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科学な本のご紹介: 人力礼賛『駕籠 ものと人間の文化史』

科学に佇む書斎



駕籠 ものと人間の文化史 📖 
大量生産のない古の時代、乗り手の階級や性別、TPOによってもさまざまだったオーダーメイド駕籠の日本史世界。
各様式の駕籠の絵図も豊富に収載されていて創作が捗るよ!

科学の本駕籠(かご)は、一本の長い棒に、乗り台を吊り下げて、人が担いで運ぶ日本独特の様式の乗り物である。
 庶民から大名まで身分を越えて利用した江戸時代限定の乗り物である。

科学の本最高級は将軍用の乗り物で、四側を網代張りにして黒漆溜塗(下地に朱や鉄丹を塗って乾媒させ、その後木炭で磨いて艶消しして、その上に透漆や梨子地漆を塗って仕上げる)にしたものである。

科学の本【乗り物医者と徒歩医者】幕府の奥医者や目見医者は、供廻りを6〜10人ほど従えて、4〜8人の陸尺(ろくしゃく)が担ぐ長棒駕籠(かご)で移動していた。徒医者は薬箱を持った供と歩いて往診していた。

科学の本『往還人馬日〆帳』によれば、美濃街道起宿の安政六年頃、駕籠の利用者は武士が78.4%と断然多く、次いで社僧(社人・僧侶)17.7%、公家、庶民の順になっている。

科学の本貴人の駕籠かきの服装は、今日でいえばけ高級乗用車のお抱え運転手にあたり、その服装は威勢のよさといなせな風体をかもし出して、時代の先端を行く格好のよさが求められる花形職種の一つであったといえる。

科学の本【越すに越されぬ大井川】大井川は駕籠を船に乗せず、徒渡り(かちわたり)である。川幅720間(1375m)で、通常時も30間(54m)〜240間(432m)と変化が大きく、常水位は二尺五寸(75cm)とされていた。





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『駕籠 ものと人間の文化史』
 櫻井芳昭
 法政大学出版局


お医者を運ぶ駕籠かきは、それ専用の衣装を着ていて、まるで救急車みたい。
高貴な女性の乗り物は6段階あった←これが一番格下は「ゴザ」だったりして完全格付けチェック状態。
おえらいさんと庶民とでの駕籠の種類・使い方の違いっぷり、お上が駕籠の乱用をコントロールしようとかけてくる度重なるご禁制とそれにあらがいまくるユーザたち…、陸尺(ろくしゃく)の語源一つをとってもさまざまに歴史的経緯の機微が披露されていて、ご先祖様たちが繰り広げてきた文化史の厚さ多彩さをじっくり味わえる。
参勤交代用の駕籠、お忍び外出用の駕籠、そゆのが逐一記録に残ってるのもスゴイよね。

雪国的に気になるのは「駕籠橇」! 馬動力のスノーモビルじゃん。
どんな乗り心地(風情)でどんなアクシデントとかあったのかすごく知りたくなるぞ。

櫻井さんの手による「日本の乗り物三部作」とも言える『駕籠』『輿』『牛車』はそれぞれに深く言及が交錯し重なり呼応しあっていて、読み通せば3Dプリンタのように立体的な「日本を往来する乗り物」世界が立ち上がってくる。
櫻井芳昭→『駕籠 ものと人間の文化史』
櫻井芳昭→『輿 ものと人間の文化史』
櫻井芳昭→『牛車 ものと人間の文化史』

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駕篭 (ものと人間の文化史)




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 No.2007,1102
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