沖縄市、コリンザ買い取りへ 新図書館を整備


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 【沖縄】沖縄市(桑江朝千夫市長)は25日までに、経営不振で2010年に解散した第三セクター「沖縄市アメニティプラン(AP)」が運営する複合商業施設「コリンザ」を、市が買い取る方針を固めた。購入額は6億円前後になる見込み。市教育委員会は、コリンザ内に新たな市立図書館を整備して16年度の開館を目指す。

 新たな市立図書館の整備費用は、約10億円程度を見積もる。市は中心市街地活性化基本計画で、施設規模で現図書館の約2倍(延べ床面積約3400平方メートル)、蔵書数で約1・36倍(約25万冊)をそろえる新図書館の整備目標を設定している。
 市はコリンザ購入に向けて、AP社と協議を進めている。購入額は、不動産評価額の査定などが調整中のため流動的だ。市は地権者の合意を得た後、早ければ今年中の市議会に購入予算を提案する考え。だが、一部地権者とAP社との間で土地の明け渡しに関して係争中のため、予算計上の時期は不確定だ。
 AP社は会社解散後、特別清算の手続きを進めている。解散時の負債総額は39億数千万円で、主な債権者は県、琉球銀行、国場組になる。県などは約32億円の債権を保有しており、AP社がコリンザを数億円で売却した場合、大半の債権の行方が課題となる。
 比嘉良憲教育部長は25日の市議会代表質問で、新図書館整備について「図書館建設は管理運営の合理性や早期実現性を検討して、コリンザ内に整備することを決定した」と答弁した。本年度は基本計画の策定、15年度は実施設計、改修工事を行い、16年度の供用開始を目指す方針を説明した。
 AP社は92年に沖縄市と中小企業基盤整備機構、民間が出資して設立された。県から中小企業高度化資金を借り入れて96年にコリンザを建設し、97年に開業した。中心市街地の核店舗として期待されたが、テナントの撤退が相次ぎ経営不振が深刻化して、10年6月の株主総会で解散を決定した。(宮城征彦)