台湾関係雑感4・協定撤回したらどうなるか考えてるの?

対中協定抗議に10万人超=立法院占拠学生ら開催―台湾

時事通信 3月30日(日)21時15分配信
 【台北時事】台湾が中国と昨年6月に調印した「サービス貿易協定」に反対し、立法院(国会)議場を占拠する学生らが30日、台北市中心部の総統府周辺で馬英九政権に抗議する大規模な集会を開いた。警察によると10万人を超える参加者が集まった。主催者は約50万人が参加したと主張した。
 若者を中心に家族連れも含めた幅広い年齢層が参加。運動のシンボルであるヒマワリを手に持ち、協定の撤回などを求めた。10万人超という異例の参加者数は、協定に対する台湾内の警戒心が強いことを示しており、早期承認を目指す政権にとっては打撃となりそうだ。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140330-00000085-jij-cn

「協定に対する台湾内の警戒心」というのが、単純な反中感情ではないという分析くらいはしてほしいところです。多くの民衆は、自由貿易による経済的な損失を懸念し不安に思っている程度であって、協定を破棄して中国と対峙することを望んではいないでしょう。そうなることを望んでいるのは日本国内反中右翼とそれを後ろ盾にしている李登輝派くらいでしょうか。

仮にECFAそのものを破棄した場合、台湾がどういうことになるかという想像力が無いのでしょうけど、まず起こりうるのは中台貿易への影響です。これが縮小すれば経済的に台湾は大打撃を受けます。
中国以外の国と台湾が自由貿易協定を結べば良い?そもそも今集まって抗議している民衆は自由貿易に反対ですよね。それに「一つの中国」という原則から中国が台湾と他国の協定を認めるわけもありません。中国の意向など無視すればよい?軍事的緊張を高めてまで、中国との協定を蹴って他国と協定を結ぶことにどれほどの利益があるんですか?それにいったん結んだ協定を国内事情で反故にする国との協定なんて、他の国は信用してくれますかね?
この騒動で国民党政権が倒れたとして、民進党政権がその後をどうやってまとめるんですかね?どうも消火の準備もなしに火事を煽っているだけのように見えますが。

今回の騒動がうまく収まったとしても、馬政権にとって打撃だったのは言うまでもありません。なので今さら手遅れですが、台湾が自由貿易推進で遅れを取れば、その分韓国が利益を得ることになるでしょうね。台湾にとっては、中国との間の軍事的緊張を再び高めるか、経済的に低迷することで対中抵抗力をより弱めるか、国家レベルで考えれば台湾にとって損でしか騒動になっています。

日本の反中右翼兼嫌韓バカは頭が悪いので、結果的に台湾が損しかしない、場合によっては韓国が得するだけの、今回の騒動に大喜びです。彼らはまず「朝三暮四」ということわざの意味を理解するところからやり直すべきでしょうね。