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科学な本のご紹介: 全裸対談集『ウクライナ戦争の200日』

科学に佇む書斎



ウクライナ戦争の200日 📖 
東浩紀、砂川文次、高橋杉雄、片渕須直、ヤマザキマリ、高橋杉雄、マライ・メントライン、安田峰俊と、人選もとりどりのはるかなる戦争世界対談集。

科学の本小泉悠
軍事史の本を読んでいると、砲兵というのはギルドみたいな特殊な集団だったとよく指摘されているんです。
まず大砲というテクノロジーを使って戦うわけだし、その大砲の弾がどこに落ちるのかは完全に数学の問題だし。

科学の本砂川文次
この火力調整会議が、かなり荒れるんですよ(苦笑)。自衛隊も一枚岩ではありませんから。
方面と師・旅団での対立はもちろん、方面火力の中でも、航空火力と地上火力が対立しています。「うちの火力をこう使え!」と各々が主張して、会議が紛糾する。

科学の本東浩紀
1991年に起こった湾岸戦争ではコンピューターを駆使した兵器が登場し、「ニンテンドーウォー」とも呼ばれました。
近年も、これからの戦争はバーチャル化されスマートなものに変化していき、現実の戦場だけでなく、情報空間で戦いが起こる「ハイブリッド戦争」になると言われていました。

科学の本安田峰俊
中華皇帝は理論的には全宇宙の中心なのですが、世界のあらゆるものを直轄支配の下に置くべきだという意識は薄い。
けれど、全世界全人類が中国をリスペクトしてほしい、「朝貢」してほしい、みたいな欲はあるでしょう。

科学の本小泉悠
アフガン侵攻は最も悲惨な記憶として、ロシアの歴史に刻まれています。国民的トラウマと言ってもいい。
10年間も泥沼で這いずり回った末に、1万5千人の戦死者を出したとされています。




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『ウクライナ戦争の200日』
 小泉悠
 文春新書 文藝春秋


 まだ浅い(?)200日目の段階でまとめられた対談集なので、対談の人選もややイロモノというか、深刻さが(後々から考えれば)希薄な感じの、酒場のよもやま話のような感も出ていたりしてしまってる。
 もしかすると、200日目の段階では、これでも十分重さのある対談だったのかもしれない。
 巻末には「ウクライナ戦争の200日の動き」年表があり、各対談の初出年月を重ね合わせながら噛み砕くと良さげ。
ラインアップ;
東浩紀 ロシアは絶対悪なのか
砂川文次 超マニアック戦争論 ←自衛隊ベースの小説家
高橋杉雄 ウクライナ戦争百日間を振り返る ←まずは100日目
片渕須直 ウクライナの「さらにいくつもの片隅に」
ヤマザキマリ 「独裁」と「戦争」の世界史を語る
高橋杉雄 徹底解説 ウクライナ戦争の戦略と戦術 ←続刊でもさらに濃厚対談
マライ・メントライン&安田峰俊 ドイツと中国から見るウクライナ戦争 ←ここだけ本書用の語りおろし

本書のちょうど一年後、戦禍もどん底に重苦しい2023年9月に
●本『終わらない戦争 ウクライナから見える世界の未来』
が上梓されていて、『ウクライナ戦争の200日』と同じく文春新書の小泉悠対談集であるので続刊っぽい位置づけになるけれど、内容は比較にならないくらいガチの防衛時評が詰め込まれているのでぜひどうぞ『終わらない戦争』一読オススメ。

また、上記2冊の出版の間に、ちくま新書から小泉悠氏の単著
●本『ウクライナ戦争』 2022末の出版
が出されているので、3冊とも揃えるとさらに時系列考察がゴージャスなことになります。

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→『ミニ特集:ウクライナ戦争』
→『ミニ特集:ウクライナ その1』
→『ミニ特集:ロシア その4』
→『ミニ特集:ロシア その3』
→『ミニ特集:ロシア その2』
→『ミニ特集:ロシア その1』
→『ミニ特集:チェチェン』
→『ミニ特集:戦争を調べる その5』
→『ミニ特集:戦争を調べる その4』
→『ミニ特集:戦争を調べる その3』
→『ミニ特集:戦争を調べる その2』
→『ミニ特集:戦争を調べる その1』
 



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 No.2022,1023
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