ミニ特集:サブカルとヒトの社会を考える本 その2
『都市の舞台俳優たち アーバニズムの下位文化理論の検証に向かって』
『世にも奇妙なニッポンのお笑い』
『抵抗の快楽 ポピュラーカルチャーの記号論』
『震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する』
『マンガのなかの〈他者〉』
『都市の舞台俳優たち アーバニズムの下位文化理論の検証に向かって』
田村公人 リベラ・シリーズ ハーベスト社
●得られた結論が衝撃的! 業界やファンの間でどよめかれて話題になった、都市部の演劇業界フィールドワーク本。
冒頭の章がほぼすべてを物語ってしまっているという構成になってたりして、冒頭オススメ。
客層についていくつかの公演をサンプルにその実態を探っていくと、出演者である舞台俳優個人が自らの人脈(=パーソナル・ネットワーク)を通じて集客に至った相手(=観客)が客席全体の9割、あるいはそれ以上を占めている現実が見えてくる。
東京が日本の他地域には見出しがたい特徴を有するのは、自ら客となって支える舞台俳優人口が桁外れに多いという事実に他ならず、一見「熱心なファン」と観察者の目に映ずる客の中に、いずれかの劇団に所属し公演への参加を続ける舞台俳優が相当の割合で含まれている点には注意を喚起したい。
何人かの舞台俳優、ならびにその恋人から得られた証言によるならば、舞台俳優の中には定職に就く恋人が支援を行うケースも確認される。
「都市の舞台俳優たち」
— ちくわぶ。 (@ume_omusubiman) 2019年10月8日
社会学の本で論文調で書かれているけど、どちらかというと長年追いかけたルポという感じ。
小劇場役者の人間関係や誰が何枚売ったか誰を誘うか等のチケットノルマ問題、売れない役者をいつまで続けるのか?
「やっぱりね」という感想と「でもさ…」という感想が入り混じる。 pic.twitter.com/EwcLfrRKPk
田村公人さんの『都市の舞台俳優たち』では、アーバニズムの見地から「小劇場が身内で客を呼びあっている」下位文化の構造が、膨大なデータによって裏打ちされたわけだけど、あの示唆に富んだ論述自体をすでに歴史と捉えるべきいま、その先を見据えないことには未来がない。
— 松澤くれは (@suama_sweetnam) 2016年1月5日
『世にも奇妙なニッポンのお笑い』
チャド・マレーン NHK出版
●ヨシモト初の押しかけ異国人芸人、その彼が惚れ込んだ「ニッポンのお笑い」の世界。
なにより真剣に困惑するほどの秀才頭脳チャドが語る異文化考察ネタは、たいへんたいへん傾聴に値する。
こちらで紹介
『世にも奇妙なニッポンのお笑い』
『震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する』
佐藤健志 VNC
●震災の2年半後に、この本で語られる表象ゴジラ。
そして、震災の5年後に公開された『シン・ゴジラ』。
こちらで紹介
『震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する』
『マンガのなかの〈他者〉』
伊藤公雄 編 ビジュアル文化シリーズ 臨川書店
● 現代日本のマンガにおける表象分析(モブの扱いとか)かと思いきや、大半は、戦前戦後を含めた広範な歴史的表象(敵国や異国人の描かれ方)論考。
なぜ、中国人は「〜〜アルネ」を語尾に用いると想定されたのか??? 冒頭に収録されている金水敏「日本マンガにおける異人ことば」が鋭いぞっ
@yskwjm おお、ぜひ。//あと金水先生の「役割語」論、特に『マンガのなかの「他者」』に書かれた論考、東アジアの他者表象を考える上で必読文献なので、いつも授業や卒論指導などで紹介しています。面識はないのですが、何かのついでの時によろしくお伝え下さい。
— Masao NISHIMURA (@changpian) 2013, 4月 2
『マンガのなかの「他者」』って本に『ヒトラー最期の13日間』と同時期に作られたヒトラー風刺アニメの政治や製作上の意図を比較した論文が載ってて面白かったですね。
— NISAで儲けるAV女優 (@hakulo765) 2012, 8月 23
マンガに描かれた在日朝鮮人表現については、伊藤公雄編『マンガのなかの〈他者〉』(臨川書店、2008)に大阪市立大特別研究員(当時。現在は岩手大学准教授)の梁仁實さんが「日本のマンガにおける他者との遭遇」という論文を書いていると親切な方にご教示いただいた。感謝申し上げる次第である
— 岸本元 (@bowwowolf) 2011, 9月 22
『ミニ特集:サブカルとヒトの社会を考える本 その2』
『ミニ特集:サブカルとヒトの社会を考える本 その1』
『ミニ特集:サブカル オカルト』
『ミニ特集:サブカル アニメ その1』
『ミニ特集:物語論 シナリオと映画』
『ミニ特集:メディアと社会と心理学』