うん。
太田光:それで、色んな試行錯誤。イジくったり、分解したり、色々やってる中で、俺から見たら、それこそ信じられない領域に達したでしょ?
田中裕二:うん。
太田光:それは、小林秀雄の言う、魂だと思うんだよ。
田中裕二:うん。
太田光:言葉と魂。それが、立川談志の言う、肉体と精神だと思うんだよ。同じことを言ってるんだと思うんだよ。
田中裕二:うん。
太田光:つまり、学問だけじゃダメだよ。魂もそこに一緒にいるんだ。そこに一緒に介在させることが、実は一番難しくて。立川談志は、それで一生悩んだ人だと思う。
田中裕二:うん。
太田光:ところが、俺は立川談志の落語を見て、ふと…僕は『笑う超人』っていうDVDで、談志師匠に落語を2席やってもらって撮りましたけど。あの本番中に、談志がいない瞬間があるわけですよ。
田中裕二:うん。
太田光:『らくだ』と『黄金餅』っていう2席やってもらったんですけど、あまりにも話に吸い込まれ過ぎて。つまり、明らかに目の前に立川談志がいるんですけど。あんな醜い顔をした…
田中裕二:醜くないけど(笑)個性的な人がいて。異物感満載な人がね。
太田光:異物感の塊ですよ。でも、談志の姿が見えなくなる瞬間があるんですよ。
田中裕二:うん。
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